見出し画像

LEONIEとマイレオニーの旅 28

前回のマイレオニーの皆さんのアメリカロケ・ツアーと同様、愛知県犬山市、千葉県つくば市、神奈川県横浜市、香川県高松市と善通寺市そして北海道札幌のモエレ沼公園と、転々と移動したすべての地で、集まってくれたサポーターの皆さんが、エキストラ、炊き出し、見物人整理などの仕事で私たちを支えてくれたのでした。
特に、カバー写真に使わせて頂いた上の写真に映ったみなさんは俳優さんでも何でもなく、香川県の善通寺ロケにエキストラで参加してくれた一般市民です。扮装をするとここまでいい表情になるのだから、これも映画のマジックなのでしょうか。

犬山・明治村でクランクイン

この地でいちばんの思い出は、毎日、総勢100人を超えるスタッフ・キャストが食べる昼食をつくってくれた炊き出し飯の活躍でした。これにはエミリー・モーティマーも中村獅童さんも「こんな美味しいご飯が出る現場は、後にも先にもはじめての体験」と絶賛!

毎日変わる和食の豊富なメニューに思わず笑みがこぼれる二人
エミリーが特に好きだった巻き寿司
味付けばかりか温かいのも嬉しい茄子のみぞれ煮
早朝から時間をかけて炊き込んだ筑前煮も絶妙の味
毎日美味しい料理を作ってくれた炊き出し班の皆さん
ボランティアの中で、連日最も地味な仕事を担ってくれた”見物人整理係”の皆さん
各地から集まった見学ツアーの方々も同じマイレオニー同士、すぐに仲良しに
私がスタッフ、キャストと緊張いっぱいで対峙してた陰で
こんなに楽しい時間を過ごしてたのね?
エキストラの中には作品の法務を担当してくれた弁護士先生の姿も
来日したイサムが父親と再会した帝国ホテルのシーンに出演してくれたエキストラの皆さん
日本ロケの初日はマイレオニーがアメリカツアーでプレゼントしてくれたレオニーTシャツを着て
ストールマンの松村氏と。「いい写真を待ってますよ」

高松ロケ

勅使川原三郎さんが演じたイサムの彫刻シーンを撮影したのは、イサム・ノグチが日本の拠点と定めた高松市牟礼町の最初に石彫に励んだ本物のアトリエで。長年、イサム氏をパートナーとして支え続けた和泉正敏さんもこの2021年9月、8天に召されてしまった。アメリカのイサム・ノグチ財団には協力を拒否されたけれど、日本の庭園美術館の館長だった和泉さんは終始温かく映画を応援してくださった。
2月には札幌・モエレ沼公園の建設を引き継がれた川村純一さんが突然亡くなられたばかり。お二人とも『レオニー』にとってはかけがえのない恩人である。
今ごろイサムさんと川村さん、和泉さんは、天国で再会を喜び合っていらっしゃるだろうか?

彫刻指導は和泉正敏さんとお弟子さんたちが直々に
『ユキエ』の時から高松に行くたび温かく迎えてくれた「夕映の会」の皆さん
”Leonie”の題字を書いてくださった書道家の山内豊さんも高松マイレオニー

香川県・善通寺ロケ

善通寺市の自衛隊跡地のレンガの建物前には、レオニーがアメリカ船に乗って横浜港に着いたシーンを撮影。のべ250人もの高松マイレオニーの皆さんが、二日間にわたってエキストラ出演をしてくださった。

完成した映画を観てご自分の姿が見つけられず、ガッカリした方も沢山いらしたでしょうね
ごめんなさい!でもそれがエキストラというものなのです
急遽、飛び入りでエキストラに加わられた三好さん
早朝からの支度が済んで、助監督から自分の位置の指示を受けている…のかな?
レオニー・ギルモアが来日した1907年当時、洋装には帽子が欠かせなかった
『ユキエ』の時からお世話になっている松山の映画サークル・マネキネマの皆さんも思い出づくり
二日間の長い撮影が無事終わって高い所からお礼の挨拶をすると、一斉に拍手が沸き起こった

横浜・日本丸ロケ

横浜港の船内で迎えに来たヨネと再会するシーンは横浜港に停泊中の日本丸で撮影。この日もエキストラはマイレオニーの皆さん。

それぞれの方を一眼見てタイプに合わせた役を決め、扮装を選ぶ衣裳さんのセンスに舌を巻く
こちらはご家族揃ってのご出演かな?
アメリカからやって来た船なので青い目のエキストラさんも

札幌モエレ沼公園ロケ

札幌モエレ沼公園のロケでは札幌マイレオニーの仕切りのもと、大勢の子供たちもエキストラに参加してくださった。

昼食に美味しいカレーを提供してくださったのは
モエレ沼公園の中にあるレストラン「ランファン・キ・レーヴ」さん
東京から駆けつけたマイレオニーの幹部連は完全に旅行気分
こんな学生ボランティアもいてくれたのね。まったく気づかなかったけれど
札幌に来るたびお世話になった洞爺湖の宮田さんとお友達の皆さん
わざわざ東京から陣中見舞いに来てくださった吉行和子さんのお姿に感激!
マイレオニーの何よりの楽しみは、再会のたびの酒宴なのでした
私の高校時代のお友達も「モエレが見たい」と見学に来てくれ、一堂揃って札幌大宴会!

つくば市・NHKワープステーション

前のシーンの撮影がなかなか終わらず、支度をして夕方まで待ち続けた末
「日没中止」になってしまった気の毒な方々
映画の結髪さんたちはエキストラの支度にもけっして手を抜きません
美しく結い上がった丸髷
右の二人、実は母と娘です
芝居見物のご夫妻ですか?よくお似合いで
日本橋の老舗扇子店伊場仙の社長(左)と詩人(右)は早稲田の同窓会”稲門会”の重鎮
二人の吉田さんに挟まれて接待役とエキストラの兼務で奮闘する事務局長の脇田さん
日本橋の呉服店前。エキストラの皆さんに演技をつけるのはすべて助監督さんの仕事です
マイレオニーのリーダーたちも芸者や扇子屋の店員役で出演しました
こちらは親子でエキストラ体験かな?
アメリカのプロダクションデザイナー、ジャイルス・マスターズもロスから駆けつけてくれて
中村獅童さんのクランクアップも全員で祝いました

ここから先は

0字
1.映画監督松井久子と読者との双方向コミュニティに参加できる。2.ワークショップ(書くこと、映画をつくることなどの表現活動や、Yogaをはじめ健康維持のためのワークショップに参加できる)3.映画、音楽、アート、食と暮らしなどをテーマに一流執筆人によるコラム。4.松井久子が勧めるオンライン・セレクトショップ。

鏡のなかの言葉(定期購読)

¥1,000 / 月 初月無料

映画監督松井久子が編集長となり、生き方、暮し、アート、映画、表現等について4人のプロが書くコラムと、映画づくり、ライティング、YOGA等の…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?