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【ひすみ短歌365日】1日目~31日目 【まとめ】

◇はじめに

こんにちは。
今年の1月より「1日1題2首以上」お題に沿った短歌を詠むことを習慣に、日々短歌を作っています。
先日1か月を達成したのでまとめ記事を書くことにしました!
色々なお題で詠んでいるのでよかったら見てみてください~!

耳でも楽しめる短歌としてYouTubeもしています♪→https://www.youtube.com/channel/UC91hM0s5JSkiHUExSqDjPpQ

◇短歌

1日目【ペン】2023.1.24

筆箱に無数のペンが潜むなか何故かいつでも君ばかり取る

あなたからもらった重いペンは今二度目のインクで満たされており

誰かから借りたペンの書き心地忘れられずに文具屋に来た

兄弟のような三色ボールペン黒なくなれば赤も真似して


2日目【お茶】2023.1.25

冬の夜繋ぐ人などいないからコートにいれたほうじ茶握る

落ち着くにお茶を一口飲みまして初めて気づく反対のシャツ

子の水筒お茶で満たして空にして帰ってきてと願う真夏日


3日目【洗濯】2023.1.26

白色のシャツを干すとき心まで光に透けて洗われていく

この時をどんなに待っていたことか靴下たちの再会の時

洋服の辺と辺を繋いでく君の身体をなぞるがごとく

カラフルな小さき服たち風に揺れ母をせがんだ指思い出す

手洗いは面倒だけどこの服を愛していると実感のわく


4日目【時計】2023.1.27

沈黙が欲しくて閉ざす部屋のなか時の流れは消えてくれない

デザインに富んだ時計の針の先私は何時を生きているのか

5日目【月】2023.1.28

満月の光にあてる変哲のない石たちも変わると願って

三日月の椅子に腰掛け下々の夜景の粒を繋ぐ神々

昨日より多くの星が光りたる月に一度の主役のない夜

兎にも蟹にも女にも見えず影の正体知りたい月夜

太陽に恋したらしい赤面の様子を見つむ野暮な人々

6日目【夏休み】2023.1.29

夏休みの宿題方針これからの提出物も同じ方針

思い出を具現化するに絵心が足りずただただ色のある日々

家族との思い出を聞く始業式機能不全の手遅れを知る

7日目【過ち】2023.1.30

過去はみな過ちなのかこの今も一秒後には違えているのか

過ちは未来にはない今までの自分の過去に準ずる代償

誰しもが通るべきだと言われたる道から逸れた過ちの道

勇気とか自信だとかと進まない言い訳の分今ここにいる

8日目【地球】2023.1.31

青々と広がる海に囲まれた水星よりも水色の地球(ほし)

