しんどいとき助けになる音楽(39)〜 ナット・キング・コールのラテン歌曲集
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Nat King Cole / Latin American Tour with King Cole
ナット・キング・コールでもう一個、ラテン歌曲集の話をしたいと思います。ジャズ・ファンにとっての戦後のナットが『アフター・ミッドナイト』であるなら、一般のポップス・ファンにはむしろラテンでしょうしね。個人的にも大好き。
ぼくなんか大のナット好きでありかつラテン・ソング好きなんだから、気に入らないわけがないっていう。上のSpotifyリンクは自作プレイリストですけれど、ただの私的ベストじゃありません。ナット生誕100年記念で2019年にテイクオフ/サンビーニャからCDリリースされた『キング・コールと行くラテンアメリカの旅』と同内容。
ベスト・アルバム的コンピレなのでそのままではサブスクに載るわけありませんが、もとのラテン・アルバム三枚はもちろんあるので、編者の竹村淳さんの真似を勝手にしてSpotifyで編んでおいたものというわけです。これが楽しい。
あの時代の日本の洋楽好きにとってのナット・キング・コールとはどういうものだったのかを如実に物語るセレクションで、いまの時代までもこうした歌は永遠に愛されるものだなあと実感します。
原語(スペイン語、ポルトガル語)のままナットは歌っているわけですが、いずれもちっともしゃべれなかったそうです。まさに一音一音なぞるようにコピーしながら発音し歌っていったらしいのですが、それを考慮に入れれば大健闘というべき内容でしょう。
実際ナットのラテン・アルバムは中南米諸国でも受けがよく、かなり売れたそうですから。歌手としての存在感ということでしょうけど、しっかりアレンジされたオーケストラ・サウンドもよく練れているし、ラテン・テイストがほどよくブレンドされているっていうか、中庸な味で、聴きやすいですよね。
(written 2023.9.27)
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