『さざなみはいつも凡庸な音がする』感想

・前書き
フリートがなくなったので感想を書き殴ります。メモ書きを多少整えた程度。親切にやるならスクショとか貼って分かりやすくするんだろうけど見たい人が見たらそれでいいというか自分のためが第一です。感想もといフィードバックも出来たらほしい。あとノクチル箱推しの雛菜Pなので雛菜に注目しがち。

・オープニング:成長
視聴率0%って曲がりなりにもアイドルやっててそれなりに仕事こなしてて出るセリフですかね浅倉さん! 樋口がこれ言うと謙遜と自虐っぽいなにかになるんだけど浅倉は単純に見られてる意識がないんだろうね。学校もアイドル活動も大して変わらないから。お寺の掃除も学校の掃除も一緒に思えるし。浅倉の感受性は行為の違いとか差に鈍くてどちらかというと同じものを見出すタイプなんだと思う。ギターとセミだったり、追う方と追われる方だったり。ジャングルジムのあの人とプロデューサーもそういう結論のつけ方したのかも。多分浅倉の中で明確な言葉にはなってないけど。
浅倉と樋口はアンケートに従う。というか仕事は仕事としてこなす。雛菜は雛菜のしたいことをする。他の子らに投票してって言ったの視聴者アンケートの“みんな”の中に雛菜もちゃんといるってことなんでしょうね。視聴率2%はそこにもかかってるのかも。多分深読み。小糸ちゃんは求められてることに応えたい。ノクチルは相変わらず方向というか見えてるものがバラバラですね。
あの世界のノクチルファン(あの番組のファン?)はノクチルに修行させたいのか……。

・第1話:遠く遠くまで
考える時間が長くて眠らない小糸ちゃん。雛菜は目的地手前で目が覚めるし起きた瞬間から元気でいい。
あいさつ、円香が「ノクチルです」で雛菜が「市川雛菜です」で浅倉小糸ちゃんが「お願いします」 スタンスというか自分を前に出さない樋口とノクチル以前に市川雛菜な雛菜と名前を出さなくてもいい浅倉と丁寧にやりすぎて自分を後回しにする小糸ちゃん。
求められてるものを考える小糸ちゃんとやらせを疑い続ける樋口。樋口はそれがやらせだろうとそうでなかろうとこなすだけだから気にするだけ無駄だろうに。誰かの思い通りに……、大人の思い通りにはなりたくないのかね。
そのままで面白い絵がほしいスタッフさん。ある意味当然のことで番組でエンタメなんだから面白くないと意味がない。ただそのための仕込みはしない。手品のタネはバレると興醒めだけどタネのない手品は大したことはないしみんなタネがあるって分かった上で騙されるのを楽しみにしてるんじゃない? それはそれとしてそのままのノクチルに価値を感じてそれを伝えたい人がシャニP以外にいることがノクチルにとってすごくありがたいことだと思う。

第2話:普通
小糸ちゃんがちょっと前に出ようとしている。でもそれテンポ悪くないかな、いやアイドルファン的にはちょっとでも推しの情報あると嬉しいんだろうけど。実際はともかく小糸ちゃん習字やってそうだもんね。
浅倉・樋口・雛菜は良くも悪くも自然体。カメラ映りも撮れ高も意識せずにいられるやつがどれだけいるよ。1話でもそうだったけど遊びに来た気分なんだろうなって。そういう姿を求められてるというか変に力が入ってないのはいいんだけど。
小糸ちゃんはずっと悩んでる。考え事をする時間が長いんだもんね。アイドルに何を期待するか。見た目だけならその人が立っていればそれでいい。出来たら楽しんでてほしい。推しにはしあわせでいてほしい。これは緋田美琴の命題でもある。
ノクチルが案外真面目というか普通の感性も持ってるってのが正確なんじゃないかと。理由もなく突拍子もないことをしないだけのまともさがある。逆に言えば理由さえあれば番組ぶち壊すぐらいのことはする。

第3話:立っているだけで
意外と樋口寝覚めがいい方なんですね。あの子寝るの好きじゃない。浅倉は寝起きのぼーっと感がすごそう。いつもアウトプット寝起きみたいなもんだし。
夜中に浅倉が来たけど小糸ちゃんはひとりで喋ってた。返答を期待していなかった。浅倉も樋口もわざわざ小糸の悩みにつっこんだりはしない。支え合うわけではない。シャニマスのユニットとしてはちょっと特殊かも。
でも“求められてるもの”に浅倉が何か言うのは違うと多分分かってた……のか? 浅倉の求められてるものと小糸ちゃんの求められてるものは違うし。浅倉の解は小糸ちゃんに当てはまったりはしないから何も言わない。メタ的に見て。
樋口はそもそも自分が他人に干渉するのも影響を与えるのも嫌だから、立っているだけでいいのかもね。浅倉も樋口も雛菜も、なにかに拠らないで自分の足で立っているだけで。

