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「欠けて、ズレて、異端のヒスイでいい」勝手につる賞を頂きました💛

やたーーーー!
旬杯に参加した短歌が
つる先生の「勝手につる賞」をいただきましたー!

いただいたのは、これです。

「のどやかにカンナで削る恋心
 まだ夜も明けぬパリ祭ひとり」ヒスイ

つる先生からいただいたコメントは、

『ヒスイさんの御歌は、
応募作品群の中で異彩を放っているように
感じられました。

とはいえ、一つの素晴らしい個性であり、
みなさまの御歌のお心とも
通じ合う何かを感じたりもして、
勉強になります。』

コメントを読みながら、ヒスイは
体のどこかに
しん、とした清水が湧いてくるような気がしました。

ずっとずっと
他の人と同じようにできないことが
ヒスイの悲しみでした。
それが、一気に
溶けてしまったからです。



<゜)))彡 <゜)))彡 <゜)))彡

noteでは何度か書いておりますが、
ヒスイは子供のころ
まわりからクッキリと、浮いていました。

自分でもそう思ったし、周りもそう感じていた。
母はあちこちの心療内科へ連れまわし、
どこででも言われたのが、

『発達障害グレーゾーン』

です。

このグレーゾーン、というのが
クセモノでして(笑)。
いろいろな心理テストや検査をしても
明確に『発達障害』『自閉症スペクトラム』という
ゾーンに入るわけじゃない。

でも、ぎゃくに、
『発達障害、ではない』ゾーンにも
入らないのです。

だからグレーゾーン。

なんだか、私にとっても母にとっても
くたびれもうけ、みたいな診断を
あっちでもこっちでも、されたのです(笑)

グレーだからって、
なにか対応が、できるわけじゃない。
「まあ、大人になったら変わりますよ」なんてことを
言われました。

今は、自閉症スペクトラム障害などに対する理解も
進んできているでしょうから
ドクターも、簡単に「大人になったら」なんて言わないかもしれません。

でも当時のことですから(笑)
なんとなく、成長と共に
グレーが薄くなってくるんじゃないでしょうか?みたいなふうに
言われたんです。

ヒスイは
今も当時も
しゃべり言葉で、考えていることを伝えるのが難しくて。
とりあえず、その場は黙ってしまい、
あとから
「あれは違う」と言ったり思ったりすることが
多いんです。

その時もそう思い、
何度も何度も
いろんな病院を回った帰り道に、
母のうしろをとぼとぼと歩いていました。

そのときの心境を
いちばんよく表していたのが
山村暮鳥の詩でした。

『いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな』
(山村暮鳥 詩『風景』より)

ヒスイは、
『いちめんのなのはな』に
なりたかった。
えりちゃんや、まゆみちゃんや、さやちゃんみたいに
きれいでキラキラしている
女の子になりたかった。

何をやってもタイミングがずれ(笑)、
気がついたら、満座の注目を浴びているような日々ではなく、
教室のすみで
誰にも気づかれず
日々をすごせるようになりたかった。

子どものヒスイが憧れたのは、
『いちめんのなのはな』でした。
だけどヒスイはいつだって、
菜の花の上を通り過ぎてゆく
『かすかなるむぎぶえ』なのでした。

その違和感。
その孤絶感。

今ならわかる。
多くの人も、おなじような孤絶感を感じているんだろうと。
まして今は、
多くの人にとって
生きづらい世の中です。

社会全体に、ゆとりがない。
ちょっとでも違うものを
受け入れるだけの すきまが、ないんです。
だから生きづらい。

うつや適応障害になるひとが
どんどん増えているというのは
仕方がないくらいに、
世界が、硬直しているんだと思います。


だからヒスイも
大人になったって
べつにグレーが薄まることもなく(笑)、
もちろん、会社でお勤めするなんて
夢のまた夢(笑)。

非常に不安定な
自営の仕事をはじめました。

それしかなかったから、
それをやっているんです(笑)。
大人になってもヒスイは
やっぱり
『いちめんのなのはな』になりたいのに
拒絶されている『むぎぶえ』でした。


<゜)))彡 <゜)))彡 <゜)))彡

でも。
先日、つる先生から
『ヒスイさんの御歌は、
応募作品群の中で異彩を放っているように
感じられました。』

といただいてから、
ぱああああっと、
目の前がひらけてきました。

ああ、そうか。
ヒスイは『なのはな』のうえを
かろやかに滑ってゆく
『むぎぶえ』のままでいいんだ、と
生れてはじめて、
思ったんです。

長い間、ヒスイを苦しめてきた
ズレ、距離、異端は
『異彩』なのだと。
ヒスイはヒスイのままでよく、
『異彩』は『個性』なのだと、
はじめて
欠けたままの自分を受け入れることが
できました。


自分は自分のままでいい。
欠けていたり、ゆがんでいたり、ずれていたりする自分のままで
いいんだという許可を、
はじめて自分自身へ向けて、出せたんです。

大げさではなく、
生きていて、よかった、と
思いました。


自分が自分自身であっていい、という許可を出すのは
簡単なことではありません。
ヒスイにとっては子供のころからの、
何十年という時間が必要だった、許可です。

とはいえ、いまは許可がおりました。

ヒスイは、ヒスイのままでいい。
欠けであり、ズレであり、異端のままでいい。
なぜなら、
それが『異彩のヒスイ』だからです。



つるせんせい。
ヒスイを解放してくれて、
ほんとうに、ありがとうございました。

「かってにつる賞」、ありがたくいただきます💛

「のどやかにカンナで削る恋心
 まだ夜も明けぬパリ祭ひとり』ヒスイ



旬杯に参加した俳句、短歌はこちらにあります。

山村暮鳥の詩は、こちらで全文が読めます。


ありがとうございました。


ヘッダーはUnsplashSHAYAN Rostami

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