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岩佐美咲の全曲歌いなおしアルバムをぜひ

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岩佐美咲 / オリジナルズ

はじめから岩佐美咲のために用意されたオリジナル楽曲は、2022年7月現在、ぜんぶで10曲(えっ、まだそんなもん?)。これをですね、10曲すべてまとめて、ヴァージョン・アップされたいまの美咲の歌唱でやりなおしたのを聴きたいという願望がぼく(やその他ファンの一部)にはあります。

っていうのは、たとえばデビュー曲「無人駅」は2012年のもので、その後一年一曲のペースでリリースしてきているわけですが、美咲の表現がほんとうにしっかりしたまろやかな輝きと深みをみせるようになったのは、たぶん2017年か18年あたりからなんですね。18年11月の四国 2 days をきっかけに19年いっぱい、美咲のコンサートや歌唱イベントなどにさんざん通いつめて、ぼくもこれを実感していました。

CD(そのころ配信はまだされていなかった)で聴くのと比較して、こりゃぜんぜん違うやん、特に「無人駅」「もしも私が空に住んでいたら」「鞆の浦慕情」といった初期名曲は、現場で聴くと愕然とするくらい差があるんです。もう比較にならなかった。別の曲じゃないかと。断然いまの歌のほうがいい。

それで上で書いたような願望をいだくようになったんですが。デビュー期の美咲は、大器の片鱗をのぞかせはするものの、まだまだ磨かれている途上のダイヤの原石みたいなもんで、発声や歌いまわしもやや単調で雑&未熟。曲とプロデュースがいいのでそこそこ聴けますし、それしか知らなかったらこんなもんだなと思うでしょうが、2019年現場ヴァージョンを聴いてしまったら二度と同じ気持ちじゃいられません。

だから、全10曲、いまの美咲のみごとなヴォーカルで歌いなおしたものをアルバム収録して、そういう企画で、リリースしてくれたらこんなにうれしいことはないぞという、そういう気持ちを持っているのはぼくだけじゃないはず。近年現場での美咲の歌を聴いているファンだったら。

このことが具体的に実証できたのは2019年のアルバム『美咲めぐり〜第2章』(初回盤)でのこと。「ごめんね東京」「初酒」「もしも私が空に住んでいたら」の近年ライヴ・ヴァージョンが収録されていますが、声のノビといいハリといい艶といい絶品で、初演とは比較にならないすばらしさだとみんなが納得したんじゃないでしょうか。

ああいったのをですね、10個の全楽曲で聴きたいんですよ。もちろんスタジオでの歌いなおしじゃなくライヴ・コンサートで収録するのがいいと思います。レコーディング・スタジオでの気持ちのつくりかたってなかなかむずかしいんだとマイルズ・デイヴィスなんかも言っていましたが、歌手音楽家ならこのことを実感しているんでしょう。

美咲はこれまたファンの聴いている眼前で実力を発揮することが多い歌手で、うまいぐあいにリラックス感とほどよい緊張が入り混じる楽しい現場だと、声に輝きが増すんです。黄色いハッピと拍手、声援(はいまダメだけど)あってこそ、それをエネルギーにして声に元気を出せる存在ですから。

もちろん10曲ではコンサートが成立しないので。あ、いや、わざわざ歌いなおしのための収録用コンサートということでそれだけでやれるかもしれないです。+αでもうちょっと歌ってもいいし、とにかくそうした近年ライヴ収録で美咲のオリジナル楽曲トータル10個をやったものをすっごく聴きたい。お願いします、徳間ジャパンさん!

(written 2022.7.19)

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