見出し画像

「名言との対話」2月21日。佐々木照雄「真の道を悟り 深くざんげし会い 世界平和を 心から 祈りましょう」

佐々木照雄(ささきてるお 1933年3月26日ー2023年2月21日)は、実業家。享年89。

広島市に本社を置く「オタフクソース株式会社」の創業者・佐々木清一の五男で1994年から1998年まで社長をつとめた。

1953年、お多福造酢入社。1969年、常務。1975年、オタフクソース常務。1979年、副社長。1994年、社長。1998年、副会長。

オタフクソース株式会社は濃厚な風味と高い粘度が特長の「お好み焼き」の用途に特化したソースを主力商品とし、その名前を冠した企業である。

お好み焼きのソースは、干したナツメヤシを原料としていることもあり、普通のソースとは違う味である。もともとは砂糖の代替品としてデーツを使い始めたのだが、健康にいいということで、ずっと使っている。

この会社はユニークな体質を持つ企業だ。

2006年からは、初級インストラクター、中級コーディネーター、上級マイスターの三段階からなる「お好み焼士」マイスター制度という社内▢制度を導入している。

2008年には、WoodEggお好み焼館を設けた。ここは広島名物なったお好み焼きの文化や歴史を紹介する施設である。

2018年には「OKOSTA(オコスタ)」というお好み焼き体験スタジオを開店している。

また「お好み焼・たこ焼研修センター」を各地に設け、お好み焼き店、たこ焼き店の支援をしている。

なずオタフクか。もともとは酒や醤油の卸小売りから出発した。その後の醸造酢を商うことになった。「人のお役にたちたい」という意味でつけたブランド名だ。戦後に広島の人空腹を満たす一銭洋食から始まって、自宅を一部改良してお好み焼きを提供するというスタイルが出てきた。広島は原爆で壊滅状態から再興に向かったのだが、この企業も原爆で全焼している。創業者の佐々木清一はお好み焼きのソースを提供する企業として、再建を図った。

オタフクソースの車内に設置されている「安碑銘」という石碑には「真の道を悟り 深くざんげし会い 世界平和を 心から 祈りましょう」という創業者・佐々木清一のメッセージが刻まれている。

広島という土地に根差した企業として、社員全員が平和と向きあうことを原点としているのだ。佐々木照雄の言葉は見つからなかったが、1969年に死去した創業者の父と一緒に汗を流して独特の企業文化を持つ地元企業を育てたのであろう。

お好み焼きのソースはたしかに独特だ。そして、そのソースを全国ブランドにまで高めたこの企業も実にユニークだ。このことを知ったうえで、お好み焼きを味わうことにしよう。そして、それを目的に広島を訪れたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?