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和楽器衰退のすべての元凶は「コミュニティ」である

箏(琴)奏者の久です。

これまで僕は、日本の和楽器・伝統音楽(=邦楽)業界が直面する、以下のような問題について発信とリサーチを続けてきました。

・技術継承問題
・一般向けコンテンツ(楽曲)の欠如
・コミュニティ内で完結する経済(=関係者経済圏)

そして、このような問題に苦しむ私たちの業界には一体何が起きているのかと考え続け、その結果一つの結論に辿り着きました。

それが、「すべての問題は『コミュニティ』に帰結する」というものです。

この記事では、なぜそういう考えに至ったのか、その背後にある理由を、具体例を交えてご説明したいと思います。

※この記事では「コミュニティ」という言葉を「日本の伝統音楽に関わる人々と、そのコミュニケーションの場全体」を指すものとして使用します。

邦楽コミュニティの特徴

この記事は、邦楽業界の方以外にも私たちの問題について理解してもらうことを目的としています。

そこで本題に入る前にまず、そもそも『現在の邦楽コミュニティにはどのような特徴があるのか』をご説明します。

⚠️当記事において「邦楽コミュニティ」とは、主に筆者が属する箏曲・三曲の諸団体のことを指します。ここで挙げる特徴は、あくまで全体としての「傾向」であり、すべての邦楽コミュニティがこのような特徴を持っているわけではありません。また、特定の団体を批判する意図は一切ありません。

⒈中央集権

邦楽業界のコミュニティといえば、〇〇会とか、〇〇社中などという組織が代表的です。

こういった組織には「家元」という絶対的トップが存在することが特徴的です。

このトップダウン式の体制によって、門下生は活動を細かく把握されたり、場合によっては厳しく制限されたりすることも珍しくありません。

この結果、門下生たちの中には、自由な活動が制約されることから息苦しさを感じる人もいます。

また実際に、この制度の下での人間関係のトラブルに悩まされている人もいます。

⒉閉鎖的

邦楽のコミュニティでは、他の組織や流派との交流が限定的である場合がしばしばあります。

異なる価値観やアプローチを持ち込むことを避けるため、(例えば同じ「箏曲」というジャンルであっても)他の組織との交流を制限、あるいは咎められることさえあります。

また、他のジャンルとの交流も、コミュニティ単位で行われることは珍しく、基本的には同じジャンル・同じ組織の面々で集まることが多いです。

こうして、コミュニティ全体が閉鎖的になっています。

⒊多様性の欠如

既存の邦楽コミュニティは、主に「楽器を教える人」と「楽器を習う人」で構成されており、多様性が乏しいと言えます。

つまり、同じような考え方や価値観を持つ人たちで構成されているということです。

このような状況下では、「新しいアイデアが生まれにくい」「異なる価値観を持つ人が迫害される」などの問題が生じます。

また、「楽器演奏の技術」という画一的な指標により評価されることも、(表面化しづらく、見過ごされがちな問題ですが)個人的には問題だと感じています。

なぜなら、技術的に未熟な人は、コミュニティ内で居場所がなくなってしまう可能性があるからです。

これは会社で例えるなら、「営業成績」という一つの指標だけで、すべての評価が決まってしまうようなものです。

もちろん、これらはコミュニティの方針や温度感に左右されるので一概には言えませんが、多様性のないコミュニティには、このように多くの潜在的な問題があると言えます。

すべての問題は「コミュニティの問題」に帰結する


このような「特徴」を持つがゆえに、様々な問題を抱える邦楽業界ですが、その問題のすべてが「コミュニティ」に帰結するとはどういうことでしょうか。

それをご説明するために、記事の冒頭に挙げた3つの主要な問題 :

・技術継承問題
・一般向けコンテンツ(楽曲)の欠如
・コミュニティ内で完結する経済(=関係者経済圏)

これらの「本当の原因」について、さらに深掘りしていきたいと思います。

⚠️ここでは邦楽が衰退している原因として、景気や人口、邦楽以外のコンテンツの存在などの「一業界の努力ではとても解決が不可能な問題」を扱いません。なので正確には、「解決可能なすべての問題は『コミュニティの問題』に帰結する」がこの記事の主張になります。

