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茨城県水戸市の偕楽園の梅が、見頃です。
2022年の3/11の時点で開花率77%!
ここ最近、とみに暖かいですから、
次の土日(3/19・20)には、満開でしょう。

例年に比べて寒い日が多かった関係で、
二週間ほど見頃の時期が遅れているんです。
3月中~下旬には花も散ってしまい…
ということがよくあるそうですが、
今年(2022年)は、まだまだこれから。

先日私は、偕楽園は早朝がおススメ、という
記事を投稿しました↓

ヒストジオ=歴史と地理、
を名乗っているからには、
時間軸だけでなく「空間軸」ネタでも投稿します。

ずばり、偕楽園には「どこ」から
入るのがいいと思いますか?

「何を言うてはりますのん?
偕楽園の入り口なんて、
そないに多くあらしますのかいな?」

…と、ツッコミを入れた方もいるかもですが、
そうです、実は、入り口がいくつかありまして。

偕楽園、めちゃめちゃ、広いんです。
そのうち、有料ゾーンとなっている
有名な「梅林」とか「好文亭」とかがある
中心部に入るには、門を通る必要があります。

「御成門」(北東)「表門」(北)
「東門」「西門」「南門」…

どこでも同じじゃないですか、ですって?
さて、ここで一つお考えいただきたいのは、
「偕楽園の中心部は
『崖の上』にある」
ということ。

好文亭という建物の最上階からは、崖の上から
南にある千波湖という湖が広々と見渡せて、
それはもう、天下を睥睨するような、
文字通り大所高所から風景を楽しめるのですが、

南側は「低地」なんですね
(ずっと昔は、この千波湖ももっと広く、
水で地層を削っていたそうです)。
逆に言うなら「北側以外から来ると、
崖を上らなければいけない」
ということです。

つまり、「南門」「東門」「西門」の場合、
原則、崖や階段を上る必要があるんです。
これ、けっこうキツイ坂です。
偕楽園中心部と千波湖の間には、
「偕楽園駅」という、観梅の時期のみ停車する
珍しい電車駅がありますが、
それも崖の「下」にあるので、ここで降車すると
崖や階段を上ることになります。

もう、おわかりでしょうか?

私が強くおススメするのは、北からの入場。
それも「表門」から入るルートです。

こちらの記事でも、オススメがされています↓

…どうせならカッコイイ「御成門」から
入ったらどうか、ですって?
うん、一昔前ならそれもありでしたが、
今は中心部が「有料」になったために
御成門は閉鎖されてしまいました(泣)。

(元々、幕末の徳川斉昭公の時代には
この御成門は存在しておらず、
明治時代になってから明治天皇皇后が
偕楽園に訪れた時に作られたそうですが)

「表門」には、料金所があります。
ここから入るのがベスト、だと思います。

理由を改めて、三つ挙げましょう。

①まず、崖からではないので、
平坦な道を歩いてこれて楽だから。
②次に、北側、水戸駅側、つまり昔で言う
「水戸城」の方角から来るために、
お殿様気分を味わえるから
③加えて、ここから入れば
偕楽園の「陰陽」を満喫できるから

①は、もう説明しました。
②は、事実、この「表門」から、
偕楽園を作った徳川斉昭公は
入ってきていたそうです。正式な門なんです。

…③は、ちょっと説明が要りますかね。

よろしければ「地図」を
見ながらお読みください↓

https://ibaraki-kairakuen.jp/guide/pdf/guidemap2022_1.pdf

偕楽園は、実は「陰陽思想」
基づいて作られていると言われています。
陰と陽。影と光。対比です。

陽、光、明るい、これは、わかりますね。
光り輝く梅林。好文亭からの明るい眺め。
…では、陰、影、暗い、というのは?
これは、偕楽園中心部の北西のあたりにある
孟宗竹林や杉林が、表現しています。

表門から入ると、最初、うす暗いんですよ。

ちょっと京都にあるような竹林…?
なんか妖怪が出てきそうな杉林…?
「あれ、梅は? ここ、偕楽園だよね…?」と
不安に思いながら進んでいくと、

そのうちに梅の花の香りがあたりに漂ってきて、
ぱあっと文字通り光り輝く花の咲く、
明るい梅林がだんだんと見えてくるわけです。
素晴らしい造園演出!
まさに、陰と陽との対比!

この味わいは、表門ルートならでは、なのです。

他の門からのルートですと、
いきなりガツンと梅林!とかで
メインディッシュを一皿目から味わう感じ。
表門からなら、前菜から徐々に味わえるのです。

ただ、一つ、難点があります。
それは表門には、初見だと行きにくいこと。

もし、初めて偕楽園に行かれる方、
しかもこの記事で書いた「表門からのルート」に
チャレンジしたい方は、

車ならば偕楽園の北にある
「茨城県立歴史館」をナビ設定しておき、
そこから歩いて偕楽園に入るルートを
オススメしておきます。
偕楽園のあとには歴史館に入り、カフェで
将軍珈琲でも飲むと、もう雰囲気最高、です↓

電車の場合は、あえて「偕楽園駅」では降りず
「水戸駅」まで行ってしまって、
そこの北口からのバス発車場から
歴史館方面のバスに乗り、
「好文亭表門入口」というバス停まで行って
途中下車
する方法をオススメします
(終点の「偕楽園・常磐神社前」まで
乗ってしまうと、崖の下の偕楽園駅に
逆戻りしてしまうのでご注意を…)。

以上、今回は偕楽園を
「地理的」「空間的」な面から
紹介してみました。

ただし、イベントなどで変わることもあるので
正確な情報、営業時間や開門時間などは、
公式サイトからどうぞご確認を…↓

なお、本記事のトップの画像は「表門」です。
この時期は見事な紅梅が、
入場者をお出迎えしてくれますよ!

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