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Linux・使用アプリリスト(2020年11月)

2020年9月からメインOSをWindows 10からLinux(Ubuntu)に移行して2ヶ月が経過しました。移行の一番の理由は「より快適なBlender環境を求めて」でしたが、今回は「3Dモデリング系以外のMacやWindowsでよく使うような一般アプリ」についてです。

この2ヶ月間WindowsやMacで使っていた主要アプリの代替を含め、色々なアプリを片っ端から試しました。概ね落ち着いてきたので現時点での使用アプリをリストアップしてみます。これからLinuxを使ってみたい人の参考になるかもしれないのでそれに至った経緯メモ(極私的な御託とも言う)も付け加えて書いてみます。

ブラウザ

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メイン:Google Chrome サブ:Firefox、Microsoft Edge
理由:ブックマークやパスワード管理に加えオフィス系アプリやGoogle DriveとGoogleのサービスを一括してどのWindows・Mac・Linux・ipadOS・iPhoneOSと、どのOSでもシームレスに利用出来るため。
メモ:UbuntuのデフォルトはFirefoxです。古くはNetscape・MozillaユーザーでFirefox登場以前からアルファギークをしていた私としてはソフトウェア理念的・哲学的にはFirefoxは応援したいのです。なので久々に暫く試していましたが、どうしてもサービス的にGoogleの総合力が上回っておりなかなか完全に鞍替えが出来ません。今後変わる可能性ありますが、今のところ総合力でGoogle Chromeに軍配です。RAMの使用量が多いというアンチな意見もありますが、ブラウジングのスピードなども含めパフォーマンスは悪くないと感じます。
※Google Chromeのオープンソース版であるChromiumは日本語入力にバグがあるので使用していません。
※BraveもLinuxで使えますが公式サポートがまだなことで今の所保留。

メール

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メイン:Geary サブ:なし
理由:軽い・シンプル・UI良し。
メモ:UbuntuのデフォルトはThunderbirdです。これもFirefoxと同じで理念的・哲学的には応援したいのですが・・・Gearyの
「軽さ・新しさ・3カラムのUIの良さ」
に惹かれてしまいました。まぁとにかくシンプルで軽い。WindowsやMacのメールアプリも長年色々と使ってきた中ではMacのMailが一番好きで一番長く使ってますが、Gearyもそれに並ぶくらい気に入っています。

テキストエディタ

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メイン:VSCode、サブ:TextEditor(旧 gEdit)、NeoVim
理由:やはり「VSCode」。以前は「Atom」を使っていましたが乗り換えました。理由は、「他のエディタに出来る事の全てを兼ね揃えている」からです。早い・UI良し・カスタマイズ度高し。死角がありません。
メモ:見た目も良くてemacsキーバインドが使える。これだけでも私的にはメインにする理由として十分です。
「マイクロソフトが生んだ全てのソフトウェアの中で最高のソフト」
と思います(2位はExcel)。
Ubuntuのデフォルト「TextEditor」も優れものです。タブもありますし、結構重いテキストでもなんでも開いてくれます。
Macで言えば「TextEdit」というよりは「CotEditor」
Windowsだと「メモ帳」というよりは「Notepad++」
という感じです。アプリの方向性としてWinやMacのようなリッチテキスト系ではなくピュアテキスト系というところがLinuxだなと感じるところです。
「NeoVim」入れてるのはLinuxユーザーとしてvimはとりあえず使えるようにしておきたいという義務みたいなものです。

画像管理

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メイン:gThumb、サブ:Shotwell
理由:軽い・表示がバグらない・横スクロール閲覧が便利・一覧性が高い・動画のプレビュー再生も可能・外部エディタに飛んで編集可能で変更もすぐ反映される
メモ:Ubuntuのデフォルト画像管理アプリ「Shotwell」の問題点を全て解消出来るのが「gThumb」です。GNOMEの標準画像管理アプリで機能も管理能力も高く、どう考えてもどこを取ってもこちらのほうが良いと思うのですが・・・なぜUbuntuで標準ではないのか。正直、理解不能です。

