見出し画像

宝石展に行ってきました

おじさんだよ。
上野の国立科学博物館で開催中の、「宝石展」に行ってきました。

おじさんは、実は無類の石好きで。
小さい頃から鉱石標本収集が小さな趣味なのです。

おじさん宅のガラス棚。

きっかけはおばあちゃんが持っていた、綺麗なダイヤの指輪。子供ながら、すごく綺麗だなあと思ったのです。
キラキラしたものが好きだなあ、から始まり、ディアゴスティーニの地球の鉱物コレクションを買い、原石収集を始め。
昔はお道具箱に詰めていたコレクションも、今では3段のガラス棚に綺麗に並んでいます。

昔は原石収集ばかりしていましたが、最近はカットされた宝石、ジュエリー、ルース(裸石、アクセサリーになる前のカットされた石のこと)に興味が向いていまして。そんな中大好きな国立科学博物館で「宝石展」が開催されると知り、かなり楽しみにしていました。


という訳で、色々写真を撮ってきたので、感想と解説を交えながら個人的に面白かったものを紹介していこうかな。

アメジストドーム。重さ2.5t。

まず入り口に約3mのアメジスト(紫色の水晶)ドームが置いてあり、一瞬で目を奪われてしまいました。
アメジストジオード、というとマイクラやってる人にはわかりやすいかも。

宝石展はそもそも、原石→ルース→ジュエリー、と宝石を装飾品に仕立てる過程を辿る順番で、様々な美しい石やカットの技術、価値ある宝石を紹介するよ、っていうコンセプトの展示なんだけど。
原石コーナーだとやっぱり1番これが印象深かったです。
原石コーナーの顔に相応しい迫力。こんなに大きな水晶を見たのは初めてでした。

近づくとすごくキラキラしている。

水晶は宝石の中ではかなり産出量が多く、その中でもアメジストなんて、言ってしまえば安価ですごくありふれた鉱石なんですけど。
まさかアメジストにこんなに感動することが、今更あるんだなあ、と、水晶のポテンシャルを舐めていた自分をちょっと反省。

初めて買った鉱石が水晶だった、って人は結構いるだろうし、実はおじさんもそうです。
お年玉で黙って5000円の水晶を買って、親にしこたま怒られて返してこいって言われて。それでも何とか買うことを許してもらった、中に虹が見える綺麗な水晶。
今でも時々手に取って眺めるんだけど、やっぱりあのひんやりした透き通った水晶の美しさって、唯一無二。
石好きにとって馴染み深い石だからこそ、ある種の原点回帰。馴染み深いからこそ、悪い言い方をすると蔑ろにされがちな水晶の美しさを思い出させてくれる。これが入り口に置いてあることでそんな風に思う人、結構居るんじゃないかなって思いました。


原石コーナーが終わると次はルースのコーナー。

サンストーン。中にラメみたいなのが見える。おじさんが大好きな石。


スピネル。レッドスピネルが好き。色々なカラーが並ぶと飴玉みたいで可愛い。

カット前の原石と、カット後のルースを並べてあり、様々な宝石を鑑賞できます。
カットの工程や手法を紹介しているコーナーもあったりしました。やっぱり職人さんの技術ってすごい。
そもそもルースに興味を持って今回の展示に来たところが多かったので、ここが1番勉強になったかなーと思います。

宝石のカットって、単に決まった形に削ればよいという訳でもなくて。実はね。
クッションカットとか、カボションカットとか、宝石のカットの仕方ってめちゃくちゃ種類があるんだけど。どの石をどのカットで削るかを決めるのって、適当にやってる訳じゃないんだよ!

あれは、自然の中で出来上がった原石の不規則な形から「貴重な限りある原石を、いかに余分なく宝石に仕立てるか」を計算してカットの種類を選んでいるんです。
宝石って大概掘り尽くされているというか。
例えばダイヤモンドはとても深い場所じゃないと生成されない石なので、現代の技術で掘削できる範囲にダイヤモンドはもう残ってない、なんて一説では言われていたり。(追記 採算が取れないから掘らないらしい!ちょっと違った、ごめんね)
掘り尽くされて閉山になってしまってる鉱山なんて珍しくもなくて。
鉱石は当たり前だけど、何万年時間をかけて作られるものだから、すごく貴重な、限りある資源で、財産で、価値なんです。
それを、無駄なく、美しく仕立てないといけない。宝石のカット技術は、やっぱり常に「限りある資源を無駄なく使う」との戦いなんだろうな、と思うわけです。

