「ジャニス・ジョプリンのメルセデスに、私も乗れるか？」小さなヒスイ日記

今日はお休みですが。
ふと思ったので　書いておきます。


「メルセデス・ベンツ」ジャニス・ジョプリン

この歌の中で、ジャニスは歌っている。

「神さま、あたしにメルセデスベンツをちょうだい
ともだちはみんなポルシェに乗ってて
あたしは一人で、ここまで頑張ってきたんだから。

神さま、あたしにテレビをちょうだい
幸運をつかむテレビ番組に
出られるかもしれないでしょ。
だからテレビをちょうだい。
毎日　夜中の3時まで起きて待っているから」



これを聞くと思うんです。
自分が、本当に欲しいと思っているものは
なんだろう、って。


ベンツはいらないし
ポルシェはもっといらないし(笑)
テレビも不要。

じゃあ。
なに？？

それとも。
自分が本当に欲しいものなんて
探さないほうが、心しずかに暮らせるの？


そう思うとき、ふっと
水紋みたいに浮かび上がってくる記憶があります。
ヒスイの友人、Aのこと。


Aは本当に絵がうまくて
クラスに一人いる、とびぬけたやつで、
そりゃあもう
足の指先まで、ぴっかぴかに
才能と覇気にあふれて
輝いていた。


私は気になっていたけれど
ちょっとこわくて、腰が引けていた。距離を取っていた。

仲間との飲み会で距離を詰めてきたのは、そいつのほうで
笑いながら、言った。

『ヒスイは、本当に欲しいものに手を出さないな
それで自分が、なんだか、損をしているみたいに思っているんだろう？

ちがうよ
本当に欲しいものは、もう手の中にあるんだ
それで
戦えよ』


その時、自分はほんとうに何も持っていないと思っていたので
言い返そうと思ったけれど
言い返すのも怖くて
黙っていたら
会話は終わってしまった。

その夜は、ただじっと
自分の手を見ていた。
飲み会が、終わるまで。ずっと手を見ていた。

もちろん、夜が明けても、時間が過ぎても
手の中には何の武器も浮かび上がってこなかったけど。
いまやっと、
わかる気がするんです。


私は
何も持っていない。
才能も、根気も努力もがんばりも、持っていない。
持っていないということは、白紙であるということで
何かが欲しければ
自分で手の中に描けばいい。

武器を。
本物の武器を。
線と色と構図と
文字と句読点と、自分の物語を
自分で描くことだ。

今やっと。そう思うよって
伝えたいです。



『Mercedes Benz』Janis Joplin

この曲は、ジャニスのアカペラ一発録りで
音源はひとつしか残っていないそうです。

録音の3日後に、ジャニスはなくなりました。
最後の録音です。

1971年のアルバム「パール」に収録されています。

パール

ヘッダーはwal_172619によるPixabayからの画像

んー。あしたは、書こうか、どうしようかな。
まだ決めていません(笑)

#私は私のここがすき