リトグリ新サウンドの鍵を握る結海の存在
リトグリというボーカルグループが新メンバーになって、非常に安定した良いサウンドを作り上げていると感じさせます。
今年10月に結成10周年を迎えるグループですが、昨年後半あたりから、非常にサウンドの安定感が増してきたと感じます。
その要因の1番に、結海の成長があると感じるのは私だけでしょうか。
彼女の歌声と存在感が非常に安定してきたことによって、全体のバランスが非常に良くなったと感じるのです。
そのことについて、少し記事にしてみました。
ボーカルグループとしての絶対条件
日本には、ボーカルグループという存在が圧倒的に少ないです。
ソロかバンド。1人で歌うことが前提として多くの楽曲は作られています。
特に私の持論ですが、J-POPは、「歌を聞かせる音楽」です。
即ち、J-POPの世界を描き出すのは、「歌唱力」というものが絶対条件になるのです。
これがK-POPとの根本的違いだと私は感じています。
この「聞かせる音楽」というものが、J-POPの多様性に繋がっていることは否めません。
J-POPにロック、ポップス、R&B、ヒップホップ、VOCALOIDなど、多くのジャンルが存在しています。
これらの多種類の音楽が生まれる背景には、社会的価値観の多様性というものがあり、どのような音楽でも受け入れるだけの社会の成熟度が根底にあると感じます。
多様性が生まれるには、それだけ人々の価値観が多様化していなければ、それらを受け入れる土壌がないからです。
そして、その多様性は音楽のレベルアップに繋がります。
今のJ-POPアーティストは、歌唱力という点において、非常に高いレベルで推移しており、それは、玉置浩二などの60代以上のアーティストから、Adoなど20代そこそこのアーティストまで、どの分野を切り取っても、一定の水準以上のレベルで推移していると言えます。
かたや、ボーカルサウンドという分野を見た場合、本格的ボーカルサウンドを奏でられるグループは非常に少ないということが言えます。
特に若い女性ボーカルの場合、アイドルグループに所属するか、もしくは最初からソロとしてデビューを目指すか、というふうに限定化されるのは、女性ボーカリストが、男性ボーカリストに比べて圧倒的に数が少ないことが背景にあると思います。
〇〇坂というようなアイドル系パフォーマンスグループの台頭によって、若い世代の女性は、シンガーソングライターになるか、バンドのボーカルになるか、それともアイドルグループのオーディションを受けるかの選択肢に限られているとも言えるでしょう。
その中で、シンガーソングライターでもなく、バンドをやりたいわけでもなく、アイドルになりたいわけでもなく、本格的に歌えるシンガーを目指したいという場合の受け皿は、今のJ-POP界では皆無に近いと思います。
そういう現状の中、Little Glee Monsterという本格的サウンドボーカルグループの存在は、貴重と言えるのです。
しかし、若い女性のグループにありがちなこと。特に10代の女性がグループを組む場合の難しさ、価値観の相違、目標の違い、さらに活動をしていく中で音楽性の違いなど、また、女子から女性への精神的にも肉体的にも転換期における不安定要素などから、リトグリは、この10年に何度もメンバーの脱退や入れ替えを繰り返してきました。
5人体制になり、安定的にヒット曲を飛ばすようになった2018年以降、リトグリサウンドというものを確立した後の2021年からのメンバー入れ替えなど、安定性という部分において、一番難しかったと言えるでしょう。
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