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「あの手には、紅色の影があった」ヒスイの冬俳句+お茶日記(笑)

「老ひし掌の影のびやかに寒椿」
(おひしてのかげのびやかにかんつばき)

季語:寒椿

今日は「寒椿」で一句です。
冬の椿と聞くと、ヒスイはすぐに冬のお茶室を思い出します。
一輪の紅色の椿が花器に挿してあって、
そういえば、花器の下の敷物はつややかな黒漆で、
椿の紅色が映っているような気がしました。

お茶室があるのは、親戚のお家で
子供には寒いばかりで
まあ、でてくるお菓子めあてに
じっと我慢の子でした(笑)。

吐く息すら白いような冬の茶室の中で、
松風が鳴り、
今思えば信じられないほど贅沢な静謐の時間が
たゆたっていました。

その静かさを支配しているのは、
お茶の先生をしていたひとで、
彼女の白い手がなめらかに動いていたことが
今も目の底に残っています。

皺のある手が、流れるようにお茶をたて、
しずかにまた、膝に戻される。
その動きには独特の艶があり、
ちょうど床の間の寒椿のように
深い深い色合いを持っていたのでした。


ヒスイはお茶もお花もお習字も、
何をやらせても不調法な子で、
途中で全部やめてしまいましたが
あのかすかな松風の音が
ひたひたと満たしているような静謐さは

寒椿の美しさとともに
思い出されます。

今日は、子供の頃の記憶から、一句です。

「老ひし掌の影のびやかに寒椿」

明日は、ヒスイ日記お休みですー。
また木曜日にお会いしましょう。


※※
こちら、いろいろな推敲の結果、こうなりました!

「老ひし手の棗きよめて寒椿」
(おひしてのなつめきよめてかんつばき)

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