パパラチア(蓮の花の色)のサファイア。鑑定機関で決まっている「パパラチア色」の基準がとても厳しいので、三代希少石の1つに挙げられているよ。
三大希少石の1つ。綺麗なネオンブルーで人気の石だけど、産出量がめちゃくちゃ少ない。

アレキサンドライトは撮り忘れたけど、三大希少石もきっちり揃ってました。嬉しい。


次はジュエリーのコーナー。

まずはヴァンクリーフ&アーペルのコーナー。1906年に創業した、パリのジュエリーブランド。

ぶどうの葉のブローチ。ぶどう色の宝石を使ってるのが洒落てる。
真ん中はダイヤ。羽根は漆を使ったブローチ。
デカい青い石はブルーカルセドニー。それ以外はサファイアでグラデーションが作られていてすごく綺麗。ルビーって実は赤いサファイアの事なんだよ。豆知識。


次がギメルのコーナー。ギメルは兵庫にある日本のジュエリーブランドですね。

トラピチェエメラルドの模様を亀の背中に見立てたブローチ。
日本の四季を表現したコーナー。こちらは秋をテーマにしたジュエリー。
同じく日本の四季シリーズ。冬をテーマにしたジュエリー。

ここのコーナーは、展示形式込で四季の表現をしていて面白かったです。
冬コーナーとかほとんどダイヤ使ってたけど、こんな贅沢なアートがあっていいのか、って気持ち。

夏のコーナーにはアリさんが歩いていたり。

立体的なサクラのブローチの美しさに目を奪われていると。

横にいるのは毛虫。
ユーモラスで面白い。


所謂、怪盗キッドが盗みに来そうな、歴史的に価値のあるジュエリーは、この後の写真撮影禁止コーナーに詰められていたので、今回は紹介を控えるけれど。

歴史的に価値のあるジュエリー(ナポレオンの……とか、マリーアントワネットの……とか)が並んでいる横に、こういう今最新のジュエリーブランドの様々な模索、新しい取り組みが並んでいるのがとても良いなあと思いました。

宝石展で撮ったものはこのくらいかなあ。

絵画を齧ると、よく突き当たる問題が「保存」なんだけど。
それこそ古来の油彩やテンペラ絵画などは、絵画としての美だけではなくて、百年その美しさを保つように下地から何まで、入念に作り込まれているのを、実際やってみると痛感します。
この美しさを後世に残したい、という執念……というよりは、使命だとおじさんは思うけど。そういう、ヒトの気持ちの結晶なんです。あれ。

それに比べ、多分宝石……石って、この世で最も長く保つ素材です。宝石は、百年どころか千年、何万年経過しようがその色や煌めきが劣化することはまず無い。
だけれど、小さな石ころの原石のままでは時代の波に飲まれて消えるかもしれない。
だから、磨いて、ジュエリーに仕立てて、残り僅かな貴重な資源である宝石を、人から人の手に移ることで保存させる。
歴史的に価値のあるジュエリーでなくても、「おばあちゃんが使っていた指輪の石をリメイクして普段使いのアクセサリーに……」なんて、よくやる人いるよね。
そうやって人の手を渡り歩くことで、宝石は後世に残っていく。
その為に、ジュエリー業界に携わる人達は、カット技術や仕立ての技術、はたまた何か新しい取り組みだったり、とにかく何千年と進歩し続けている訳です。
すごいよねー。

という訳で、原石、宝石の美しさに触れ、そしてそれを保存する人の進歩の歴史に触れられる「宝石展」、大変楽しかったです。


色々オタク語りをしてしまったけれど、こんな小難しいことを考えなくても、会場内はキラキラの宝石だらけなので、素直に、綺麗だなあ、ってしてくるだけでめちゃくちゃ楽しいと思います。

でもでも、ここまで読んでくれたのなら、宝石がもう限られた資源であることに、ものすごく真剣に立ち向かう人達が居るんだよってことは、覚えておいて欲しいなって思うんです。

価値がわかる 宝石図鑑 

https://www.amazon.co.jp/dp/4816359478/ref=cm_sw_r_awdo_8T5M8G3V51PH8ZT9T6KF

まあ全部この人の本の受け売りなんだけどね。
どんな宝石にどんな部分に価値があって、こうやって価格が決まるんだよ……と、宝石の品質や等級について詳しく語ってます。
単に見た目が綺麗かどうか以外の観点を持つと、宝石ってすごく面白くなるなって個人的には思うので、興味を持ってくれた人がいたらよかったら読んでみてね。

ではでは。おじさんでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?