※もう1首詠んでいましたが内容がなかなかグレーだったので伏せます…。

9日目【蝶々】2023.2.1

美しき花々の色あるところ同じ羽色の蝶が潜みし

ひらひらと風に流されそうなほど軽く羽ばたく余裕に見張る

10日目【肉】2023.2.2

甘辛いタレでもかけて焼いとけば不味くはならない何肉料理

贅肉の贅沢たるや食うものがなければ余りがでることはなし

血管の紫色を辿っても途絶える先は血肉の迷路

紫の血の道の先最期まで白き牢屋に在るものが有る

肉体を合わせば欲と幸せを満たした気になる本能は愚鈍

11日目【羊】2023.2.3

数えれば眠たくなると言うが今何匹目なのかわからず寝れない

羊毛のフェルトで作る動物の体を撫でて羊?と思う

12日目【戦争】2023.2.4

学校もネットも家庭もどこにでも火種はあって泣く人のいる

赤紙の届いたときの心境をなぞるページの文字の声から

平等も平和も謳う今の世も己に損がないのが前提

罪ひとつ犯していない人が死に流人は推される不条理の箱

君のこと一番好きな自信だけ持ってはるばる戦場に来た

13日目【家】2023.2.5

どれだけの居場所を持っていたとして帰ると言える場所はここだけ

暗闇のなかでも見えるテーブルはあと二歩先の斜め右前

夢の花散る散る花弁残り一つなくなる前にいかなければ

14日目【虹】2023.2.6

雨あとの濡れた地球に銀河より夜を讃える虹が届いた

出来るだけ小さな虹を作りたい自分にだけの七色が欲しい

打ち水の縁に顕る虹ひとつ車が無理やり連れて走った

15日目【道】2023.2.7

真っすぐにのびゆく道の真ん中に横線引いてわが道を行く

しんにょうはなるだけ長く書いておけそこに乗るのはお前自身だ

振り向けば血の跡、指紋、汗の跡。人一人分いつかは超える

知らなければよかった道が幾千も縁故、推薦、当選、デビュー

進みたい道に渡れる橋はないまずは奈落に落ちる勇気だ

16日目【愛】2023.2.8

愛情は揺蕩うほどの存在で空を眺める気分でいたい

私って欲張りだからアソートのホールケーキな愛がほしいの

あの人の器は慈愛に満ちている私の器は罪に満ちてる

淡泊な男が愛に堕ちた時負けた気がする好きじゃないのに

大切にすることそれが愛ならば布団のなかは愛であたたか

17日目【飴】2023.2.9

太陽に青い陰りを落としつつ透き通りたる瓶詰めの飴

飴色になるまで炒めた玉ねぎのように輝く十六時の陽

ドロップは思い出みたいその時は美味しくって今はぼんやり

18日目【星】2023.2.10

世のすべて瓦礫に映る日の夜は星の角すら凶器に見える

青色の金平糖を噛み砕き星喰う朝の気持ちになりぬ

星繋ぐ指を見つめる君の目を星座のひとつに加えたくなる

19日目【恋】2023.2.11

好きという言葉を聞き出すためにした必死の会話思えば滑稽

君のこと何かと重ねるたび君も私を何かと重ねてほしい

腹の奥どくりと鳴って体内の音とあなたの声だけになる

しなければいけないものではないけれどしてもいいものそれが恋でしょう

清らかな恋の定義を模索する中学生と隣の電車

告白は一度もしたことないけれど「あなたが好きです」言い慣れている

盲目に恋していたい恋というドーパミンで生かされている

20日目【この世】2023.2.12

誰一人自分の意思でこの世には降り立ちはしない流浪の天使

吾がこの世へ来たのは地上に出てからか薄紅色の海からなのか

21日目【ポスト】2023.2.13

私の代わりに旅立つ意志たちはポストの底で一夜を過ごす

いつまでも佇んでいる赤ポスト彼の人を待つ我に似ている

チラシとかDMとかの真後ろをゆっくり捲るドキドキが好き

22日目【オーロラ】2023.2.14

今見てる緑の波は裾だけで夜の彼方にドレスは続く

オーロラのグラスにあえてコーヒーを。多面の美には弱点が欲しい

愛情でオーロラという現象を生み出すここはライブ会場

23日目【笑顔】2023.2.15

幸せの印とされる微笑みを絶やさず君と刻んでいたい

口角を上げれば楽しくなってくる私も脳ほどテキトーでいよう

どうにでもなるから笑っておきなさい愛想笑いは潤滑の元

本物の笑みを知らない友達ともうすぐ四度の春を迎える

大声で笑うあなたを見たときに初めて許せた八十デシベル


24日目【カーテン】2023.2.16

床に散る昼の欠片に飛び込んでわずかにぬるいレースカーテン

地球ごと統一できぬ事情でもあるのでしょうか採寸の苦悩

カーテンを閉めたい光を切れるよう世界も同じ眩しすぎるよ

星を見る機会などないだから今プラネタリウムなカーテンを買う

隠したいことが沢山あるわけじゃないけど守っていたい気がする

閉めて明かりに頼るか開けて雲に負けぬ光に任すか迷う雨の日


25日目【マニキュア】2023.2.17

皮膚にまで加工するとはご苦労なこったと思いながら塗る塗る

オシャレとは我慢かららしいマニキュアを乾かす間ジェンガになろう

麻薬にも近い香りに息浅く気づけば口ははあはあと鳴る

私にも宝石がある親指のストーン私に宝石がある

26日目【推し】2023.2.18

トレンドに君の名前がのっていて祈る悲しい話題でないこと

イベントの告知に書かれた日付まで生きる予定が今出来ました

笑ってる。くしゃみをしてる。叫んでる。挙動を逐一唱える心

語彙力はさっきまではあったんです。本当ですよ忘れましたが

楽しくて大好きだった君のこといつから仕事のような義務感

27日目【坂道】2023.2.19

私には坂道として息苦しい他人が軽々下りゆく道も

頂上の在処を知りたい青空の幕のむこうへ登る坂道

坂道の傾度が強くなるほどに足裏は地の深さに浮いて

28日目【お土産】2023.2.20

お土産の瓶詰めにあるその土地の記憶と君の思いで満ちる

旅先の土産話を旅先の名物を食べながら聞く夜

29日目【桜】2023.2.21

「桜ばかり美し麗し褒められる」花の嫉妬の散らかる公園

一輪とまた一輪と桜咲く一つ一つと沈みが溶ける

肉体を烈火に人は燃やされる花散らしという君の特権


30日目【歩く】2023.2.22

劣等の足枷のある私でも小さくならば歩いてゆける

二十一センチちょっとの足が今我の土台で全てで限界

足跡が残らぬ旅を何千里 思考は休むことを知らない

31日目【おやつ】2023.2.23

小腹という大したことない存在を埋めるは甘い幸せである

寂しさも苛立ちもみな蕩けてくチョコは私の万能薬だ

もしかしたら何も食べずに来るかもと手放せずにいるアルフォート

◇おわりに

YouTubeに音声付で投稿もしています♪
よかったら耳でも楽しんでみてください~!

https://youtu.be/_R5QNkqeptM




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