技術継承問題

日本の伝統音楽界において、技術継承の問題は頻繁に取り上げられる、最も重要な課題の一つです。

では、なぜ若手への技術継承はうまくいっていないのか。

よくある回答として、「敷居の高さが原因だ」というものがあります。

しかし、「伝統文化は敷居が高い」というのはもはや過去の話。今はインターネットがあります。

ネットを使えば、簡単に自分に合った指導者を探せますし、楽器も通販で買えます。

YouTubeで上手な人の演奏を見ることも、演奏技術を学ぶことも、楽曲を聴くことも、すべて無料でできます。

むしろ、若者が邦楽コミュニティに入るハードルは、かつてないほど下がっているはずなのです。

では、なぜ若者は邦楽を始めないのか。

答えは簡単。若者が自ら「入らないこと」を選択しているからです。

そして、その大きな原因が、「コミュニティの閉鎖性」と「中央集権的制度の息苦しさ」であると僕は見ています。

閉鎖的な(少なくとも、閉鎖的に見える)コミュニティと、それに伴う息苦しさや煩雑な人間関係は、外から見ている若者たちにどう映っているでしょうか。

おそらく、このような雰囲気や環境に対して、「めんどくさそうだから辞めておこう」という感想を抱く人も少なくないでしょう。

せっかく音楽自体に興味があっても、音楽とは全く関係ない理由で、若者は参加を断念する(あるいは、すぐに辞めてしまう)ことになります。

さらに、この閉鎖的な環境は、すでにコミュニティ内に所属しているメンバーたちにとっても、ストレスになっている場合があります。

例えば、トップダウン構造や厳格なルール、煩わしい人間関係などに疲弊して、既存のメンバーが嫌気をさしてコミュニティを抜けてしまう、というケースです。

経験豊富な既存メンバーが離れると、技術継承のプロセスが大きく滞りますから、このような離脱は、技術継承という観点から見ても非常に深刻です。

このように、コミュニティの閉鎖的な文化や中央集権的な構造は、若者の参入を阻害するだけでなく、既存メンバーの離脱を引き起こしています。

その結果、技術継承の問題はますます深刻化しています。

わかりやすく図式化すると、こんな感じでしょうか。

『技術継承の問題は、元を辿ればコミュニティに帰結する』ということが、これでお分かりいただけたと思います。

一般向けコンテンツ(楽曲)の欠如

日本の伝統音楽界には、『一般の人々が日常的に楽しむコンテンツや楽曲が極端に限られている』という問題があります。

事実、一般に広く知られている日本の伝統音楽として思い浮かぶのは「春の海」と「六段の調べ」くらいでしょう。

『春の海』が作られたのは100年近く前ですから、約100年もの間、一般の人が知っている曲が生まれていないことになります。

では、邦楽業界では新作が作られていないのかというと、全くそんなことはありません。

今日でも多くの新作が生まれており、そういったいわゆる『現代曲』の中には、業界内では人気が高く、よく知られている曲はたくさんあります。

ただ、それはあくまで業界内の話です。

業界内では有名な人気作品も、ひとたび業界の外に出ると、ほとんど誰にも知られていない、ということが頻繁に起こります。

なぜ、このようなギャップが生まれるのでしょうか?

まず考えられる原因が、「中央集権的な組織文化」です。

先述したように、このような体制において門下生は「活動を細かく把握・制限」されます。これは演奏活動だけでなく、作曲においても同様です。(むしろ、作曲の方がより制限が厳しい印象です。)

明治以前の邦楽の世界では、楽曲は師匠にとって「主力商材」であり、弟子が「楽曲のライセンスを買いに行く」というスタイルが主流だったので、その名残もあるかもしれません。

当然このような環境では、楽曲を自由に創作・発表することができません。

仮に許可されたとしても、業界外部の人が好む可能性がある「今風の」楽曲ほど、厳しい評価を受けるでしょう。

いうならば、邦楽の世界には「伝統的価値観による検閲システム」が存在するのです。

これが邦楽のコミュニティから、外部の人に向けた楽曲が生まれにくくなっている理由の一つです。

以上のことから、コンテンツ(楽曲)の問題も、元を辿ればコミュニティが原因になっていることが言えます。

コミュニティ内で完結する経済(=関係者経済圏)

