迂回は辛しまた楽し〜ハノーファーに辿り着きたい〜②
前回、成田からハノーファーへの中継地、ロンドンで飛行機がキャンセルになり空港でスタック。前回の記事参照。どうなる、わしのハノーファー行き…。
2022年6月30日、ロンドン、ヒースロー空港。飛んでくれ、飛行機。
空港のベンチの上で宿泊し無事に朝が来た。実に体は重たいがそれを感じる余裕はあまりない。一緒にカウンターの列に並び、ベンチに隣り合って寝たクレア(仮名)とは互いの健闘を祈り合い別れた。
クレアがいなかったらきっともっと心細かっただろうと思う。
今日、私はJALのカウンターに行って、ハノーファー行きのチケットを今度こそ再発行しなければならない。
しかし本当にJALカウンターは開くのか。ごく小さいカウンターで、恐らく普段は閉まっている。
ターミナル移動のため電車に乗り辿り着いたJALカウンター。やはり閉まっている。電話が置いてあり、内線かもしくは欧州用の問い合わせ電話にて対応してくれるようだ。それぞれ11時か11時半か詳しくは忘れたがそれくらいから電話が通ずるようなので、ロビーで寒さと不安と戦いながら時間を待ち、電話した。
繋がらない。
何十分待っても繋がらない。JALの会員じゃないから繋がらないのか(事前に番号を押した。うろ覚え。多分)?それとも自分みたいな人がたくさんいるのか?ちなみに、この時点で私は日本のスマホ会社を解約していなかった。でもそれが高じて1日料金割高だが電話を掛けることができた。本当は東京滞在中に時間が合わなくてできなかっただけだけど。(オンライン解約をできる時間が決まっている。)
本当に掛からなくて泣きながら友人に電話を掛けた。できないよ〜〜〜〜つって泣いた。なんとか落ち着いたので今度は内線に電話。掛からない。
あああ〜〜〜〜もうどうにでもなれ〜〜〜〜
つって、JALカウンターすぐ横に昨晩リブック断られた場所とは違うブリティッシュ・エアウェイズのカウンター(少し高級げ)があったのでそこに殴り込みに行った。
「どうすりゃいいの!!」って涙目で訴えた。
なんか権力持ってそうな感じの従業員は私のチケットを「ふ〜ん」って顔で眺めて、
「おっけ〜いま発行するねん」
つってあっという間に新しいチケットを発行した。
んあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜できるんかい!!!!
昨日の別の従業員はこのJALで取ったブリティッシュ・エアウェイズの乗り換え便の扱いがわからず、別の場所に電話して質問していたが恐らく分からなかったので「できない」と言って匙を投げたのだろう。
そう言えば、ヨーロッパでは職員によって言うことがコロコロ変わるが、「わからない→多分出来ない」っていう態度も多いことを思い出した。(私感です。)
たまたま私が話しかけた人はなんかそこそこ職歴が長そうな雰囲気を醸し出していた。
その職員はニコニコと「ちょっと待ってね」と言って空港内で使える食事クーポンを渡してきた。「こちらの都合でキャンセルになったからねえ」と言う。
(とっても良いものみたいに渡してるけど、昨日も列でこれ配ってたの見たな
一部人間には届いてなかったが…私とか…。)
なんだこの急な好転は…。ひどく安心した。
(今後、このような「出来ない」→「あっさり出来る」トランスフォームがドイツにて多多起こるのである。)
ということで私の道行は明るいぞ〜〜〜〜
るんるんでまた友人に電話をして、空港内ビデオツアーなどを催した。
クレアにも「取れた!」って連絡を入れた。
新しい便は昨日の出るはずだった便と同様の時間で18:45。それまでは空港をウロウロしたりして時間を潰すことにする。
さあさあ時間も近付いてきて、搭乗ゲートが電光掲示板で表示された。
飛びそうだな…!^^
んん…?なんか、遅延するって書いてない…?
