「名言との対話」12月1日。奈良岡朋子「ささやかなライフワークとして始めた」
奈良岡 朋子(ならおか ともこ、1929年12月1日 - )は、日本の女優、声優、ナレーター。
東京・本郷生まれ。女子美大卒。1948年、大学在学中に民衆芸術劇場の研究生となり50年劇団「民藝」の設立に参加、後に代表をつとめた。
舞台をはじめ、映画やテレビにも多数出演し、ジャンヌ・モローやキャサリン・ヘップバーンの洋画の吹替えをするなど声優としても活躍している。
主な出演舞台としては、『ガラスの動物園』ローラ役、『イルクーツク物語』のワーリャ役、『ドライビングミスデイジー』のデイジー役などがある。NHKでは、大河ドラマ『春の坂道』、『55歳からのハローライク』他。『おしん』他のナレーションも担当している。1992年に紫綬褒章、2000年に勲四等旭日小綬章を受章。
交友も多く、杉村春子からは妹のように可愛がられ、美空ひばりとは「和枝」という本名で呼んでいた大の親友同士。石原裕次郎が「最も尊敬する女優」として奈良岡朋子の名前を挙げていた。黒柳徹子とは同期デビューで親しく、「徹子の部屋」に定期的に出演している。
奈良岡朋子が2013年より上演している「黒い雨-八月六日広島にて、矢須子-」は、「ささやかなライフワークとして始めた」と言う一人語りの舞台である。井伏鱒二の「黒い雨」(新潮文庫刊)をもとにした作品。毎夏のように全国で上演を重ねてきて、2019年には東京新宿、大阪、広島。2020年は下関、福岡、佐賀で公演を行っている。奈良岡自身は「ささやかなライフワークとして始めた」と語っている。
黒い雨とは原爆炸裂時に巻き上げられた泥やほこり、すす、放射性物質を含んだ重油のような大粒の黒い雨を指す。「大雨地域」在住の被爆者にのみ健康診断やがんなどの特定疾患発病時被爆者健康手帳の交付を行ってきたが、その範囲をめぐっていまなお係争が続いているから、ニュースでみることがある。その動向にも影響を与えていると思われる。
自身は「ささやか」というが、その影響は小さくない。多くの作品をこなしてきた奈良岡朋子が「熟年期」の84歳でたどり着いたライフワークだ。本日、92歳の誕生日を迎えている。命の続く限り、続けて欲しいものだ。こういう仕事をライフワークというのであろう。
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