氷雪

雨はいつも遠くにあって 掴めない

触れた時には遅くていつも頬を伝う粒になる

幸せの定義を問う君はどこか虚ろで

この世の果てを知っているかのようで

貴方なら雨も掴めるのかもしれないと

本気で思ってしまう

そんな幻想が長く持たないことは知っているから

僕はいつも貴方との日々を指を折って数えて

あと何回こんな話が出来るんだろうと

貴方のくれた愛を貪りながら

掴めない雨を眺めていた

雨は掴めないけれど

一つだけ擬似的に掴むことが出来るよと

白い息が出る日に貴方は言った

貴方の言いたいことは分かる

雪を掴めばいいってことは重々承知だ

けどなぜ僕にそれができると

時間は無かった

選択肢も勿論ない

けどそれだけは選べない

貴方はなぜそばに居てくれない

透ける君と溶け始めた僕

分かってはいる

選ばなきゃいけない

何もかもを失うくらいなら

最後に君からの言葉が欲しかった


この世に幸せはあるのかな


貴方は遠くを見ていた

どこを見ていたんだろうか

周りはいつの間にか世界で満ち溢れていた

言語化出来ない『世界』だ

終わり

過去

原罪

貴方

世界とはなんだ?
君はどこにいる?
ん?君とは誰だ???
今まで僕が見てきた『貴方』と同一か?
そもそも僕は誰に対して話している?
ここはなんなんだ?

肉体と魂の乖離

現世と安住の地の確立

途方もない旅と愛の告白

何もかもが同じで何もかもが違う『世界』

時として貴方はなぜ居ない

私と共にくるべき人材は貴方しかいない

この世界を救えるのは

………

私?

私とは何か

どうでもいい

なんでもいい

なにかになれるなら

擬態できるなら

雪にもなれれば

貴方の頬を伝えるなら

この身など何もなくていい

だって私の魂は

きっと世界に残り続けるから

貴方の目に残るから

貴方の世界に生き続けるから

時が来たらまた一緒に

世界の創設者となり

私と溶けてください

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?