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高校生のPM2:46

午後は美術で写生。各々の場所で作業を進めます。「終わりの鐘の10分前には教室に戻ってね」と先生が言いました。

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ハッとキャンバスから顔を上げました。すっかり時間を忘れていたのです。今何時? 慌ててスマホを開くと、

PM2:46

まだ大丈夫だ、と安堵すると同時に嫌な時間だ、とぼんやり思います。

あの地震の時、自分はまだ小学生で、帰りの会を始めようかと言うくらいの状態でした。今、同じ2時46分、自分は帰りの会どころか授業真っ最中で、階段を前に筆をとっています。外からは学校帰りの小学生たちの賑やかな声が聞こえてきて、漠然とした時の流れを感じました。

そこまで考えたところで、今日の日付を思い出します。ポッキーの日?まあ確かにそうかもしれませんが、「11日」だったのです。その2時46分に時計を見たとは、少し目を瞠るものでした。


不可思議な偶然というのは、とても興味深く思います。本当に偶然なのでしょうか?近くの道を通る小学生のはしゃぎ声が一層大きくなります。私は細筆に持ち替えて絵に影を加え始めました。

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