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アンゴラとブラジルをつなぐ打楽器ハーモニー 〜 ルシア・ジ・カルヴァーリョ

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Lúcia de Carvalho / Pwanga

ルシア・ジ・カルヴァーリョはアンゴラのルアンダ生まれ、フランスを拠点にずっと活動してきた歌手ですね。最新作『Pwanga』(2022)は音楽的にブラジリアンといっていい内容で、そもそもルシアが在籍していたフランスのグループ、ソン・ブラジルはその名のとおりブラジル音楽をやっていたそう。

新作にはシコ・セザール、ゼー・ルイス・ナシメント(バイーア出身のパーカッション奏者)、アナ・トレア(サンパウロのシンガー)いったブラジル勢も参加していて、+アンゴラ人ミュージシャンといった編成みたいです。

バイーア色が濃いかなと感じるんですが、派手な打楽器群の乱打を中心にビートの効いたアフリカン・ルーツな音楽をやっています。っていうかそもそもアフリカ人なわけですけど、ルシアはブラジルをいったん経由して、それを足がかりにアフリカを眺望するといった視点を持っているのが特徴。

そんな傾向は1曲目から爆発しています。2曲目はちょぴりアラブ音楽ふうな旋律とこぶしまわしが聴けて、こりゃなんじゃろう?と思いますけど、基底部のビート感はまぎれもなくアフロ・ブラジリアンです。

はじめて聴いたルシアのヴォーカルには溌剌としたはじける元気のよさがあります。それでもキャリアなりの落ち着きも感じられ、いまいちばんいい時期なのかもしれませんね。強い発声でパンチの効いたノビのある歌をくりだす歌手で、こぶしもまわっています。

ヨーロッパでマルチ・カルチュラルな仲間たちと活動を続けながらブラジル音楽をやって、そのなかにあるアフリカ要素をとりだし強調することで、自身のルーツをみつめディグし、アイデンティティを確立しているような音楽だと思えます。

(written 2022.2.13)

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