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岐路に立つ公共施設マネジメント②~受益者負担の議論から逃げるな

前回は公共施設マネジメントについて、人口を根拠にした延べ床面積を目標値に定めるのではなく、管理運営費を目標値にすべきということを述べました。
管理運営費を考える上で避けて通れないのが受益者負担。
つまり利用料、使用料です。

ほとんどが無料で利用している実態

小平市の公民館や地域センターなどの貸しスペースを市民等が利用する場合の利用料、使用料はもちろん定められていて有料です。
しかし、ほとんどの利用団体が減免規定の適用を受けていることで、実際に有料で利用される例は僅かです。
そこで、この受益者負担、つまりは利用者の負担を適正化すべきという指摘はずっと以前からあります。

平成22年の報告書

平成22年3月に出された「小平市受益者負担の適正化検討委員会 検討結果報告書」には

・受益者負担の原則
市民が市の施設を利用しサービスを受ける際、利用する人と利用しない人との 「負担の公平性」を考えると、利用する人が応分の負担をすることによって、利用 しない人との負担の公平性がはじめて確保されます。このため、市の施設を利用す る方やサービスを受ける方に応分の負担をしていただく必要があります。

・減額・免除の見直し
使用料・手数料の減額・免除については、「受益者負担の原則」の観点から、あ くまでも特例的な措置であることを確認し、その適用については、やむを得ないも のに限定します。なお、やむを得ず減額・免除を行う場合は、公平性・公正性の確 保を図るものとします。

・・・と明言されています。

平成19年の行財政再構築プラン

平成19年3月に示された行財政再構築プラン

更には平成19年の時点でも、「小平市行財政再構築プラン」の中で、はっきりと方針を示してあったのです。

棚ざらしの受益者負担の議論

しかし、コロナ騒動が起きてからは議論がピタリと止まっています
この間、何度も方向性を示すよう議会でも指摘しましたが、未だ棚ざらしの状態です。
9月議会には小川駅西口に建設される新複合施設の設置条例も上がってくると聞いています。
その条例では「別表」という形になるでしょうが、当然、施設の使用料なども決めることになるはずです。
受益者負担を棚ざらしにしたまま、更に新施設の利用料を決めようとは「だらしない」としか言いようがありません。

公共施設マネジメントを考える上で、管理運営費に重きを置くべきと述べましたが、そうであれば受益者負担、つまり利用者の料金負担をどうするかという議論から逃げられはずはないのです。

市長選挙まで逃げ続けるのか

これまで、方針が決められなかったのには政治的な要因が少なからずあると考えています。
公民館や地域センターを利用される団体には左派系の団体も多く、前市長から革新市政が続いている小平市においては与党的立場の人たちということになります。
ぐずぐずと決断を先延ばししていうちに市長選挙が近づく、その間には市議会議員選挙もある。
選挙前に受益者負担の適正化、つまりは減免規定の見直しを打ち出したくないという考えが働いているとしたら・・・。
小平市長選挙まであと1年を切りました。
市長選が終わるまで、またこの議論を先延ばしするのか。
だとすれば、卑怯であり、政治の怠慢と言わざるを得ません。
一刻も早く、受益者負担の議論に結論を出し、公共施設マネジメントを真っ当な形で進めるべきです。

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