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健全な依存関係


「謙虚にあれ」という、社会一般に存在する美学。自慢をするな、反発をするな、まずは受け入れろ、先人の知恵に従え。
謙虚という御旗が未だに掲げられる日本社会の中で、自分だけのアイデンティティを見つけることはやはり難しい。

ただ、最近はこの謙虚さが暴走し始めてはいないだろうか。
辛いけど、誰かに言ったら迷惑になるかも。
きついけど、他の人はもっと頑張ってるし。
私が黙ってたら、大きな問題は起きないよね。
辛くて、辛くて辛くて辛くても、見えない他者のために隠す行為は謙虚さを履き違えてはいないだろうか。

日々、抑圧の中で歯車になる。自分がいれば社会は回る。謙虚な歯車はぐんぐん回る。その身を徐々にすり減らすことも知らずに。



私たちは肉体的にも、精神的にも弱さを持つ生き物だ。不安や焦り、苦しみや絶望を「謙虚」で見えなくすることは根本的解決には繋がらない。
時に過去の成功を自慢して、目の前の不安から逃れても良い。時に思いの丈をぶちかまし、誰かを困らせたって良い。
歯車が他の歯車と噛み合わなければ動かないのと同じように、私たちは常に心と心を通わせなければいけないのだ。同じ悩みを抱えるもの同士、傷を舐め合っても良いんだよ。

健全な「依存」は、社会を生きていく上での必須事項。
痛かったね。きつかったね。よくがんばったね。優しい言葉をもらいに行こう。
助けてくれてありがとう。あなたがいてくれてよかった。感謝の言葉をかけにいこう。

こうして世界は回っていく。
この歯車の方が数倍もいいじゃない。
下手な謙虚はゴミ箱に捨てちゃえ。
健全な依存関係で日々を乗り越えよう。
手と手を携え、世界を彩ろう。

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