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「紅壱子ひとり芝居~焼け野原にいた女たち」をご覧くださいます皆様へ

hishidas番外特別公演 
「紅壱子ひとり芝居~焼け野原にいた女たち」KOBE アート 緊急支援事業(舞台芸術施設支援)

at 神戸三宮シアター・エートー

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2022年3月5日(土)、6日(日)
5日(土)/①18時開演
6日(土)/①13時開演 ②17時開演  

全3回公演(終演後、紅壱子&菱田信也 アフタートークあり)

料金/前売4000円・当日4500円・学生2500円

ご予約/劇場℡078-231-0011(平日10時~18時)

WEBご予約👇

「1996年、主演・紅萬子を念頭に「いつも煙が目にしみる」のタイトルで書き下ろされるも結局、上演ならず。しかしこの書き下ろし作品は2001年・近松門左衛門賞優秀賞、2006年「パウダア~おしろい」のタイトルで読売文学賞戯曲シナリオ部門を受賞。

26年の時を経て「紅壱子ひとり芝居」としてついに舞台化、実現。
全六役、「終戦後の日本、たくましく生きる女たち」を紅壱子がたったひとりで演じ分ける80分。関西演劇界で“噛み付き続けて50年”、紅壱子「女優魂」のすべてがここに。」(フライヤーより)

紅壱子ひとり芝居文字修正-1

「焼け野原にいた女たち」の原作脚本は「いつも煙が目にしみる」。1996年に書き下ろしたものでしたが、諸々の事情で上演できず塩漬けにしていたものです。

作品の構成は、太平洋戦争終結後、日本各地でたくましく生きた市井の名もない女性たちの一人語りと、

1995年の阪神淡路大震災で「震災離婚」を経験し仮設住宅に住む女性と、ある新聞記者との会話の

2つの軸で進行するものです。

戦後の女性たちの話を聞くのは「カストリ雑誌(当時の風俗誌)」の記者。50年後に仮設住宅に住む女性を訪ねた新聞記者は、実は「カストリ雑誌記者の孫」という設定です。

この作品は2001年、第一回近松門左衛門賞(尼崎市主催)優秀賞を受賞しました。幸いにも応募規定が「未上演のものに限る」というものだったので、書き下ろしから5年経ってようやく日の目を見たのです。

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しかしこの受賞後もやはり諸々の事情で上演することができずに再び塩漬けになっていたのですが、2005年12月・兵庫県立芸術文化センターのオープニング公演として上演(東京公演・新宿紀伊國屋ホール)することになり、「パウダア~おしろい~」と改題し、演出・宮田慶子さん、主演・いしのようこさん、小市慢太郎さんで上演しました(いしのさん、小市さんは95年震災後の「女」と「記者」の役です)。

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「パウダア~おしろい~」は、上演翌年の2006年、第57回読売文学賞・戯曲シナリオ部門を受賞しました。


今回の「焼け野原にいた女たち」は、原作と改訂版(「パウダア」)に描かれた2つの軸のうち、

終戦後に生きた女性6名の各物語部分のみをご覧いただく形になります。


「いつも煙が目にしみる」を書くキッカケになったのは、1995年の夏過ぎ、まだ震災の傷跡が多く残る三宮の書店で一冊の本に出会ったことです。

「男性の見た昭和性相史 PART2」/下川 耿史 (著)


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この中でたった7行だけ記されていた実際の事例(詳細は不明)になぜか異常に惹かれ、ひとつのエピソードを書き上げたものが戯曲全体の基になっています。👇

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この、実在した「京都・伏見の女」は6人のうちの一人として物語に登場します。劇中の語りはすべて「男性の見た昭和性相史」の7行から勝手に膨らませた、私の妄想です。

「いつも煙が目にしみる」は、2017年、現在の私の劇団「燃えよhishidas」の第一回公演として上演しました。

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この時、紅壱子さんには「1957年、大阪のストリップ小屋女主人」役でご出演いただきました。

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今回は各話およそ8~12分の一人芝居、全6本を紅壱子さんが一人で演じ分けます。登場人物は以下となります。

① 1947年 神戸三宮 「闇の女」(街娼の女ボス)

② 1947年 新宿 「都議会選挙に出る女」

③ 1949年 滋賀・琵琶湖近辺 「新興宗教の女教祖」

④ 1954年 播州の、とある農家の嫁

⑤ 1955年 京都・伏見 「元祇園の芸者で三味線のお師匠さん」

⑥ 1957年 大阪 「ストリップ小屋の女主人」

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昨年、何度か稽古したのですが、その際は女優の久保田磨希さんがわざわざ東京からお手伝いに来てくれました。

彼女も若い頃、紅壱子さんから演劇の指導を受けた愛弟子の一人です。

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2月22日、神戸三宮シアター・エートーにて3度目の舞台稽古。

この日は紅さんが朝から体調が悪く(寝違えたらしいです)、予定より3時間ほど遅れての開始。「さらっとやるだけやりますわ」と言いつつ、結局、全6役をすべて演じ切って終了しました。

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今回、6役の早替わりとなりますが、着替えの間はイメージ映像を映写します。

全国を歩き回り、それぞれの女たちのもとを訪ね歩いたカストリ雑誌の記者。演じてくれたのは、松竹芸能の芸人で、燃えよhishidasのメンバーでもある竹下ポップ。

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撮影は2月頭に淡路島で行いました。

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各話の舞台転換を、燃えよhishidasメンバーの宇野結菜、Yumiが担当します。ふたりともモンペ姿のお下げ髪です。

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紅さんの早着替えは楽屋に戻る時間がないので、すべて舞台裏にて行います。着替えにかかる時間は3分のみ。この早替えを、松竹新喜劇の女優・泉しずかさんがご担当くださいます。舞台には出られませんが、本当に心強いサポートです。

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また劇中映像のナレーションは関西演劇界の重鎮、南条好輝さんがご担当くださいます。

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また今回、商業演劇界の大ベテラン演出家である吉村正人さんが監修を買って出てくださいました。

実は私は

個人的には、今回は紅さんおひとりなので

舞台裏は劇団員に手伝ってもらって

地味にこじんまり~~とやるつもりだったのですが

やはり紅さんが「一人芝居をやる」ということになると

それはほっとけないと

いつの間にやら関西のいろんなすごい方々が集まってくださいまして。。。

本番前週になってちょっと焦ってまいりました。


奇しくも

上演直前の2月24日、ロシアがウクライナへの侵攻を強行。

21世紀のこの時代にまた戦争が起きてしまいました。

私はこの作品に「反戦」というメッセージを込めたつもりはありません。

しかし「破壊」のあとに何が生まれ、人々はどう翻弄され、苦しみながら、それでもいかに力強く、時に滑稽に笑いながら生きたのかが

この作品のテーマになっています。

人間が持つタフさ、生命力を感じていただけたら幸いに思います。

           ◆

「焼け野原にいた女たち」をご覧くださいます皆様へ。

本編上演予定は70分、その後、紅壱子さんと私のトークショーをご覧いただきます。

客席は減席し、舞台上から客席最前列までは2メートルの距離を開けております。

感染予防対策は万全に行っておりますが、劇場内での私語はご遠慮いただき、マスクは必ずご着用をお願いいたします。

なお、劇中で煙草を吸う演出が何回かございます。舞台上・劇場内の換気は常に行っておりますが、客席後方をご希望の方はスタッフまでお申し出くださいませ。






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