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「名言との対話」3月6日。森山加代子「死んでいくのよ蝶のままで あなたに 抱かれて わたしは 蝶になる」

森山 加代子(もりやま かよこ、1942年3月23日 - 2019年3月6日)は、北海道函館市出身の日本の歌手

札幌のジャズ喫茶でスカウトされ、1960年に「月影のナポリ」でデビュー。いきなり50万枚の大ヒットを飛ばし、同年のNHK紅白歌合戦に初出場。1961年発売の「じんじろげ」は強烈な歌詞とともに流行語にもなった。1962年「五匹の子豚とチャールストン」で3度目の紅白。

それ以降、低調だったが新潟で主演中の楽屋に水原弘が現れ、もう一度メジャーでやってみないかと励ました。このとき、いくつかの候補作から自身が選んだのが、「白い蝶のサンバ」である。1970年に発売した「白い蝶のサンバ」〈阿久悠作詞)は、サンバの軽快なリズムに乗せた歌詞「あなたに 抱かれて わたしは 蝶になる」が人気となり、ミリオンヒット。同年の紅白歌合戦に8年ぶり4度目の出場を果たした。

まだ新進作詞家としてデビューしたんばかりだった阿久悠の詩は、早口で歌う詩で、独特だった。この詩を採った森山加代子の選択眼もよかったのであろう。

最後のブログ更新(森山加代子オフィシャルブログ「Kayokos Room」)は2014年1月19日だった。

・「今年も皆様をハラハラドキドキさせながら、もう少し唄っていこうと思っています。もし歌う事が嫌になったら、皆様にお願いしますので『辞めても良いよ。』って云ってくださいネ」

・「皆様のおかげで、こんなに長い間唄って来れたのですから森山加代子は、いつ辞めても皆さんが納得して下さるのなら悔いはありません。楽しく笑顔で唄い続けられるまで頑張るつもりです」

夫の林正和さんは、2019年3月6日にインタビューに答えている。

「息を引き取る5分ほど前、私を見て『お父さん、ありがとう。迷惑かけたね』…と。それが最期の言葉でした」

あなたに抱かれてわたしは蝶になる あなたの胸あやしいくもの糸 はかないいのちさだめなの あなたに抱かれてわたしは蝶になる 涙をためくちづけ受けるのよ あふれる蜜に酔いながらおぼれるのよ 恋は心もいのちもしばり 死んで行くのよ蝶々のままで あなたに抱かれてわたしは蝶になる 気ままな夢忘れて苦しむの はかないいのち恋のため散らせるの
あなたに抱かれてわたしは蝶になる あなたの胸あやしいくもの糸 はかないいのちさだめなの あなたに抱かれてわたしは蝶になる ふるえる羽はげしい恋に灼く 二度とは空に帰れない夜に泣く 恋は心もいのちもしばり 死んで行くのよ蝶々のままで あなたに抱かれてわたしは蝶になる 朝日の中つつろな蝶は死ぬ はかないいのち恋の火を抱きしめて

この不思議な世界の歌詞を歌う森山加代子の姿は、はよく覚えている。「あなたに抱かれて蝶になる」「死んでいくのよ蝶のままで」という代表作「白い蝶のサンバ」の歌詞のとおり、森山加代子は78歳で生涯を閉じた。


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