見出し画像

団子の裏面は、百面相!


「気持ちは嬉しいけど、和菓子よりも洋菓子の方が好きなんだよね」

明日からG.W.を控え、楽しみの一つに!
と団子を妻にお土産に渡したところ、
こんな返事が帰ってきた。

「せっかく買って来たのに……」
と思いつつも、
やっぱりという気持ちもあった。
薄々は気付いていたんだ。

本音を言えば、自分が食べたくて
「お土産だよ」と言って
持って帰ってきたのだ。

念の為に、
レアチーズケーキも買って来たのだ。
チョコ味と博多あまおうのやつも。
なので、何とか体裁は保てたようだ。

お腹が減っていたので、
夕食前に団子を食べようと、
箱から2つ取り出す。

白とよもぎの団子。
どちらの上にも、粒あんがのっている。

私はどちらかというと、
こしあんより粒あん派だ。
なので、度々粒あんを選んでは持って帰る。

お気に入りの備前焼の角皿に載せて
しばらく眺めて写真を撮る。

もちろん、バリバリ映えを意識した。
後でFacebookにも上げるためだ。

まずは1本目。
白の団子を手に取る。
全部で3玉刺さっている。

フィルム包装をスルッと剥がす。


が、裏面に差し掛かったところ
ビヨーンと団子の表面が伸びるではないか。

包装を全て取り、置いてから一口。
隣の団子もくっついて来そうだが
何とか一個頬張った。

「んん、美味い」

あんこの甘さが直にくる。
思わず目を瞑った。
うっとりするこの味。

その後に団子の米の味。

やはり美味い。
すぐに、二個、三個と食べてしまった。

次は、よもぎだ。

同じ様に手に取り、
フィルムを剥がそうと
何の気無しに裏面を見る。

おおお、茶色い焼き目。
黒の焦げ目。
そして、緑のよもぎ。

何ともいい表情をしている。
バランスいいし、網目もチャーミングだ。

これは、フィルム越しではなく
生で見たい。

早速剥がしにかかる。

上の部分と側面は難無く剥がれた。
問題はここからだ。

裏面は、フィルムとのくっつき面積が最大。
しかも、出来上がって包まれてから
今までずっとくっついている。

慎重に剥がしにかかる。
ふっと息を吐く。

そおっとだ。
いけるか?どうだ?

いかん、少しくっついてきた。
やめろ、くるな。

よし、上手くいった!

ようやく出会えた、この裏面。
やはり表情が面白い。

普段、団子は上から見ることが多いが、
裏面も表情豊かではないか。

まるで、百面相。

もしかしたら、
団子の個性は裏面にあるのかも。

剥がせた満足感と
焼き目を楽しんだ後は、
お待ちかねの味わいタイム。

ぱっくりと一本平らげた!

次の団子に会うのが楽しみだ。
どんな表情を魅せてくれるのか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?