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「…おれたちは、褒められたくない」ヒスイのシロクマ文芸部

「愛は犬。犬は恩を忘れないし礼儀正しい。人間との関係も良好だ。これほど素晴らしい生き物はないでしょう!」

どん、と教授は壇上でテーブルを叩いた。客席から同意をしめす声があがる。
2×××年、地球上では生命の種を越えた『超越語』ができ、コミュニケーションがとりやすくなった。
そのため異種交流に関する講演会が大人気。今日も客席はぎっしり満席だ。
ある女性はハンカチを振り、

「そうよ、やはり犬よ。猫ブームなんて一過性でしょう」

隣のコーギーは尻尾を振り、

「犬にまさるペットはありませんよ、奥さん。我々一族は代々そう信じております」

壇上の教授もピンと耳を立てて、叫んだ。

「犬には愛がある。気品がある、プライドがある! 猫? あんな怠惰な生き物なんて!」
「そうだそうだ!」
「ウオウウオウウオウ!」

席を埋め尽くした犬と愛犬家は一斉に立ち上がり、教授にスタンディングオベーションをおくった。


そのあいだ、猫は何をしているって?


俺たちは、ねているだけさ。
にゃん。



【了】(改行含めず420字)

本日は、小牧幸助さんの #シロクマ文芸部  に参加しています。



犬、かわいいです。
ヒスイは猫派ですが、
やっぱりかわいいですよ。

忠実だし、
呼べば近くに来るし、
甘えん坊だしね。

猫……ちょっとは飼い主の言うことを聞けよ(笑)!

そこがもう。
たまりません(笑)



ヘッダーはUnsplashXan Griffinが撮影


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