んまあ、飛ぶっしょ…遅延くらいはね…
しかし待てど暮せど飛ばない。
この場で仲良くなったのであろう客同士が話している。
「もし飛ばなかったらさ、みんなでホテル取ってパーティしようよ〜」
「いやいやなんてことをww」
「冗談よ!HAHAHA」
まあ、まあ、まあ、飛ぶっしょ。なんかそんな予感がするんだ。早くハノーファーの友人に会いたいな。
飛ばなかった!!!
22時を過ぎても飛ばず、遂に今日も飛ばない旨がアナウンスされた。
飛び交う怒号。
泣き喚く人。
みんなキレて従業員に詰め寄る。
従業員はキャンセルになった場合の手引きと食事クーポンを配っている。
為す術なしだ。私は泣きながら今日ハノーファーで泊まらせてもらう予定だった友人に飛ばない旨を電話した。
近くにいた人に「どうするの」と聞いた。ホテルを取ると言うので一緒に行くことになった。この人を仮に「ソーヤ」と呼ぶ。
しかし、何もこんな遅くまで引っ張ることないでしょ…と思いつつスーツケースを回収しに行く。ロストバゲッジでないといいな…。
幸いにも荷物はちゃんと出てきた。元々ハノーファー空港まで友人が迎えに来ることになっていたので頼る気満々で、私はくそ重でけえスーツケースを二つ持っていた。ソーヤも二つ持ってる。
スーツケースが出てくるベルトコンベアの横で私たちはPCを開いてホテルを探した。この時間(22時半頃)に空港周りだ。ほとんど埋まっている。少し遠い場所に僅かに空いている場所があった。二人でタクシーに乗って向かうことにした。
わりかし高いホテルだったこともあってぺっかぺか。ていうか家具が全部でけえ。
こんなホテルに泊まるこたああんま無えのでゆっくりしたいところだけど、今現在夜1時を回っていて、チェックアウトは明日午前11時。明日の予定は決まっていない。早く起きて色々調べた方が良さそうだ。
ソーヤは2日後にまた同じ便が出るらしくそれを取ると言っていた。私はもう飛行機なんぞ信用できない。こりごりだ。陸路でハノーファーまで行くことに決めた。
肝心なのはそのルートだ。明日の朝調べることにしてとりあえず眠ることにした。
2022年7月1日、さあどうする
早朝。思えば飛行機から空港泊、しばらく椅子でしか寝てない。久しぶりの(フカフカ)ベットなのに、4時間ほどしか寝れなかった。朝食は豪華なブッフェ。パイロットらしき人たちが結構いる。
この日はWG(ドイツのシェアハウス。家が基本的に広いので誰かと住む場合が多い。私はアプリで見つけた。)の入居日だったので、まだハノーファーに辿り着けない旨は連絡した。
そして陸路を調べたらイギリスからの陸路はユーロスターでフランスまで行き、ベルギー、ブリュッセル経由でハノーファーまで行けるみたい。
これで行く気満々だったけど、なんとユーロスターの予約がいっぱい。昨日の夜チラッと見た時はあった気がしたんだけど。みんな飛行機飛ばなかったの?
ソーヤは航空会社に代金は請求するし今日は飛行機ないしもう一泊すると言っている。
うーん…
私はとりあえずフロントに部屋があるか訪ねることにした。
フロントの人はえっらい親切で、電車で行く場合のおすすめ経路などを調べてくれた。さすが高級ホテル。しかしやはりユーロスターの予約が取れないことには陸路でイギリスから出れない。すると、
「フェリーでフランスまで行く手もあるよ?」
と言われた。「ええ〜〜〜〜??」
と最初は思った。
しかし不思議と段々その気になってくる。飛行機飛ばなくて、フェリーでフランス?おもしろくない???
どうせ大変なら面白い方を選ぼう!と、とりあえずフェリーでイギリスを出ることを決意した。
(つづく)
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