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第一次産業×第二次産業×第三次産業=六次!

最近「六次産業化」という言葉を
聞く機会が増えてきていますよね。

これは1×2×3から作られた造語。
すなわち

◆第一次産業:主に農林水産業
◆第二次産業:主に工業・鉱業・製造業
◆第三次産業:主に商業・サービス業

これらを掛け合わせたものです。

…まずは「いちごのジャム」などを
想像してみればわかりやすいと思います。

◆いちごそのものを栽培:第一次産業
◆いちごをジャムに加工:第二次産業
◆いちごのジャムを販売:第三次産業

これの何が良いかと言うと
「いちごそのもの」を売るよりも
「付加価値」を付けることができること。

消費者が自分でジャムを作らなくてもいい。
提供者側がその手間や事前にかけている分、
お高く売れるわけです。

もちろん、デメリットもあります。
ただモノを作って売るだけではないので
「時間と手間がかかる」
「初期投資、専門知識や技術、衛生管理」
この「負荷」も考えなければならない…。

本記事では六次産業化を入り口に、
柔軟な発想について、考えていきます。

「いちごのジャム」の例を挙げましたので、
いちご関連で連想していきましょう。

いちごそのものを売るだけでない?
「いちご狩り」は?
そう思い浮かびますよね。

これは「採る」「その場で食べる」
という「体験」そのものを売る手法。
「体験を売る」サービス、
付加価値をつけて、売っている。


梨狩り、ぶどう狩り、りんご狩り…。
「〇〇狩り」と呼ばれるものは、多数。
これは「掛け合わせ」の発想ですよね。
(注:魔女狩りやオヤジ狩りは犯罪ですが…)

他にも「農家カフェ」「農家レストラン」
も思い浮かびます。

例えば「自作のいちごを使ったケーキ」を提供。
これは、栽培・加工・販売(飲食店)、
すべてが掛け合わされている。

「自家栽培したフレッシュな
野菜の料理が食べられます!」
「この川で採れたての鮎を
その場で焼き上げました!」

こんなうたい文句を、観光地やリゾート地で
よく見かけるのではないでしょうか?

…ただし、ですね。
最近では、第一次産業=農林水産業が
関わっているからといって
必ずしも「食」に結び付けないもの、
「食」を起点としないものも、ある。


例えば「あたらしいツーリズム」。
「ニューツーリズム」と呼ばれる
観光庁が推進している政策です。

これは「食」がメインではなく、サブ。
「旅行」「体験」のほうが起点となります。
行って、食べて、温泉、泊まって、帰る、
ではない。

10年以上前、2009年(平成21年)に、
観光庁は『ニューツーリズム旅行商品
創出・流通促進ポイント集』
なるものを
作成し、公開しています。

(2009年と言えば
東日本大震災やコロナ禍よりも前。
Twitterが流行り出し、政権交代をした年。
かなり昔に感じますが…)

その一部を、引用してみましょう。

(ここから引用)

『ニューツーリズムについては、
厳密な定義づけは出来ないが、

従来の物見遊山的な観光旅行に対して、
テーマ性が強く、体験型・交流型の
要素を取り入れた新しい形態の旅行を指す。

テーマとしては
産業観光、エコツーリズム、
グリーン・ツーリズム、ヘルスツーリズム、
ロングステイ等が挙げられ、

旅行商品化の際に
地域の特性を活かしやすいことから、
地域活性化につながるものと期待されている。

一方、こうした強いテーマ性を持ち、
新たな国内旅行需要や旅行スタイルを
触発する旅行商品化への取組みや、
旅行商品流通システムの創出も

ニューツーリズムの概念として
位置づけることができる。

即ち、新たな旅行分野の開拓のため、
地域密着型のニューツーリズム旅行商品の
創出・流通を包括した新たな旅行システムの
構築全体を指すものである』

(引用終わり)

役所の文書なので堅い言い回し。
くだけた感じで超訳してみますと、

「体験や交流ができる旅行、いいっスよね~。
地域密着なら、地域の活性化にも役立つし…。
何かテーマを決めた旅行なんかも、また良き。
食べて泊まって帰る、終わり、じゃなくて、
みんなで、柔軟に考えてみましょうよ!」

と言ったところでしょうか。

こう書いていって、
私が真っ先に思い浮かぶのは、

高崎 澄香さん 長嶺 将也さん
株式会社せんのみなと さんの
「キャリアツーリズム」です。

『古民家へと旅(ツーリズム)をして、
キャリアについて考える』

宿泊や飲食というサービスも
付随してはきますが、メインではなく、
「キャリアについて考えること」
これこそがメイン。

かつ、お二人は、2022年10月29日より

◎『キャリア相談日本一周の旅』

を敢行されるそうです
(詳細はリンクからぜひ)。

自分たちのフィールドに旅に来てもらう、
のみならず、
自分たちから旅に出る、という発想!

これもまた「ニューツーリズム」的な
柔軟な発想ではないでしょうか?

…ここまで私は、いくつか事例を挙げ、
さまざまな「六次産業化」について
書いてみました。

◆いちごジャム
◆いちご狩り
◆農家カフェ
◆ニューツーリズム
◆キャリアツーリズム
◆キャリア相談日本一周の旅

最後に、まとめていきましょう。

掛け合わせ。これは千差万別。
実は、無数に考え出せるもの。

六次産業化、と言うとどうしても
「いちごジャム」のような
一次産業を起点とした加工食品販売を
「第一想起」しやすいものですが

もっと柔軟に、斬新に考えても
いいのではないか?

例えば旅行やキャリア支援、つまり
「サービス業」の観点が起点でもいい。

一次×二次×三次、ですから、
三次×二次×一次、でもいい。
掛け算は、順番を変えても、同じです。
二次から考えても、いい。

他のものを掛け合わせたって、いい。

例えば「いちご狩り」と言っても、
自分たちのテリトリーに呼び込むだけが
唯一無二の方法ではありませんよね?

例えば「いちご畑をトラックに積み込み、
いちご農家のほうから出向いて、
自宅でいちご狩りサービス」とか。

VR、メタバース、などの視点で
「仮想空間上でいちご狩り」とか。

…すでに「キッチンカー」「出前」
また「移動式図書館」「訪問理美容」
「保険商品の訪問説明販売」など、

提供される側が提供する側(お店)に行く、
ではなく
提供する側が提供される側のほうに行く、
という方策は、
色々と世の中で実践されているところです。

仮想空間上のサービス
すでに、次々と生み出されていますよね。
オンラインとオフラインの組み合わせも…。

せんのみなとさんの
『キャリア相談日本一周の旅』も、
柔軟に考え実行に移す、という
斬新で新しいアクションです。
(そのうち「地球一周の旅」すら
敢行されそうな企画力と行動力!)

どこが起点でも、いい。
何をどう掛け合わせても、いいんです。


さあ、読者の皆様は、いかがでしょう?
何をどのように掛け合わせますか?
…旧来の商品やサービスの発想に、
囚われてはいませんか?

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