Yumikoの映画玉手箱
映画とは、映画少女時代を含めると60年以上の付き合いです。
マスコミの映画記者になってからでも45年です。
映画のプロといっても、松井久子監督のように映画を作る人ばかりでなく取材して記事を書いたり、映画を見て感想や批評を書く仕事もあります。私はずっと後者の方。映画を作ったことはありません。
ただし、80歳になった今、ある映画制作クラスの受講生です。
映画は見ると作るとでは大違い。映画作りは本当に難しく、面白い。
この話もいつかこの欄で書いてみたいと思っています。長年映画評論を書いてきたのですが、振り返ると新聞や雑誌に書き切れなかったもっと個人としての映画への思いが甦ります。私の心の玉手箱には、映画愛がいっぱい。
映画の紹介や評論とは別に、映画は私の「人生の学校」だったと思い知りました。
いま、人生の最終段階に入り、現実生活では現役時代のような新たな出会いはほぼなくなりましたが、玉手箱には映画が与えてくれた楽しい思い出がぎっしり。それらはいつしか私の血となり肉となって、人生の多様性を教えてくれたのです。
「すごいことしてるね」と人の噂をきいても、そんなことはとっくの昔に実践していた人がいるよ、心配ないよ、と考えます。
「まるで映画みたい!」という言い方がありますが、映画はたとえ現実離れした話でも、リアルに描くことで人生の真実を描こうとするわけです。
その制作現場に生きる人々は、なんと現実的でプロの魅力的な人たちであろうか。そのギャップ!がすごい、と思ってしまいます。
いや、映画ってホントに面白い。
私の小さな映画の玉手箱から、今も心に残る映画の人々、そのシーンや裏話、映画の体験などを思い出すままに自由に綴ってみたいと思っています。同じ世代の方々にも、若い世代にも読んでいただき、繋がっていけたらうれしいです。いい映画は一生ものです。年をとってからでも、こころの中で何度でもリサイクルでき、しかもその度に味わい深く甦るのですから。
映画の楽しさ、ぜひご一緒しましょう!!
松本侑壬子(まつもとゆみこ)
鳥取県出身。津田塾大卒。新聞記者、大学教授を経て映画評論家。映画は、いつでも“女性の視点”で観て考えてきた。著書は働く母親とその娘のインタビュー集「母娘の風景」,「シネマ女性学」「映画を作った女たち~女性監督の100年」「銀幕のハーストリー~映画に生きた女たち」など。日本記者クラブ、日本映画ペンクラブ、日本ペンクラブ会員。
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映画監督松井久子が編集長となり、生き方、暮し、アート、映画、表現等について4人のプロが書くコラムと、映画づくり、ライティング、YOGA等の…
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