「いい質問」を3つの視点から考える

いい質問とは何かをまずは3つの視点から考えてみた

なんのために質問するのか

授業や講演会には質疑応答の時間が設けられているが、いい質問とはなんだろうか。まずは質問する目的から考えてみよう。質問する目的は

・自分の学びを深めるため

・講演者(話し手)の思索を深めるため

・場の理解水準を高めるため

の3つがあげられると思う。質問するときはわからないこと・気になることを質問するのが基本だが、この目的は上記の3つにだいたい分類できると思う。

そして、実は3つの目的は上から自分視点、講演者視点、聴衆視点に分類できるのではないか。

自分視点でのいい質問

自分視点でいい質問の条件を考えると、自分の学びを深めることに行き着くと思う。この目的を達成できる質問が「いい質問」というわけだ。では、実際にどんな質問が自分視点で「いい」のかいくつか列挙してみる。

・質問内容を明確にする

当然だが、何を聞きたいのかわからなければ、講演者から回答を得たとしてもその回答をどう整理したり比較すればよいかわからず、学びに繋がらない。

・素朴な疑問を恥と思わない

素朴すなわちなんとなく思い浮かんだ質問こそ自らの学びを深めるはずだ。なんとなく気になってしまう疑問というのは自分にとって無視してはならない問いのはずだ。このような問いこそ自分の学びを深めてくれるのではないか。学びが深まるのなら他人から馬鹿にされることなど怖がっている場合ではない。

・仮説を立てる

仮説を立てて質問することで講演者の回答とそこに至る論理を自分のそれと比較することができる。さらに、他人の意見に流されずに済むので著名人の講演ほど仮説を立ててから質問すべきだろう。

講演者視点でのいい質問

講演者視点からみた「いい質問」とは自らの思索を深めてくれる質問であると思う。これを満たす質問の条件とはなんだろうか。

・講演者自身が気づかなかったことに気づかされる

講演者は自問自答しながら講演内容を練り上げてきたはずだ。しかし、人間は問いに対してなんらかのイメージが付与されるものでこれが積み重なった文脈から自力で逃れることは難しい。だからこそ、他人からの質問により見落としていたことに気づき、講演者は思索をさらに深められるのだと思う。

・聞いてほしいことを質問される

講演者は時間の都合等で話したくてカットした内容について語れるかもしれないし、何より講演者と質問者の間で共鳴するものがあったのだと嬉しくなれる。

聴衆視点でのいい質問

聴衆視点からみた「いい質問」とは場の理解水準を高めてくれる質問だと思われる。これを満たす質問の条件は

他人も聞きたいであろうことを質問する

だ。時間の制約で質問できる人は限られる。もし、質問できない人を含めた聴衆視点からみると、より多くの聴衆が聞きたいであろうことを質問者が代表して聞いたほうが場で共有されていた疑問が解消され、理解水準が向上するだろう。

終わりに

「いい質問」を目的と3つの視点から考えてみた。これを「いい問い」に敷衍すると学問の本質に近づくような方向性を帯びることになると思う。

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