「Shotwell」は画像を一箇所に取り込まずに複数のストレージを跨いで管理出来ます。ライブラリも複数作れます。Cropなど簡単な画像処理も出来ます。そういう点ではMacの「Photos」とWindowsの「Photo」の良いとこ取りをしてる感じです。なので全体的には悪くないのですが、ホーム画面のライブラリの表示がバグります。具体的には、新しい画像をインポートしても、古いものがトップに表示されたままになったり、ソート順がおかしかったり、そもそも上手くソートされなかったりします。これは結構致命的欠点です。
※「digiKam」は見た目がGNOMEのダークモードと整合性が取れないのとパフォーマンスが悪いので却下。
※「Tiat」も見た目や管理能力や閲覧性は良いのですが外部エディタでの編集にサムネールから飛べないので却下。GimpやKritaを使って編集したいので。
・・・というわけで、「Shotwell」ほか、色々な画像管理アプリで出来る殆どをカバーしていて余りある「gThumb」が私の推しです。

2Dグラフィックエディタ

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メイン:GrimpseとKrita サブ:GIMP、Inkscape
理由:Grimpse=見た目のよいGIMPだから
理由:Krita=ラスタとベクタが扱える。直感的に描けて使い勝手良い。

◎Grimpseメモ
Grimpseは"ほぼGIMP"です。パッと見一番の違いは

「アイコン・初期画面・メニュー上部にマスコットキャラがいない」

点です。私の場合これが与える影響が大きい。賛否両論あると思いますが、忖度なしに声を大にして書きます。私がGIMPとKritaで唯一好きでない点が

「マスコットキャラの推しが前に出過ぎ」

という点です。使用頻度の高いアプリでマスコットキャラが前面に押し出されているアプリが嫌いです。理由は

毎回アプリをクリックするたびに「これからする作業ではなくマスコットキャラを立ち上げてる気分になる」

からです。ようは

「これからやる自分の制作作業は常にフレッシュ思考スタートでやりたい。キャラとはいえ第3者人格の介入をされたくない」

のです。非常に繊細な部分なのですが、HSPな私としてはこういう微妙なモチベーション的心理に触れる部分は物凄く気になります。それを解消してくれたのがGimpseでした。
(※誤解を招かないように書いておきますがキャラの良し悪し・好み云々とは関係ありません。よってウィルバー君(GIMPのマスコット)に罪はありません。)

◎Kritaメモ
Krita最強。UIもUXもKritaが一番です。とにかく直感的にやりたいことが描ける。ベジェ曲線を使った図もかけるしブラシを使ったペインティングも出来る。Inkscapeも良いですが・・・総合力では完全にKritaのほうが上。とにかく使いやすいです。

Kritaへの唯一の不満は、やはり起動時のスプラッシュ・スクリーン。私は上記に書いた「Grimpse」と同様、「アプリ起動時のマスコットキャラの思考への介入がもの凄く嫌い」です。Kritaのマスコットキャラも申し訳ないですが私の作業セッションの入り口には何者も介入させたくありません。

幸い、GIMPと違ってKritaの場合これを消す方法があります。起動コマンドに「--nosplash」パラメータを加えればOKです。Kritaの起動ファイルは「/var/lib/snapd/desktop/application/krita_krita.desktop」にありますので、

~$ sudo vim /var/lib/snapd/desktop/applications/krita_krita.desktop

とコマンドを打ってvimで起動ファイルを開き、「i」キーで編集モードに入り、66行目の「/snap/bin/krita」コマンドの後ろに「--nosplash」というパラメータを

Exec=env BAMF_DESKTOP_FILE_HINT=/var/lib/snapd/desktop/applications/krita_krita.desktop /snap/bin/krita --nosplash %F

