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「名言との対話」4月11日。すぎやまこういち「『無冠の帝王』っていう負け惜しみ的な自称を返上できる」

すぎやま こういち(本名:椙山 浩一(読みは同じ)、1931年4月11日 - )は、日本の作曲家、編曲家、指揮者。

東京生まれ。武蔵中学校で青島幸男と知り合い生涯の親友となる。成蹊高校では音楽漬けに日々をおくる。音楽大学への進学を希望していたが、ピアノが弾けなかったことから断念し、東大に進学する。文化放送に入社、1958年開局準備中のフジテレビに移籍する。

ディレクターとして、「ザ・ヒットパレード」を企画。1960年代からはCM作曲家としても活動。1965年、退社しフリーとなる。1968年から作曲活動に専念し、ザ・タイガーズやザ・ピーナッツの黄金時代を支えた。1970年代には特撮音楽、アニメ音楽、そしれ1980年代にはゲーム音楽を手がけ、「ドラゴンクエスト」などゲーム音楽の作曲家として活動する。2004年、SUGIレーベルを設立。2020年、文化功労者。

B面の王者を自称している。ザ・ピーナッツの「恋のフーガ」、ザ・タイガーズ「花の首飾り」「君だけに愛を」など大半の曲、ヴィレッジ・シンガーズ「亜麻色の髪の乙女」、ガロ「学生街の喫茶店」、、。また、CMソングは2000曲以上にのぼる。政治家の民主党の松原仁、自民党の稲田朋美らの応援曲にも手を染めている。

以下、語録から。

「音楽は、常に論理と感性、車の両輪で出来る」「曲のコンセプトを考えるとき、これはやはり論理が主」「プロの音楽家を目指すなら音楽理論と感受性が必要」「曲のメロディはもちろん大事ですが、大きな構造で考えるとスコアは設計図みたいなもの」

「最終的な完成形を頭の中でイメージしないで闇雲にキーボードを叩いても良い作品は生まれない」「若い時から優れた作品に触れることが重要」「音楽を創る上で一番大切な感受性は習って身につくものではない」苦労しないでフッと浮かんだ曲が結果的にいい曲になる

ゲームファンでもある。「煮詰まったらドラクエやる」「ゲームも人生も、逃げたら経験値は上がりません」「ゲームと違って、人生には決まった攻略法はありません」「DQ(ドラゴンクエスト)のスライムは可愛いんだよね。これで僕の基本的な音楽の方向性も決まったなぁという感じ」

「曲作りの勉強は独学です」「楽家は勉強が好きじゃないと務まらない仕事」「芸術家になるためには、まず自分の目や耳でよいものを感じて選びとる「審美眼」が大切」「子どもの時から音楽が好きでしたので、音楽学校に行くことも考えましたが、音大の入試にパスするほどピアノが弾けませんでした(最終学歴:東京大学教育学部教育心理学科)」

「音楽は心のタイムマシーン。、、、音楽を聴くことによって、その音楽に初めて触れたとき、音楽で何かを感じたとき、そのときの気持ちに、それが10年前であろうと20年前であろうと一瞬にしてパーンとその人をその時の気持や情景に送り込むことができる」

ユーチューブで2016年の交響組曲「ドラゴンクエストⅣ」導かれし者たち コンサート」の東京交響曲を指揮し、聴衆に語る元気な声を聴いた。2018年の「ドラゴンクエストⅣ」のテーマ音楽の指揮をする姿をみた。すぎやまこういちのつくるゲーム音楽はオーケストラの演奏という本格的なものだ。

「ベートーベン、モーツアルトなどのクラシック音楽を全人類が200年以上聴いていてもまだ飽きないというのは、飽きない音楽の真髄」とし、「(ゲーム音楽は)何回聴いても飽きない曲でないといけない」とのめり込んだようだ。

ゲーム音楽、アニメ音楽、映画音楽、テレビ番組の主題歌と素晴らしい業績であったが、不思議なことに賞には恵まれてはいない。2020年に文化功労者となったとき、「『無冠の帝王』っていう負け惜しみ的な自称を返上できる」と笑いつつ喜びを語った。「命ある限り音楽家としてやっていきたい」というように、最高齢ゲーム音楽製作者のギネス記録を更新中である。

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