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お薬管理と認知症


回復期病棟の醍醐味

回復期病棟では、1人の看護スタッフに対して数名の患者さんが「担当」として割り当てられ、その患者さんの退院支援を行っている。

具体的には、家族・医師・(理学・作業・言語)療法士・相談員・介護士らの情報の橋渡しを担う役目と、患者さん自身の「できること」の底上げを目指す。

その中では認知症のある患者さんが今後在宅独居で生活をしていく状況もあり、患者さん自身がお薬を自分で調整していくことも必要になる。

紛失、重複内服、飲み忘れ等のトラブルを乗り越えて、患者さん自身がお薬管理をできるようになったときの嬉しさは他には代えがたい喜びがある。

患者さんが薬管理できるためにどのような順番で私が考えるのか振り返りたい。
ステップ①
【看護師による管理】
・患者さんの手に置くと服薬できる→次のステップを考慮
・内服拒否がある→薬の必要性について理解できるか分析
・薬を口元に運べない→理学・作業療法士との連携し、将来的に手を口元に運べる動作が可能か分析

ステップ②

【患者さんによる1日管理】
・朝昼夕眠前と区分けした分包薬を透明な小箱に入れて間違えずに飲むことができる→次のステップを考慮
・飲み忘れがある→飲み忘れの原因を分析。透明な小箱の分包薬は患者さんから見て日付と、時間帯が分かりやすく見えるか確認。
又は医師へ減らせる薬はあるか確認。
・内服重複→バイタルサインや血糖値などの全身状態の確認と重複の原因を分析。減らせる薬はあるか確認。

ステップ③
【患者さん自身で1週間服薬管理】
内服薬を1週間薬袋のまま渡し、飲み忘れがない。→在宅退院後も服薬管理が可能と判断
飲み忘れや重複がある。
→原因分析と服薬カレンダーの検討、または日付が見えるような服薬箱の創作や工夫。
→必要な訪問・通所サービスの検討、相談員との連携

と書き出してみたものの、大事なのはルーチンで考えるより、患者さん自身がどう家で暮らしたいか、生活の中で長く健康でいられるようにできるかと寄り添った方が結果的にうまくいくことが多い。(薬は生活の一部)
回復に向かう患者さんからの「ありがとう」は、いつも私に穏やかな心をもたらせてくれる。今日もありがとうで終えれて良かった。

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