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かつてMacでもInternet Explorerが標準ブラウザだった時代があった

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人の死は悼まないのに、なにかの終焉に際しレクイエムを書くことがぼくにはありますね。きょうはマイクロソフトのウェブ・ブラウザInternet Explorer。先だって6月16日で公式サポートが終了したので、幕引きです。

Windows OSの純正ブラウザとしてあまりにも有名で、世を席巻しましたが、あんたMacユーザーだろ関係ないだろ、と言われると、たしかにいまはそうですが過去に実はそうでもなかった、お世話になった時代があります。

1997年にAppleはマイクロソフトと業務提携を結び、Mac OS 8.1(1998〜)からインターネット・エクスプローラーがMacでも標準ブラウザとなり、発売されるMacコンピューターにデフォルトでバンドルされるようになったんです。あのころ標準メーラーもOutlook Expressでした。

その後のMac OS X 10.2(2002〜)までずっとそうで、10.3(2003〜)からAppleは自社開発のブラウザーSafariを採用することとなり、マイクロソフトとの契約も終了したので、これでMacにおけるIEの時代は終了しました。

IE採用以前というと、MacはNetscape Navigatorをバンドルしていて、しかし個人的にはそのころインターネットというよりまだパソコン通信メインだったので、使用する機会はあまり多くありませんでした。そもそもダイアルアップ接続だったし。インターネット中心の生活になっていくのは常時接続となった世紀の代わり目あたり。

そのころAppleという会社は経営状態が最悪、ほとんどつぶれかけというに近いほどだったんで、自社でウェブ・ブラウザを開発する体力などありませんでした。マイクロソフトは95年以後Windowsが売上絶好調でしたから。

Appleが復活し、いまみたいな世界トップの巨大IT企業になったのは、2007年のiPhone発売以後。その数年前のiPodで兆しがありました。野球におけるアンチ・ジャイアンツ・ファンみたいに熱烈なアンチ・マイクロソフト派のぼくは、背に腹はかえられないとはいえIEみたいなのがMacの標準ブラウザなのをやっぱり我慢することができず。いちおうちょっとは使いましたけども。

結果、Safari登場まで、Mac用サード・パーティ製のiCabっていう小さくて軽いウェブ・ブラウザを愛用していたんです。っていうか21世紀初頭ごろはNNもOperaも持っていたし、そのほかいくつも、ちょっとしたブラウザ・コレクターみたいになっていて、これがいいぞ!というウワサをみてはダウンロードして試してみるといった具合。

FirefoxやChromeとかはまだなかった時代、でもそんなことしたらブックマークがたいへんだろうと思われそうですが、ブックマークを多数のブラウザ間で共有するのはそんなにむずかしくもないことですね。とはいえあくまでiCabこそが個人的メイン・ブラウザでした。いまでも続いているのかな?Safariを愛用するようになって以後ほとんどチェックしなくなったけど。

Macばかり使うユーザーも、IE愛用だったWindows派同様、Safari登場以後は迷う必要がなくなって、問題がすっきり解決したような感じです。iPhoneやiPadでもSafariがプリ・インストールされている公式ブラウザで、Macをふくめ三台でさまざまな動作をシェアしながら移動するのもいまや容易で、ほんとうにいい時代になったもんです。

(written 2022.6.17)

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