大坂なおみ選手に勇気をもらう

昨日、テニスプレーヤーの大坂なおみ選手が全米オープンで優勝した。おめでとう。本当におめでとう。

8月末に彼女がTwitterに投稿したこのテキストを読んでから、大坂なおみ選手のことがずっと私の心を離れなかった。

こんにちは。多くの皆さんもご存じのように、私は明日(27日)の準決勝に出場する予定でした。しかし、私はアスリートである前に、一人の黒人の女性です。黒人女性として、私のテニスを見てもらうよりも、今は注目しなければいけない大切な問題があると感じています。私がプレーしないことで劇的に何かが起きるとは考えていませんが、白人が多い競技で議論を始めることができれば、正しい道へのステップになると思います。相次いで起きている警官による黒人の虐殺を見ていて、正直、腹の底から怒りが湧いています。数日おきに(被害を受けた人の名前の)新しいハッシュタグをつけ続ける状況に苦しみ、疲れています。そして、同じ会話を何度も何度も繰り返すことにとても疲れてもいます。いったい、いつになったら終わるのでしょうか?
(2020/8/27 朝日新聞DIGITALより引用)

「私はアスリートである前に、一人の黒人の女性です」。

そう言われてハッとした。まるで、たった今思い出したかのように。事実、私は忘れていたのかもしれない。あるいは、見えないことになっていたのかもしれない。何かが麻痺していたのかもしれない。単に、無知だったのかもしれない。

Before I am a athlete, I am a black woman.

どうしてだろう? このシンプルな言葉を読むたびに、なんだか泣きそうな気持ちになるのは。自分の真実をまっすぐに伝える彼女の勇気がここにある。その勇気に触れて、私の全身が泡立つような感覚がする。

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前回の記事で、これから自分の仕事を始める自分に向けて、ビジネスで伝えるべきは「理念」だと書いた。どういう世界を作りたいかというビジョンを、勇気を持って掲げよう、と。そんなふうに書いた原動力のひとつが、大坂なおみ選手だった。彼女のアスリートとしてのあり方は、まさにビジョンを持って仕事をしている女性そのものだった。私は彼女の姿に勇気をもらった。

スーパースターの大坂なおみ選手が自分のビジョンを掲げてテニスをプレーをする。名もなき一個人事業主の私が自分のビジョンを掲げて仕事をする。自分のビジョンを掲げる多くの人たちが、それぞれのビジネスを始める。それが当たり前になったら、アスリートが政治的な問題を口にしてはいけないと批判をする人はいなくなるのではないかと思う。


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