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中東ラテン 〜 オメル・クリンゲル

(2 min read)

Omer Kringel / Okan Project

lessthanpandaさんのMúsica Terraで教えてもらいました。

イスラエル人鍵盤奏者/作曲家/プロデューサーのオメル・クリンゲル。その最新2020年作『オカン・プロジェクト』はジャズとラテン・ミュージックを軸に、中東音楽、ファンク、ラップ、フラメンコなどが融合した、なんとも色彩感あふれる仕上がり。

特に強く感じるのはキューバン・サルサ色ですかね。1曲目、2曲目あたりでもそれがよくわかります。ラテンの熱いノリがたまらなく快感。イスラエル人がリーダーの音楽ですけど、参加ミュージシャンたちは世界中から参加しているそうなので、中南米のミュージシャンもいるかもしれません。+オメル自身がラテン志向なのかも。

イスラエル人でありかつラテン志向っていう、そんなオメルの音楽性が最もいい具合に発揮されているのが4曲目の「フリーダム・キー」。曲のメロディ・ラインなどは中東系のそれですけれど、ビートは完全にラテン・ミュージックであるっていう、中東+ラテンの合体ナンバー。

もちろんラテン・ビートだって日本人の古代からのDNAにはないものでしょう。けれども、ぼくらがもはやそれに異国情緒を感じないのは、ラテン・ミュージック要素が全世界にひろく強く浸透し切っているからじゃないかと思うんですよね。ぼくだって幼少期からラテン歌謡曲(山本リンダなど)ですっかりなじんでいて肌身に染み込んでいますから、「異」「外」だとは感じないですね。

ラテンの世界的普及度たるやおそるべしといったところで、オメルの『オカン・プロジェクト』では、それ+中東要素がそこかしこに有機的に混じり込んで溶け合い、しかも強いビートの反復はファンクっぽさをも感じさせ、なんとも汗くさい肉体派の音楽を産み出しているなと思います。

なかなかのオススメ品ですよ。

(written 2021.8.1)


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