残念なことに、これまでに挙げた「技術継承問題」と「コンテンツ(楽曲)の問題」は、それ自体が問題であるだけでなく、別の更なる問題を引き起こしています。

それが「関係者経済圏」です。

「関係者経済圏」とは、「ほとんどの経済活動がコミュニティ内部(= 邦楽関係者間)だけで完結してしまう、邦楽業界の特異な状態」を示す言葉として、以前書いた記事で用いた言葉です。

関係者経済圏の問題を構成する要素は、大きく分けて次の2つです。

・コミュニティ内需要への極端な依存
・市場規模の縮小

このうち、「コミュニティ内需要への極端な依存」という問題は、先ほどのチャプターで言及した、「一般向けの楽曲が極端に少ない」という問題が一因となっています。

一般の人々が日常的に楽しむ楽曲が少ないということは、コミュニティ外部の人が、CDを買ったり、コンサートに行ったりすることがほとんどないということ。

これはすなわち、外部からのお金の流入がほとんどないことを意味します。

事業者は当然、需要が見込めないところに向けてコンテンツを提供することに消極的になります。

その結果、和楽器や伝統音楽に関連する活動は、ほとんどが内部の関係者へ向けたものになります。

また、コミュニティ内需要へ依存してしまう他の原因として、「閉鎖的な文化」や「多様性の欠如」などの、コミュニティ自体の問題も挙げることができます。

閉鎖的な組織は、他の団体・他のジャンルと交流することは少なく、外部の人をターゲットにすることに消極的になります。

多様性のない組織、すなわち「よそ者」のいない組織からは、業界の常識や慣習に囚われず、現状を打破するアイデアを持つ人が生まれにくい。

これらが相まって、コミュニティ内需要への依存をいつまでも続けてしまうのです。

次に、関係者経済圏の問題を構成するもう一つの要素「市場規模の縮小」についても考えてみましょう。

邦楽コミュニティだろうと、町だろうと国だろうと、人間の集団において、「経済規模」と「人口」は密接な相関関係にあります。

そして、邦楽のような内部需要に極端に依存している集団の場合、さらにこの傾向は顕著になります。

つまり、邦楽という業界は、コミュニティ人口の増減による経済的影響を、モロに受けてしまうということです

そして、残念ながらコミュニティから人はどんどん減ってきています。これは「技術継承問題」のチャプターで指摘した通りです。

つまり、「技術継承問題」は、それ自体が問題であるだけでなく、邦楽の経済に対して、この上なく効率的にダメージを与えているということです。

もしかしたら冗談抜きで、【プレイヤー人口の減少率 ≒ 市場規模の縮小率】と言っても過言ではないかもしれません。(このヤバさを本当に伝えたい)

さて、このような極端で規模の小さい経済モデルには、もちろん致命的な欠点があります。

「不測の事態に非常に弱い」というものです。

以前の記事では、新型コロナウィルスの影響により、廃業寸前まで追い込まれた最大手三味線メーカー「東京和楽器」の事例を紹介しました。

業界最大手のメーカーですら廃業寸前で追い込まれてしまったこの事例は、このモデルの脆弱性を証明したように思えます。

以上で論じてきた、「関係者経済圏」を取り巻く状況をまとめたものがこちらの図です。

このように「関係者経済圏」の問題の原因は、「技術継承問題」「一般の人が日常で聴くコンテンツ(楽曲)がない」ことやなど様々ですが、元を辿れば結局、『コミュニティの体質』が原因となっている、ことが言えるのです。


ここまでに挙げてきた主要な問題は、独立した個別のものではなく、非常に複雑に、相互に作用しながら、業界を侵食しつつあります。

例えば、「一般向けコンテンツ(楽曲)の欠如」が「関係者経済圏」の原因になっていると指摘しましたが、その逆も然りなのです。

つまり、関係者だけで経済が回っているから、一般向けの楽曲が生まれないということも言えるということです。

コミュニティ内だけで経済が回る「関係者経済圏」において、リスナーやクライアントになり得るのは、コミュニティ内の人だけ

作曲家は必然的に、コミュニティ内での評価を重視することになります。

その結果、(コミュニティ外の)一般の人々の好みやニーズに応じた楽曲はほとんど作られなくなります。

「技術継承問題」に関しても、同じことが言えます。

国内の消費者や観客に大きく依存する邦楽業界が、コミュニティ人口の増減による経済的影響をモロに受けてしまう。そして、その人口はどんどん減ってきている、というのは先述した通り。

