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ブラジリアン・ギターリスト+ラージ・アンサンブル 〜 ロメーロ・ルバンボ&ラファエル・ピコロット

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Romero Lubambo & Rafael Piccolotto Chamber Orchestra / Live at Dizzy’s

リオ・デ・ジャネイロ出身、ブラジル人ジャズ・ギターリストのロメーロ・ルバンボが、同じくブラジル出身在NYの作編曲家ラファエル・ピコロットの編曲・指揮するラージ・アンサンブルと共演した北米ニュー・ヨーク・ライヴ『ライヴ・アット・ディジーズ』(2021)が、ちょっといい。

アクースティック・ギターリストが主人公であるとはいえ、そんな目立つようにソロなどたくさん弾いているという印象は薄く、むしろアンサンブル主体で演奏が進行します。どっちかというとラファエルの仕事を聴かせるというアルバムなんでしょうか。

それでもそこそこギター・ソロもありますけどね。サンバやボサ・ノーヴァ、特に後者のスタイルでアレンジされているものが多く、曲はオリジナル中心ですが、なかにはややびっくり「ルート 66」みたいなスタンダードもあったりして。それには女声ヴォーカリストが参加しています。やはりボッサ・ジャズといった趣きで、ロメーロのソロもあります。

上でも言いましたが、弾きまくりギターをフィーチャーしているというよりも、アンサンブルのなかのパーツの一個としてうまくはめ込んでいるプロデュースぶりで、その点、かつてのウェス・モンゴメリーを想起させる内容ですね。ドン・セベスキーやクラウス・オガーマンとやったやつ。

実際ラファエルのアレンジも迫力とスケールがありながらきめ細かくて、そのなかを縫うように走るロメーロ(やアコーディオンやサックスなど)のソロもスケールが大きく、聴いていてとても楽しいし心地いい。8「Paquito in Bremen」みたいな優雅なバラードで聴かせるやわらかくたおやかな味も絶品です。

(written 2022.2.7)

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