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【おすすめ投資・ギャンブル本】 馬券裁判 - 私が競馬に惚れる理由 -

事件となった「偉業」


ある会社員が累計28億7000万円馬券を購入し、30億1000万円の払い戻しを得て、1億4000万円稼ぎました。

申告していなかった利益1億4000万円にふっかけられた課税はなんと5億7000万円…。

払い戻しの「総額」に対し課税しておきながら、「当てた馬券」しか控除されない計算のためです。

「だったら当てた馬券だけではなく外れた馬券も全て経費だろーが」と最高裁まで争った話です。

もう、全ての数字が規格外ですよね。笑


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競馬は計量経済学

なぜこの本が私にとって経済書かと言うと、著者の競馬の勝ち方は極めて学問的で、計量経済学の分野になると思います。

・この馬かっこいい、勝ったな

・前走勝ってる、勝ったな

・目が違う、勝ったな

・名前かっこいい、勝ったな

当然こんなやり方では馬券を購入していません。

血統、オッズ、展開、適性、距離、枠順、騎手、追い切り、パドック、馬場状態・・・など、何十というファクターを仮説検証し、独自のアルゴリズムを作り上げます。

それをシステムに組み込み、自動で馬券を購入し続ける。

著者自身は最初に100万円のみを投入し、後はアルゴリズムを修正しながら自動で買い続け、3年間で28億7000万円馬券を購入し、30億1000万円の払い戻しを得たわけです。

当然競馬場に来るどころか、個々のレースも見ず、PCをつけっぱなしで旅行していたそうです。笑

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規格外の人間の知恵は他分野にも通じる


競馬は95%の人間が負け越し5%だけが収支プラスと言われています。

控除率が25%(馬券の種類によって若干異なる)の極めて不利なゲームですから、実際はもっと低い気がします。

「勝ってるふり」をして予想やノウハウを売る輩はわんさかいます。これはあらゆる分野で同じですが。


ただ、この著者は本当に達成してしまいました。脱税が見つかって長期的にはよかった(?)かもしれません(彼自身も有料で予想を売っています)。

私のような競馬ファンは彼独自のファクターを少しでも知りたくてこの本を購入しますが、他にも学べることは多々あります。

・裁判、マルサ、税金について

・無理ゲーに勝利した人間の哲学

・ギャンブルのイメージが180度変わる論理

競馬なんて…という方ほど、パラダイムシフトできる読み物です。

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競馬は勝てない(終わらない)から最高の趣味


最後に、ひたすら聞かれる「どうして競馬なんてやっているの?」という質問について。

私自身は競馬で「稼ぐ」必要は当然ありません。

専用の口座を作り、1年分の予算を元旦に割り当て、1年の最後を締める有馬記念まで予算が残っているように必死に戦います。

Excelで毎週の収支を管理し、月ごとの的中率や回収率などを出しています(間違っても公開できない)。

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私にとって競馬の醍醐味は終わらないこと。

例えば英語は、学生時代にTOEIC満点を取り、仕事で何一つ問題なく使い、むしろ通訳業務等が増えて厄介なスキルです。

TOEIC満点を何回取った~とかを売りにしている人はいますが、そのフェーズは20歳ぐらいで終了。

ご存じその他様々なスキル習得に関しても、やればできる、やらなければできない、という至極単純であまりワクワクしません。

大量に資格を持っていますが、目標ができた瞬間、頭と時間をどう使えばよいか決めるだけで、あとは「作業」になります。

まさにその思考法や勉強法がこのブログのテーマでもありますが。

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しかし、競馬はとにかく勝てない。笑

合格率が5%もあるのかと意気揚々と乗り込みましたが、勉強の「対物」と異なり、これは対人どころか「対馬」です。

仮説検証を繰り返し、独自のアルゴリズムを構築していっても、長期でも結果が足りず、状況も日々変化していきます。

そのため、ギャンブルで収支をプラスにするという「絶対無理」な挑戦だからこそ、いつまでも続けられるのがとにかく嬉しいわけです。

極論、勝てるようになり小遣いが入るより、いつまでも届かない挑戦でいて欲しいです。

ギャンブルや税金などに経験がなかったり、どこかネガティブな印象をお持ちの方は、新しい知識が一気に入る一冊です。

すでに両脚を突っ込んでいる我々には、まだまだやれる事はあると勇気?がもらえるかもしれません。

1つでも多く「終わらない歌」を持って、くそったれの世界を乗り切っていきましょう!

数人のファン様のサポートがあって6年以上執筆続けてこられました。 本当に感謝です。 (無料読書は要らん)