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J-JUN『Danger Zone・One Heart』に見る表現力の幅とボイスコントロール力

23日に行われた「ミュージックステーションウルトラSUPER LIVE」に出演したジェジュンさんのパフォーマンスを拝見しました。
当日は武蔵の森で自身のライブを行い、その後、幕張に移動。僅かな休憩を挟んで歌う、という激務とも言えるスケジュールでした。
番組スタッフから懇願されて歌った『Danger Zone』と中島美嘉とのコラボによる『One Heart』という全くジャンルの異なる楽曲を披露しましたが、この2曲の歌唱に今の彼の歌唱力やパフォーマンス力が非常によく現れている、と思いますので、2曲を比較対象する形でレビューを書かせて頂きました。
初見の印象としては、今年、彼が出演した放送媒体に乗った歌声の中で一番良かったのではないかと感じます。
録画していたものを再見して検証させて頂きました。

イメージを払拭した『Danger Zone』

和歌山と武蔵の森のライブで「予行演習」をした『Danger Zone』は、非常に落ち着いていて充実した歌声という印象を持ちます。
ライブ終了後の緊張感が良い意味で彼の心理に作用したのではないかと感じます。

『Danger Zone』は非常にアグレッシブな楽曲です。楽曲の低層部を支える力強いビートが、リズムを前へ前へと刻み続け、その上にメロディーが乗る形で構成されている楽曲で、オリジナルのケニー・ロギンズは、持ち味の細く尖った音質の歌声で、この曲の始めから淡々と歌っています。しかし、その尖った歌声が楽曲の低層部に突き刺さる力強さで歌い上げているのが特徴です。歌声の特徴は少しハスキー、そして色彩のほぼない無色な歌声に近く、サビの部分では少し割れ気味の幅のある歌声で力で押し切って歌っています。
これに対し、ジェジュンの歌声は全く違うタイプの歌声です。

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