最近の作業手順 水張りの耐久度を上げる研究
おじさんです。
最近はクレヨン、クーピー、色鉛筆、鉛筆、水彩絵の具等…子どものころ使用していたような画材にハマっています。
慣れ親しんだ書き味なのだが、多少絵画を齧った今改めて触れてみると新たな魅力の再発見や、画材同士を組み合わせた時にできる面白い効果の発見があり、描くたびに新鮮な気持ちになります。
例えばこのポインセチアの絵は「バチック画法」というクレヨンの画法を使用しています。
要は、油で出来ているクレヨンの上から水彩絵の具を塗ると、その部分は水が弾かれて、絵の具の中からクレヨンが浮き彫りになる…みたいなことなのですが。
赤のクレヨンの上から更に赤い絵の具を塗ることで、クレヨンで描いた葉脈のタッチは活かしつつ、クレヨンの筆跡の荒さを潰し、滑らかなポインセチアの葉の赤さを描くことができました。
所謂モダンアートのテクニックですが、クレヨンの上から水彩絵の具を塗る画法自体は、幼稚園や小学校の図工でやった経験がある人もいるんじゃないでしょうか?
こういった、ある種遊びに近い画法や画材を使って、新しい発見が出来れば、と、最近はそういったものを模索しています。
ただ、この手の作品につきまとうのが「作品の強度が弱い」ことかなあと思います。
小学校の図工でやる作品なんて紙が劣化したら終わりで、中学生になる頃には捨てられてしまったりとか。
ああいった場で重視されるのは作品そのものの価値より制作をする体験。画法や画材の持つ本来の魅力が、ある種「体験」に消費されているような感覚が拭えないのです。
なので、こいつらを50年、いえ100年保つ作品にしてやりたい、というのがおじさんの企みです。
まだまだ研究段階です。まだ第一段階、これがどのように劣化するのかをまず10年かけて見届けようと思っている段階ですが。
ひとまず、最初の成果発表として、最近の制作手順をまとめようかと思います。
まずは下地。
使用するのは木製パネル、ハケは2本。
紙は下張り用の鳥の子紙と、描くための画用紙の2種類(おじさんはケント紙を使用 色画用紙でも張れます)を使用します。
糊に使用するのは液体膠、仕上げにドーサ液を使用、あとは水張りテープ。
まず下地として板に膠を塗ります。水や油を弾く役割と、この後貼り付ける鳥の子紙の糊の役割があります。
膠用と水用でハケは分けます。そのため2本用意。
そして板と同じサイズにカットした鳥の子紙(薄い和紙)を貼り付けます。
この紙が水や油を吸って、本体の木製パネルに届かないよう守ってくれるらしい。
絵画の保存を考えた時、水や油によって木が腐食するのが真っ先に考えられるので。ここはもっと方法を考えて徹底的にやりたいです。
乾いたらその上に再度膠(ここはアラビックヤマトでもいいかも)を塗り、水張りをしていきます。
水張りのやり方なんかは解説サイトを見たほうがわかりやすいかもですが、
1 水張りテープを必要なぶんちぎって、水用のハケを濡らしておく。
2 板より一回り大きく切った紙をまんべんなく濡らし、表裏に気をつけて貼り付ける。
3紙を伸ばしながらテープを貼る。順番は貼った辺の向かいを貼るようにするとうまくいく。
4半日乾燥させるとシワが伸びるので完成。
ざっくりこんな感じでやってます。
仕上げにドーサ液を塗ります。膠を含んでいるので画材の固着力を高めたくて。
効果があるかは分かりません。正直お祈りくらいの気持ち。
この上から絵を描き、完成したらフィクサチーフで画材を固着させた上でニスをかけて保護します。
ニスをかけてツヤツヤになった画面は見ていて気持ちがいいです。
埃をかぶっても拭きとれて絵が綺麗に保てます。
ざっくり、こんな手順で今は絵を描いています。
何か、「もっとこうしたらいいんじゃないか」というのがあったら知りたいです。
何せおじさんの専攻は油彩で、こんな日本画科のテクニックなんかここ数ヶ月の独学で…
下地に手を掛けるとやはり絵にも気合いが入りますし、仕上げニスをかけた絵は宝物。
絵そのもの自体に手を掛けることの大切さを痛感しながら日々作業をしています。
というわけでおじさんでした。
意見あったらマジで、お気軽に伝えてくれたら嬉しい。です。
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