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岩佐美咲にはひばりの初期楽曲がよく似合うはず

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わさみんこと岩佐美咲もいろんな歌手のいろんな曲をカヴァーしていますが、ほとんど歌っていないのが美空ひばりのレパートリー。1stソロ・コンサートで「川の流れのように」を歌ってDVDにも収録されているのが唯一で(秋元康の作詞だから?)、ほかは昨2019年の長良グループ沖縄イベントで「お祭りマンボ」を歌ったらしいんですが、これは現地の客席にいたみなさんしか聴いていませんし、ソロ歌唱でもなかったらしいです。

そう、「川の流れのように」とか(「愛燦燦」とか)のひばり晩年曲は、実はあんまりおもしろい曲じゃないなとぼくは思っていて、それよりかは「お祭りマンボ」のような、ひばりが10代のころに歌った初期楽曲のほうがはるかに曲がいいし、ひばりの歌もすばらしいし、わさみんにも似合っているだろうと確信しています。

ひばりが本当はどういう歌手だったのか、10代のころのひばりがどんだけすごかったか、演歌歌手なんかじゃなかったんだぞとか、そんなような話は、きょうは遠慮しておきます。ご興味のあるかたは、以前書いたこれらの文章をぜひご覧ください。

https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-b014.html
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-c90d.html
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/2-30ac.html

簡単に言えば、初期の(10代のころの)ひばりはブギ・ウギ〜スウィング・ジャズ〜ジャンプ系の軽快なポップ・シンガーで、ウキウキ跳ねるようなはじける魅力が全開の陽気で明るい歌手だったんですね。

だから、与えられた楽曲もそんな系統のものが多く、それを軽やかに歌いこなしジャジーにスウィングするのがひばりだったんです。そういうのこそひばり本来の魅力なんですよ。

そのあたりのひばり初期録音は、CDでも二枚組にまとめられていて、それが『ミソラヒバリ アーリーソング コレクション 1949~1957』。なんとこれがそのままSpotifyにあります。ぜひちょっと聴いてみてください!「柔」「悲しい酒」「川の流れのように」などでしかひばりを知らなかったなら、イメージが一変すると思いますよ。

それで、わさみんこと岩佐美咲には、このあたりのひばりの初期レパートリーをぜひカヴァーしてほしいな、CDやDVDに収録してほしいな、それがムリならせめてコンサートやイベントなど種々の機会をとらえて歌ってほしいなとぼくは思っています。

とってもよく似合うはずだと思うんです。「河童ブギウギ」のコミカルなブギ・ウギ調、ちょっとしっとり気味ながら明るく庶民的なスロー・ジャンプ・ナンバー「東京キッド」、軽快なラテン・リズムの「ひばりの花売娘」、やはり楽しく跳ねるブギ・ウギの「銀ブラ娘」。

やや哀愁を感じる「あの丘越えて」なんかもわさみんが得意としてきたタイプの曲ですし、ひばり最大の代表曲ともいえる「お祭りマンボ」はしっかり歌いなおしてCDかDVDに収録してほしいです。当時最新流行だったマンボのにぎやかなリズムに乗せ人の世の浮沈を表現した大傑作ナンバーですよね。

いわゆるマドロスものだってわさみんにはよく似合うと思いますよ。ソロ・コンサートでは似たような曲調のものをたくさん歌って成功してきていますからね。初期のひばりにあるマドロスものといえば「ひばりのマドロスさん」と「港町十三番地」。ちょっぴりレトロなこんな雰囲気をわさみんは得意としていますからね。

これもやはり4ビートのジャジーでスウィンギーなブギ・ウギ・ナンバーである「心ブラお嬢さん」(心とは大阪は心斎橋のこと)だって楽しくて、調子がよくて、本当にわさみんが歌うのにピッタリ。

最低でも以下の五曲:

「河童ブギウギ」
「ひばりの花売娘」
「お祭りマンボ」
「心ブラお嬢さん」
「港町十三番地」

これらはぜひともわさみん に歌ってほしいですね。ひばり以後もたくさんの歌手のみなさんによってカヴァーされてきているものばかりですけれども、わさみんが歌えば21世紀の若手新世代歌手による決定的ヴァージョンに仕上がること必定だと思うんですよ。

間違いないと思います。長良グループさん、徳間ジャパンさん、なにとぞご検討ください!

(written 2020.9.3)

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