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ドラフト前夜

ヤクルトに来る選手は、誰であろうと応援する。ずっと前からそれは変わらない。
くじは当たらないものと思っている。それも変わらない。

でも、ヤクルトに誰が来るか、というのと同時に、今年見てきた選手がドラフトにかかるかどうか、というのはまた別のドキドキがある。
今年はBCL、社会人、大学、高校と様々に見てきたから余計だ。
ここに来て一気に注目された「ちなヤク投手ボンバー」こと高橋佑樹。慶應大は今年プロ志望選手が6人いて、「打てる捕手」郡司裕也、ヒットメーカー柳町達、中村健人と楽しみな選手が多い。

BCLはというと、NPBとの交流試合で選抜に加わった選手が主にドラフト候補と言えるのだろう。
今年は富山と武蔵を見てきたから、その中からドラフトにかかって欲しいという気持ちが強い。
富山で注目されているのは、一度見たら忘れられない変則左腕の有間昌宏、俊足好打の松村誠矢。特に期待されるのは有間。今年入団の選手だが、コーチも予想外の結果を出してドラフト候補にのし上がった。

武蔵は前期の終わりくらいからしか見てないけど、レベルの高い野手が多いなと感じた。関口寛己、宮之原健、加藤壮太といった打者は、固め打ちもするしパンチ力もあって勝負強い。加藤壮太は高卒3年目と若い(そうはあまり見えないけども)ので、有力候補だ。背が高くてイケメンで好青年。色々考えても非の打ちどころが全くないのでどこかには指名されて欲しい。人気が出るのは確実。
武蔵の投手では「武蔵のイム・チャンヨン」松岡洸稀が注目を集めた。10球団から調査書が届いた19歳は、投手になってからも日が浅く、今年になって急成長を遂げたところが伸びしろ大と高評価を受けている。
まぁこれは絶対どこかに入るだろう。ヤクルトで獲ってくれないかな、とは思うけれども、智さんに預けてみたい気もする。

相手チームとして見ていて面白かったのは石川の永水豪投手と喜多亮太捕手。永水には抑えられたイメージが強くて、完封も食らっていた。とにかくパワフルで最後までスタミナが続くタフな投手。
あまりにも抑えられるので試合後に記者が富山の河本キャプテンに感想を聞いていた。
しかしその答えは
「永水のどの球がいいというよりも、喜多という捕手にやられている」
という意外なもの。
永水と喜多については土井麻由美さんの記事が詳しい(永水の記事喜多の記事
リード面も肩も、レベルの高い捕手のようだ。
河本は「喜多のリードにフルに応えられるのが永水という投手。喜多は打者をよく見ている。それを見てこちらも考える。こう見せたらこう来るかな…と。その駆け引きが楽しい」と言っていた。
そういう視点は、スタンドからではなかなか分からない。
別の時には榎本葵が喜多について「捕手を意識すると相手の術中にはまる。自分は捕手を見ない」と言っていた。しかし崩そうとしてくる相手に対して、自分の形を自分自身がしっかり分かっていないといけない、と。
投手にとっても喜多は嫌な存在のようだ。吉田凌太は嫌な打者の筆頭に挙げていた。気持ちよく打たせてしまえば、守備もテンポがよくなり、試合を牛耳らせることになる。
いつからか、石川戦を見る時は、注目するところが増えていた。
捕手を見ることで、試合の様相はがらりと変わる。

後期、富山は石川に大きく負け越した。富山の投打がかみ合わなかったという面もあるが、永水と喜多の存在も大きかっただろう。
盗塁を刺した後の喜多のドヤ顔は忘れられない。写真の加減で哲人に似てるし印象は強い。捕手に困っているチームは困っているから、きっとどこかには指名されるんじゃないだろうか。
ヤクルトはBCLからの捕手を連続で獲っているので、今年は高卒かな、と踏んでいる。好みとしては郡司くんなのだけど。

あれこれ考えることが出来るのは、ドラフト前だけだ。
吉報がたくさん届くといい。

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