見出し画像

がんと『笑い』

---------------------------------------------------
▼皆さんは一日に何回くらい『笑って』いますか?
---------------------------------------------------
赤ちゃんは1日に400回くらい笑うとされています。
それが大人になると、1日平均15回くらいだと言われています。
さらに、
50代になると7.1回/日、
70代では2回/日なんて報告もあったりします。

●1日2回って、逆にどういうときに笑っているのかが気になります。

「仕事が忙しくて笑っている時間なんてないよ!」
「人間関係に疲れて、笑顔なんてしたくてもできない!」

「がん」になろうものなら、さらに気分が落ち込み、『笑い』の回数はさらに減ってしまっている可能性もありますよね。

---------------------------------------------------
▼『笑い』に関する研究
---------------------------------------------------
山形大学医学部の研究で、笑う頻度と死亡や病気のリスクを分析したものがあります。
その結果、良く笑う人に比べて、ほとんど笑わない人はなんと死亡率が約2倍も高かったらしいです!

『笑う』だけで、死亡する確率が低下するなんて、すごくコスパがいいですよね!
一円もかかりませんし、副作用もない!

死亡率が下がるだけではなく、血糖値が低下したり、リウマチの痛みが緩和したり、脳の機能が活性化したりする効果も実証されています。
『笑う』だけで、頭も身体も健康です!
どんどん笑っていきましょう!

『がん』にとっても、『笑い』はたくさんのメリットがあります。

笑医塾という塾(セミナー)を開催されている高柳先生に研究をご紹介いたします。
手術もしくは抗がん剤治療を受ける大腸がん患者さんに対して、笑医セラピーを受ける群と受けない群で、総合的な免疫力を比較した。
その結果、手術症例では、セラピーを受けなかった群では全例低下した。笑医セラピーを受けた群でも手術の侵襲のためか、総合免疫力は低下したが、維持された症例もあったとのこと。
また、抗がん剤症例では、笑医セラピーを受けた群では受けなかった群に比べて統計学的に有意に総合的な免疫力が上昇したとのこと。
がん治療に『笑い』を取り入れるだけで、免疫力が上がるのであれば、メリットしかないかもしれません。

また、「なんばグランド花月」で、がん患者さんを含む方々に漫才、漫談、吉本新喜劇を計3時間鑑賞してもらい、その前後で血液中のNK細胞の活性度などを調査したというものである。
その結果、開始前に基準値より高かった人は、半分がさらに上昇し、もう半分は低下した。
しかし、開始前に基準値より低いか基準値内だった人は、全員が上昇したというものであった。
免疫細胞の中でも、特にがん細胞を攻撃する力が高いNK細胞の活性が低いなぁ~って思う人は3時間お笑いを鑑賞すると十分な活性をえることができるようですね。

もう一つ、大阪国際がんセンターで行われた研究をご紹介いたします。
病院内のホールで、合計8回のお笑い舞台を実施し、それを楽しんだ患者さんの心身の変化を測定するという研究です。
お笑いの舞台では、落語家さんや吉本興業や松竹芸能のお笑い芸人さん達が『笑い』の演芸を披露したようです。
さすが大阪!
今回の研究では、単発の笑いの効果ではなく、定期的に『笑い』に接することでどのような効果があるかを調査したものです。
その結果、お笑いの舞台を鑑賞した群では、「緊張」「抑うつ」「怒り」「混乱」「疲労」「活気」の6項目すべてで改善が認められたとのことです。
さらに、免疫を高めてがんを抑える作用を持つとされるIL-12B(インターロイキン12B)を出す能力が1.3倍になったとのことです。


『笑い』ってすごくないですか!
免疫力は高まるわ、生活の質(QoL)は高まるわ
もう笑わない理由はありません。

---------------------------------------------------
▼とはいえ、どの程度笑えばいいの?
---------------------------------------------------
腹の底から笑うような『大笑い』や感動を伴うような『笑い』の方が、小さな『笑い』より効果が高いといわれています。

そうはいわれても、多くの人は
「最後に腹の底から笑ったのなんていつだろう?」
「大人になってからは、そんな風に笑えていないかも?」
なんて感じたりしているのではないでしょうか?

---------------------------------------------------
▼そもそもなんでそんなに『笑い』が良いの?
---------------------------------------------------
『笑う』ことで、体内のいろいろなホルモンに変化が起きることがわかっており、中でも幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや脳内麻薬ともいわれるエンドルフィンなどが分泌され、幸福感、多幸感がもたらされるからとされています。

幸せホルモンであるセロトニンは、『大笑い』でしか分泌されないわけではなく、小さな笑いでも分泌されますし、『楽しい』とか『幸せ』と感じていない状態でも口角を上げて笑顔を作るだけで分泌されるんです。

つまり、『つらい』『苦しい』『ストレスだ!』という時でも、口角を上げて笑顔を作れば、幸せホルモンが出てきて、そのつらい感情を和らげてくれるというわけです。

---------------------------------------------------
▼笑顔少なくなってしまっていませんか?
---------------------------------------------------
『がん』になると、自分からも周囲からも『笑顔』が少なくなってしまう方が多いです。
「いつも『がん』がちらついて、物事を楽しむことができない」
「旅行に行きたいけど、治療もあるし、副作用も心配でなかなか思い立てない」
最近ですとこんなのもありますね
「コロナが心配で、人混みには絶対にいけません!」

自身はOKでも、周囲の人からこんなことを言われてしまう人もいるようです
「あなたは『病気』なのだから、そんな遊んでいる余裕なんてあるの?」
「出かけてばかりいないで、家でおとなしくしていた方が良いんじゃないの?」
「自分が楽しんでいるヒマがあるなら、家族の心配もわかってあげて・・・」

---------------------------------------------------
▼そもそもなぜ『がん治療』を受けているのでしょうか?
---------------------------------------------------
きっと笑顔を取り戻すためなんじゃないかなって思っています。
自分自身もだし、家族の笑顔もですね。

まずは一日一回、口角を上げてみるところからはじめてみませんか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?