読書記録100(事実はなぜ人の意見を変えられないのか)

・運動が身体に良いというのはたくさんの研究で立証され、信じている人もたくさんいるが、悲しいことにその知識だけで人々を歩かせたり走らせたりすることはできない。
・自分の意見を否定するような情報を提供されると、私たちはまったく新しい反論を思いつき、さらに頑なになることもある。これを「ブーメラン効果」という。
・反対意見をもつ人々は頭から拒絶するか、必死になって反証を探そうとする。変化をうまく導くには、ゆえに共通の動機を見出せばよい。共通の目的を見つけたら次に必要なのはメッセージが伝わるように感情に働きかけること。
・影響を与え合う最も強力な方法の一つが、感情を用いること。アイディアを共有するには時間と認知的な努力を要することが多いが、感情の共有には時間も手間もかからない。あなたが無意識に得たその感情は、周囲の人々の感情に影響を及ぼし、周囲の人たちの感情もまた、あなたの感情に影響を及ぼす。
・感情は伝染する。他人は瞬間的に、また無意識のうちに絶えずあなたの感情を受け入れ、行動に変換する。私的な感情を表しただけで、他人の感情が誘発されることを心にとめよう。
・注意や警告ではなく、ポジティブな戦略を用いて行動を誘発しよう。人の行動を変えたいときは本能を抑え、代わりに即時の報酬を与えるなどポジティブな戦略をとるとよい。
・他人の行動を変えたければ、コントロール感を与えるべきである。主体性を奪われたら、人は怒り、失望し、抵抗するだろう。選択肢を与えられたら、たとえそれが仮定の話でも、コントロール感は増大し、それによって人々の意欲は高まる。
・人間は生物学上、自分がコントロールしているときは満足感という内なる報酬を受け、そうでないときは不安という報いを受けるようにできている。
・コントロールを委ねることで、もしくはコントロールしている気持ちにさせることは、最終的には人を行動させるうえで最善の方法になる。
・知ることの利点は、不確実なことへの不安を減少できるかもしれない点にあるが、知識の代償は、自分が信じたいことを信じる選択肢を失うことである。
・悲劇的な知らせがほぼ確実にならない限り、人は不快な情報を避け続ける。そして気づいた頃には、誤った決断をしてきたことの代償が、悲惨な現実を知らずにいる利点を上回っている。
・他人の選択や行動を自らの手引きにしようとするときは、注意が必要である。意識的に他人の意見を参考にする場合は、それらのレビューが思うほど正確ではない可能性に留意する必要がある。



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