新幹線の電源と領土問題
新幹線で充電しようとすると電源は窓側のA席かE席しかないわけであるが、この所有権はA席もしくはE席の人にあると明確に定められてはいないわけである。
今日、私は出張で名古屋から乗車したのだが、東京に着いたあともそのまま充電する機会がなさそうであったから、いつもならタバコを吸いに行きやすい通路側の席にするところを窓側のA席にしたにも関わらず、いざ席に着くとC席にいたビジネスマンがPCからコードを伸ばして充電しているではないか。
「あの充電いいですかね?」と私が言うと「わたしも今さしたところでありまして」とビジネスマン。
どうやら彼は新大阪から乗車していて名古屋まではA席に人がいて電源が使われていたからまさに今、万感の思いを込めてアダプターをさしたとこらしい。
そうは言っても私は電源があることを見越してタバコを我慢する意気込みでA席をとっているのだ。と思いながらもC席のビジネスマンの決して粗暴とは言えぬ人柄と冒頭で記したように電源の所有権が明確にはなっていないことが私の中で相まって「あとで変わってくださいな」と笑顔になるしかなかった。
たとえば海底から発掘されたエネルギー資源もまあなんとなく近い国のものとなりつつも揉めることがあるが、みんなで必要な分だけ使いましょうという当たり前の気づきはたかが新幹線の電源でも主義主張があるのだから難しい問題だなと勝手に眉をひそめ、車窓から県境を眺め、充電が残り少なくなったスマホでこれを書いている。
C席のビジネスマンは仕事がはかどっているようである。
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