その結果として、業界内への資金流入が減少し、和楽器の演奏家や教師は「食えない仕事」になっていきます。

結果、演奏家を目指す若手が減り、子供に和楽器を教えることに消極的な親世代も増えます。

このため、技術継承の問題はさらに悪化。それがまた、「関係者経済圏」の問題を悪化させるという、負のループに陥っています。

これまでの内容を全てまとめると、このようになります。

これを見ると、複数の問題が複雑に絡みあってはいますが、全ての問題の根本的な共通の原因を探ると、すべて「コミュニティ」に帰結することが分かっていただけると思います。

逆に言えば、「この問題を解決することで、他の多くの問題が連鎖的に改善する可能性がある」ということでもあります。

対処すべき問題が実は1つだと分かれば、何とかなるような気がしてきませんか?

これは、とても大きな希望です。

では、諸悪の根源たる「コミュニティ問題」を解決するための、「最も有効な手段」とは何か。

次のパートでは、いよいよそのテーマについて考察していきたいと思います。

なぜNFTが有効な手段なのか

邦楽衰退の原因は、すべて「コミュニティ」に帰結する。
よって、「コミュニティの問題」を解決できれば、他の多くの問題も改善に向かう。

ここまでの結論はこうです。

ではここからは、「コミュニティの問題を解決するにはどうすればよいか」について考えていきます。

結論から言うと、僕はこの問題を解決するための最も有効な手段は「NFT」であると考えています。

その理由を、順を追ってご説明します。

コミュニティ問題の解決方法

まず明確にするべきなのは、具体的に何を解決すれば良いのか、すなわち『コミュニティの問題とは何か』ということです。

実はこれはすでに、「コミュニティの特徴」として何度も紹介しています。

⒈中央集権
⒉閉鎖的
⒊多様性の欠如

の3つです。

最大の特徴であり、最大の問題でもあるということです。

ということは、既存のコミュニティを、

⒈非中央集権かつ
⒉オープンで
⒊多様なコミュニティ

にすることができれば良い、ということになります。

ただ、この方法(正攻法)は非常に難易度が高く、効果が出たとしてもかなり時間がかかると思っています。

長年、既存のコミュニティのルールで活動してきた人たちにとって、それを180度変えることは容易ではないからです。

そこで、僕が提案するのは「既存のコミュニティとは別のコミュニティを新たに立ち上げ、徐々に既存のコミュニティと融合させていく」というものです。

これなら、スピード感を持って様々な取り組みを進めることができますし、現時点で既存の邦楽コミュニティに馴染めていない人たちを、最初から巻き込むことができます。

もちろん、正攻法は重要です。既存の邦楽コミュニティはいわば「母体」であり、伝統を真に受け継いでいるのはそちらです。

ただ実は、この正攻法に関しては、複数の諸先輩方がすでに取り組んでいたりします。

僕よりも先輩で、業界内で影響力がある方々が取り組んでいるのであれば、僕が同じことをやるよりも、他の可能性を模索する役割に回った方が、全体としては良い結果に結びつくはずです。

なので僕は、あえて王道から外れた、別ルートからの問題解決を図ろうと思います。

NFTとコミュニティ

コミュニティといっても、町や村のような伝統的なオフラインコミュニティから、オンラインコミュニティまで、様々な形があります。

非中央集権かつ、オープンで多様なコミュニティ」には、どのような形がベストなのでしょうか?

