金曜ロードショーの映写機のおじさん
僕は映画が好きです。
今、映画についての論文や本を書きたいと思っていて、そのために勉強をしているところです。論文や本と言っても、作品の裏話や感想を書いたようなものではなくて、映画論に基づいて学術的に考察したもの。
このnoteでは、論文や本を書くために必要な文章力を磨いたり、映画を観て考えたことや感じたことを記録する、備忘録として使っていきたいと思っています。
まず1回目は、金曜ロードショーについてから。
1月7日、金曜ロードショーで「千と千尋の神隠し」を観ました。リアルタイムで、最初から最後まで。
何回も見たけど、面白かった。
来週は「紅の豚」。
数多映画はあるけど、ジブリ作品は別格。何回も見ているのに、テレビで、殊に金曜ロードショーでやっていると必ず見る。
なぜそう思うのか。
答えとしては、昔の思い出があるからだろう。
福島の田舎で育った身。娯楽は隣町に行かないとないような場所。
学校でもなかなかなじめなかった。
そんな自分に娯楽を提供してくれたのが、テレビだった。
中でも、金曜夜9時から流れる、「金曜ロードショー」は特別な存在だった。
シルクハットを被って、タキシードを着たヒゲのおじさんが映写機を手で回している。その映像のBGMとして少し寂しい感じを思わせる音楽。
横を向いていたおじさんが真正面を向いて、こちらに挨拶をする。
映写機のレンズが近づいていき、レンズの中から映画のタイトルが飛び出す。
そして、レンズの中に入り込む。
あたかも、今住んでいる世界とは別の世界に連れて行ってくれるような演出。
今でも覚えているシーンがある。
いつだったか、金曜ロードショーで「魔女の宅急便」を放送した回だった。
映写機のおじさんのOPの後、CMが流れる。サンゲツのカーテンのCMが流れる、ミキプルーンを美味しそうに食べるおじさんが出てくる(そのおじさんが中井貴一さんと知ったのは、ずっと後だった)。
青いスクリーンをバックに、トトロの絵と「スタジオジブリ」の文字。
草むらに寝転ぶキキ。
「魔女の宅急便」は何度も見たけど、金曜ロードショーは何度も見たけど、このシーンははっきりと覚えている。
そうした美しい思い出を作らせ、残してくれたあの映写機のおじさんの生みの親は宮崎駿監督と近藤喜文作画監督。あのBGMの作曲家は久石譲氏。
3人とも、いくつものスタジオジブリの名作を生み出してきた名匠だった。
この3人がいなかったら、自分はこの文章を書くことはなかったろうし、もしかしたらこの世にいなかったかもしれない。
僕がジブリ作品を主なテーマとして学術的な論文や本を書きたいと思っているのは、3人への感謝の気持ちを表明したい心理が、裏にあるのかもしれません。
どうか、見守っていただけるとありがたいです。
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