第4話:理解
雛菜は他人の在り方にどうこう言わないからすっごい安心する。他人がなにかを求めてるとしても雛菜は雛菜だから応えられるかもしれないし応えられないかもしれないしっていうのが大前提にあってそれが他人にも適用されるんだと思う。
撮れ高どうこうについて聞くのに少し間があった。けど知らないふりもしなかった。かまととなんてガシャタイトルだったし気付いてて言わないことも(【♡LOG】のコメント然り)あるのにね。それは多分相手がプロデューサーだからってのもあると思う。
輝くのが確定事項。面白くないものは放送されないから事前投票したこの番組は面白くならなくてはならない。ノクチルの青くささ、『天塵』でシャニPが見た輝きと樋口の言う輝きは違うものなんだけどそれを樋口が知るわけがない。商業的な、大人の事情的な上っ面は理解してるのにね。本当に。

第5話:かんむり
山場もなく5話まで来ました。番組の盛り上がりというか見せ場に欠ける状態が今回のコミュの構造と重なっている。これはいいコミュなんだけど人気投票とかであえて選ばれたりはしない。分かりやすく盛り上がって楽しくてキラキラしているものが印象に残るから。
一瞬光った砂の中の王冠。かんむり。読めない、理解できないけど輝いてたもので、もしかしたら知らないだけのものかもしれない。
好きな人が楽しい方が“雛菜が”しあわせ。自分の中心に自分を置ける幸福がどれだけの人に伝わるだろう。G.R.A.D.でほんの一瞬触れたテーマでもある。雛菜はまず自分を置いて、それを見ている人が楽しかったらなおよしっていうスタンスはブレないと思うけど、アイドルのファンなんてその子が中心になるから雛菜とは反対だったりするんだよね。多分この子は手を差し伸べたりはしないで雛菜の在り方だけを示すんだろう。
「全然面白くはないけどね」と笑う円香。意味や甲斐を自分に見出す雛菜と他人を気にしすぎてる小糸の対比。浅倉と円香は他人を意識してないんじゃなくて自分も他人もひっくるめて現実を受け入れてるような気がする。浅倉はあるがままで円香は諦めの上での受け入れだと思うけど。

第6話:結局
『成長中(仮)』の次を望む小糸ちゃん。なりたいものと、求められてるものと。小糸ちゃんが散々悩んで、まだ明確な答えは出ていないけど、得たもの。成長中でもいいんだし次があってもいいんだっていう気付き。成長しながら変わっていければいいしそれが結局は自分になるんだっていう答えにもならないもの。

エンディング:凡庸な音たち
廊下を走る。足音。誰でも出す音。ノクチルの日常に派手さはなくて、突拍子のなさもない。いたって普通の女子高生が出す音。
番組にも山場はなく、それでもそれなりの評価は得て、次につながった。寄せては返すさざなみはいずれ大きくなっていく。そうやって行ったり来たりをしながら届かなかったところの次にたどり着く。

・総括
全体を通して自然体、というか気を衒わないあの子達が見えて、かつそれを番組側が汲んでくれて放送されたというのはノクチルにとってすごくいいことだったと思う。やらせや浅倉透のパワーは既に『天塵』で書かれていて(わたしはG.R.A.D.や感謝祭をパラレルというか微妙に時系列の違うものとして捉えている)脚色も過度な演出もないごく普通の幼馴染4人が受け入れられる土台や片鱗のようなものが見えて正しく『成長中(仮)』という番組名にかかっていた。成長の意欲が一番あるのが多分小糸ちゃんで次点が透か雛菜(透はG.R.A.D.以降か否かで変わる)。円香はどちらかと言えば変化を恐れる方だ。変化なんてしなくても少しの努力でなんとかなるから、変わる必要がない。それがどうなるかは今後のお楽しみ。

※余談
浅倉今回セリフ量300文字もなさそうじゃない? 基本3文字で終わってた印象。雛菜の睡眠ASMRいけそう。雛菜に添い寝してもらうんじゃなくて近くで雛菜が寝ててほしい。

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