既存の邦楽コミュニティはオフラインのものが多いですが、参加者の数が限られるのが難点です。

目指すのは「オープンで多様なコミュニティ」なので、地域に縛られず、誰でも参加でき、様々なバックグラウンドを持った人が入ってくるようなコミュニティが理想です。

ただ、オンラインのコミュニティでは演奏活動などの共同作業が生まれにくく、交流も表面的なものになりやすいのが難点です。

ここで注目したのがNFTです。

NFT業界には様々な「プロジェクト」が存在しており、「アニメを作る」「キャラクターなどのIPを作る」など、それぞれ独自の目的を持って活動を行っています。

この中には「着物」「工芸」「盆栽」など、伝統文化系のプロジェクトも多数存在します。(僕自身も約1年ほど「和楽器」のNFTプロジェクトを運営してきました。)

こういったNFTプロジェクトのほとんどは、Discordという、昔でいう「ネット掲示板」のような機能を持つアプリを使い、「コミュニティ」を運営しています。

「ただのコミュニティ」ではなく、具体的な目標がありそれに向かって皆で活動していくというのは、非常に相性が良さそうです。まさに我々は、「業界の問題解決」という目標を持っているわけなので。

また、NFTは「人と人との絆を強めるのに非常に長けている」とも感じています。

インターネット上に、「所有」という概念が現れたことで、同じものを持っている、という仲間意識がより生まれやすくなったのです。

僕は小さい頃「ポケモンカード」や「遊戯王カード」を集めていたのですが、同じようにそれを集めていた近所の友達と交換したり、バトルをしたりして遊んでいました。

共通のものを「所有」することで生まれるこのような連帯感が、ネット上でも生まれるようになった、とイメージしていただけると分かりやすいと思います。

NFTを、コミュニティ形成に活用するメリットはまだまだあります。

そもそも、NFTを成り立たせている技術「ブロックチェーン」には基本思想として、「中央集権からの脱却」というものがあり、NFTに携わっている人たちは皆、これを理解しています。

要するにざっくり言うと、「トップの人だけに絶対的な権限があるのって、良くないよね」という考え方を、なんとなく皆が共有しているということです。

加えて、NFTは金融・ビジネス・エンタメ・アートなど様々な分野に活用されているため、テクノロジー以外からも様々な分野から多種多様な人が集まっています。(以前の記事では、「ありとあらゆるジャンルが『NFT』という1つ屋根の下に集まる」と表現しました。)

もうお分かりいただけたと思いますが、「⒈非中央集権」かつ「⒊多様な」コミュニティを形成するのに、これ以上の技術はないのです。

もう一つの重要な要素、「⒉オープンさ」についてはどうでしょうか?

NFTの世界では多くの場合、異なるプロジェクトのコミュニティ同士が積極的に交流・コラボをすることで、協力関係を結んでいます。

そもそも現時点では、NFTという市場はかなり小さく、お互いが助け合って協力しなければ厳しいという現状があり、「協力し合う」ことが一つの文化として形成されつつあります。

