【五十一日目】辛い時は、夢想した世界で
どうしようもない時は、目をつぶってしまおう。
そして、瞼の裏に、理想郷を描くんだ。
分かり合えないことだらけの世界から、少しの間だけでも飛び立てばいい。
頬に当たる痛いまでに冷たい風がきっと、私たちが生きているということを教えてくれる。
踏み鳴らした勇壮な足音が、秘めた勇気の在りかを教えてくれる。
おいしいごはんと小鳥のさえずりが幸せを教えてくれる。
私たちが作れる弾丸なんて、マシュマロみたいにへにょっとしてて弱っちいけれど、その分やさしいはずだ。
さあ、やさしさの弾丸を打ち抜こう。頭も手も足も振り乱して、踊ろう。
まだ、目は閉じたままで。夢の世界で。
君も、そこの君も、一緒に幸せになろうと言ってみよう。
きっと、私も嬉しくなれるよ。
消毒液なんて手に揉みこまなくたって、理想郷のすべては美しいんだ。
私だけの、君だけの、ひとりひとりが持ってる聖域なんだから。
華麗な眼球で、世界を彩ろう。
2021/2/23/22:42 ヒサノエイ
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