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岩佐美咲「アキラ」を聴いた 〜 ヨーロー堂歌唱配信 2021.8.21

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2021年8月21日16:00から約30分間、わさみんこと岩佐美咲の浅草ヨーロー堂歌唱配信がありました。今回は10月発売予定の新曲「アキラ」を歌うというのが目玉で、もちろんそれを目当てにぼくもこの配信を聴いたわけです。

四曲の全体的な印象としては、ずいぶん歌がヘタになったなあと思います。音程もややふらついているし、なんといっても発声があいまいで雑。もっとていねいに歌う歌手だったと思うんですが。ノビやハリなど声もイマイチ出ていません。

理由は間違いなく歌い込み不足。コロナ禍で現場がほぼゼロになってしまいまして、事務所がそれを補うだけの歌唱配信もやらないせいで、歌う機会は激減。これじゃあね、どんな才能のある歌手でも衰えます。

美咲の歌はこんなもんじゃない、もっとしっかり歌える歌手だっていうのは、2018年暮れ〜2019年いっぱい、それこそ無数の歌唱イベントやコンサートなどに出向き、コンピューター補正の入らないナマの美咲を山ほど聴いてきた身なので、よくわかっているつもりです。いまの美咲は本来の姿じゃありません。

それでも同じヨーロー堂配信では、前回五月の配信のときよりはよくなっていました。六月以後、明治座、新歌舞伎座、ディナー・ショー、コンサートなど、現場の客前で歌う機会が以前よりはありましたので、とりもどせた部分もあったかと思います。

ムダなおしゃべりが減ったかもなというのも改善された点ですね。このこと、わさみんはコンサートなんかでもしゃべりすぎ、もっと減らして歌に集中すべきと、わいるどさんのブログのコメントで書いたことがありますが、ひょっとして本人やスタッフの耳に届いたんでしょうか。

おしゃべりを減らしたならば、そのぶんもっと歌に割けるはずだと思うんですが、曲数なんかは従来どおり四曲のまま。もっとしゃべりを減らして五曲にするとか、1曲目からフル・コーラスで歌うとか、やりようはいくらでもあるんじゃないかと思います。

ともあれ、今回は新曲「アキラ」、これですよ。4曲目にしっかり歌われました。フル・コーラス。若干の不安定さをみせていた3曲目までとはまるで別人のようなしっかりした歌いぶりで、発売予定の新曲だけにリキが入っているんだなと実感することができました。4曲目だったことも幸いしたと思います。

「アキラ」、8月13日のコンサートでも歌われたようで、しかし金欠によりそれには行けていないぼくだから、多くの美咲ファンにとって二回目であるところ、ぼくはこれが初回でした。まだ発売もされていないしMVも公開されていないというわけで、きょうの一回しか聴けていませんので、どんな曲なのかについてはまだなんとも言いようがありません。

はっきりしているのは、「アキラ」は函館が舞台になっているということ、「恋の終わり三軒茶屋」(2019)「右手と左手のブルース」(2020)に続く歌謡曲路線第三弾であるということ。この傾向でしばらくやるんですかね。地方都市が舞台になっているのはいわゆるご当地ソングの一環とも言え、その意味では「鞆の浦慕情」「鯖街道」の路線に連なるものともみることだってできます。

函館で恋したアキラという名前の相手のことが、離れても忘れられないという未練ソングで、「ねぇアキラ、ねぇアキラ」とくりかえすリフレインがとても印象的なセンティミエント。歌い込んでいけば(といっても発売が10月だけど)、「初酒」「鯖街道」のような代表曲になるであろうようないい曲でしたよねえ。

くわしいことは10月6日に発売になったらくりかえし聴いて書くとして、運営スタッフには、現場なり配信なりでどんどん歌わせていってほしいなと切望しておきます。「アキラ」、曲はいいだけにですね、美咲自身どんどん歌い込んでいって完成度を上げていくことができれば、立派な内容を聴かせることができるようになると思います。

さて、前半で言いましたように、美咲の歌唱力はあきらかに落ちました。コロナ禍前のように毎週定期的にどんどん客前で歌うという機会が失われたのが理由ですが、回復のためにスタッフはやることがあるはず。現場でも配信でも、もっと歌唱機会を増やさねばなりません。

以前わいるどさんも言っていましたが、長良プロのよくないところは現場があるときはまったく配信しないし、配信ばかりのときはまったく現場がなくなるところ。両者同時並行で歌唱機会を2019年までのように従前どおりキープしていかないと(どうもやる気がないみたいだけど…)、水準をキープできないどころか落ちる一方です。

岩佐美咲、ポテンシャルは高い歌手だけに、生かすも殺すもスタッフの運営いかんにかかっています。よろしくお願いしますね。

(written 2021.8.21)

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