つまり、「オープンさ」についても全く問題がありません。それどころか、NFT独特の文化は大きくプラスに働くでしょう。

以上の理由から、僕はコミュニティ形成の軸を「NFT」にすることに決めました。

どんなコミュニティを作るのか

ではいよいよ「どんなコミュニティを作るのか」具体的な内容に入っていきます。

これも結論から言いますと、「アート・カルチャーを楽しむコミュニティ」です。

どんなコミュニティでもそうですが、何か「テーマ」を決めなければ成り立ちません。

当初僕は、和楽器の NFTプロジェクトを運営していたことから、「和楽器のコミュニティ」を作ろうと思っていました。

しかし、和楽器というジャンルは多くの人にとって馴染みがなく、一般的な人たちはなかなか参加してくれません。

結果、和楽器という共通の趣味嗜好を持った人たちだけが集まる、非常に狭い範囲のコミュニティになってしまいます。

これでは、既存の邦楽コミュニティがオンラインになっただけで、重要な要素の一つである『多様性』が生まれません。

そこで、より多様で、かつ伝統文化と相性の良いテーマとして「アート・カルチャー」という少し大きなテーマを掲げることにしました。

具体的には、「アート・カルチャー」という広いカテゴリの中に、「和楽器」「映画」「現代アート」など、テーマごとの『部屋』がそれぞれ存在する形になります。

そのコミュニティに参加する人は、自分の興味や趣味に合ったジャンルの部屋に参加することができ、かつ、他のジャンルの部屋とも交流が持てるということです。

テーマを「アート・カルチャー」に拡大したのには、もう一つ理由があります。

僕は昨年2022年の9月、こちらの記事を公開しました。邦楽業界が抱える問題について書いたものです。

ありがたいことに、かなりの反響をいただき、邦楽業界以外の方からも多くの感想の声が届きました。

そして、その中で非常に多かったのが

「うちの業界も同じです」というものです。

驚いたことに、こう言った声は伝統文化業界の方だけでなく、現代のエンタメ・文化の業界の方からも多数寄せられました。

ここで、一つの仮説が思い浮かびました。

「コミュニティを起点とした問題解決は、同じような問題を抱える他業界においても有効なのではないか?」

もちろん僕は、他業界の問題についてはあまり詳しくないので、これはまだまだ精度の粗い仮説です。

しかし、あらゆる業界において、コミュニティの問題が(少なくともその一部において)業界全体に悪影響を及ぼしている可能性は、十分あると思います。(伝統的な体質の業界は特に)

僕はこの仮説を元に、コミュニティを通して、他の業界の問題解決の手助けもできたらと思っています。

多様な人が集まるコミュニティには、自分の業界の問題解決に取り組んでいる人たちが、色々な業界から集まっているはずです。

単独では市場規模が小さい業界でも、他の業界と一緒に何かを仕掛けることで、多くの人を巻き込める可能性があります。

例えば、邦楽(和楽器)業界は、食、観光、映像、音楽つながりではJ-POPやボカロなどとも相性がいいかもしれません。

多様な業種の人が集まるコミュニティにおいて、このようなWin-Winのマッチングが生まれれば理想的です。

とはいえ、あまりテーマを広げてしまうと、何のコミュニティかよく分からなくなってしまうのと、自分の守備範囲を超えてしまいそうなので、最終的に「アート・カルチャー」に落ち着きました。

僕自身、邦楽以外の音楽ジャンル(ロック・クラシックなど)にも携わってきた人間であり、絵画や文学といった他ジャンルの芸術も大好きです。

「アート・カルチャー」に分類されるものに対してなら、本気で、情熱を持って取り組める自信があります。

アート・カルチャーを楽しむWeb3コミュニティ

最後に少しだけ、コミュニティの概要や、予定している活動内容についてご説明して記事を終わろうと思います。

現時点で考えている内容は以下のようなものです。

・伝統文化からモダンカルチャーまで、「アート」や「カルチャー」に分類できるものなら何でも扱います。

・コミュニティメンバー同士で、様々なコンテンツを鑑賞・体験・学習することで、新たな趣味や楽しみが見つかるきっかけを作ります。

・NFTやAI、メタバースなど、最新のテクノロジーを利用し、文化芸術業界のさまざまな問題解決に取り組みます。


また、コミュニティの核となる第一弾プロジェクトとして、「和楽器の音楽ジェネラティブNFTプロジェクト」を近日中に発表します。

こちらは既に制作中なので、ぜひ楽しみにしていてください。

続報については随時公開していきますので、Xをフォローしてお待ちいただけると嬉しいです!
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【大募集】コミュニティマネージャー

上記コミュニティにおける、コミュニティマネージャーを募集しております。

応募資格は特にありません。実績やスキルよりも、理念や目的が近いかどうかを重視します。

また、コミュニティマネージャー以外のポジションで、コミュニティを手伝ってみたいという方も募集しています。

以下のテンプレに沿ってご回答の上、XのDMで@hisashi_musik までご連絡ください。面識がない方も大歓迎です。

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①希望する役割
例)コミュニティマネージャー

②NFT・Web3における活動経歴(簡単で結構です)
例)クリエイターとしてイラストNFTを販売、●●DAOでコミュニティマネージャーを経験
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応募いただいた方は日程調整の上、Google Meetで1時間ほど面談させていただきます。

志望理由をお聞きしたり、お互いのニーズをすり合わせたりできればと思っています。

(もちろん、最終的には話を聞いた上で判断いただきたいので、応募したから必ずやらないといけないわけではありません)

※募集は予告なく終了する場合がありますので、ご了承ください。

理念に共感いただいた方、ご自信の業界を何とかしたい!という熱い気持ちのある方、僕と一緒に立ち上がりませんか?

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