という感じで書き加えます。終わったら「ESC」キー>「:wq!」で保存、Vimを終了。これで起動時にスプラッシュ・スクリーンが表示されずに起動するようになります。
(※誤解を招かないように重ねて書いておきますがキャラの良し悪し・好み云々とは関係ありません。よってキキ(Kritaのマスコット)に罪はありません。)

動画エディタ

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メイン:Davinci Resolve、サブ:Shotcut、Kdenlive、Blender、handbrake、SimpleScreen Recorder
理由:クロスプラットフォーム、多機能
メモ:MacでもWindowsでも使えて、多機能の「Davinci Resolve」。基本無料でプロ版でもAdobe Premiereより安くFinal Cut Proと同程度。インストールしない理由が1つもありません。ShotcutやKdenliveもなかなか良く、Blenderでも動画編集は出来ます。handbrakeもフォーマットコンバートに使えます。今どきのLinuxの動画編集環境はわりかし良い感じです。

「Simple Screen Recorder」は画面の作業を録画出来るアプリですが、これが優れもの。手軽さと高性能を兼ね揃えているアプリです。これと同等のアプリはMacやWindowsにもないと思います。WindowsではGeforce Experienceが使えてこれも高機能ですが、個人的にはSimple Screen Recorderのほうが使い勝手が良くて好みです。


Windowsアプリ実行環境

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メイン:Lutris、サブ:CLIのwine
理由:見た目がよく、使い勝手がよい。複数のWineを一括管理が出来、切り替えも出来る
メモ:wineのGUIアプリは他にも「CrossOver」とか「PlayOnLinux」とかありますが、すべてwineがベースになっています。簡単に言うとエンジンは一緒でそれぞれ独自カスタムチューンされている、という感じです。一応私は全て使ってみましたが、
「使い勝手も機能も見た目も総合力もLutrisが一番」
という結論になりました。Lutrisは素直と言いますか、複数のwineを混在してインストールして切り替えて使えたり、アプリによって使うwineを指定したり出来るところが良いです。「LinuxでWindowsアプリを」と考えたらとりあえずまずはLutris、です。

Offce系アプリ

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メイン:Microsoft365(クラウド版) サブ:Google Apps、LibreOffice
理由:MS純正、Windows・Mac・iOSで使える。Web版も十分。
メモ:よくLinux移行云々で最初に話題になるOffice系ですが、最後に書いたのはもう私の中では今更語るほどの事でもなく興味レベルが低いからです。Office系のアプリに関しては私の中ではとうの昔に答えが出ています。「Office系、特にExcelはMS純正が一番」
です。幸い時代の進化で、MSがクラウド寄りに方向性をシフトしたこととMS製ブラウザのエンジンが同じになったことでLinuxでもクラウド版Officeが普通に使えるようになりました。どうしてもPC版が必要な処理はWindows・Mac・iOSでやれば良い。なので、大抵のことはMicrosoft 365で十分です。
「MSにゃビタ一文払いたくねぇ」
という昔ながらのアンチMSな人であれば、LibreOfficeやGoogle Appsを使えば良い。私はクラウド領域とWin・Mac・iOSで連動して使える快適さが対価とと見合うと判断したので、MSにお金払ってサブスクしてます。

表計算ソフトはMS製が一番ですが、ワープロやプレゼンソフトはまた別の話。クラウド版MS Office、Google Apps、LibreOffice・・・どれも十分な出来です。Office系アプリに関しては、語ることも含め、ホントにこれ以上必要ですかね?って感じです。

まとめ

以上、2020年11月現在、現時点でのLinux環境使用アプリリストでした。私自身移行後は他の方のブログなどを参考にしたりしました。しかしこういう情報はすぐに古くなってしまうので「数年前のTipsがもう使えない」というのも多々ありました。やはり誰かが常に発信することが大事で、色々な人が色々な情報や感想をシェアする方が良いと思っています。そんな理由で書いてみました。

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