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モントリオール交響楽団 展覧会の絵 アメリカ・オーケストラ漫遊(24), Montréal, Quebec, Canada

 アメリカに住んでいる間にぜひ行ってみたいと思っていたカナダ・ケベック。3泊4日でモントリオール、ケベックシティの2都市を訪問した。
 空港到着予定からコンサート開演まで2時間だったので、飛行機の遅延がないこと、入国審査がスムーズであること、ダウンタウンまで無事行けることなど、心配だったが全て特に問題なく、無事ホールにたどり着くことができた。
 デトロイトーモントリオール便は2列x2の小型の機体で2時間ほど。モントリオール国際空港(YUL)の入国は事前のETA申請は必要だったがほぼ自動でとても便利、スムーズだった。
 モントリオールのダウンタウンは空港から高速路線バスが頻繁に運行されており、ダウンタウンの24時間パスを買うことで乗ることができる。途中までしか行かないバスだったらしく、地下鉄に乗り換えが必要だった。モントリオールの市街地は地下道が張り巡らされており駅から寒い外を歩くことなくホールまで行くことができた。
 外は凍てつくような寒さで街から30分くらい歩いて登る山にある公園は、市街地からセントローレンス川までを見渡すことができ、クロスカントリースキーを楽しむ市民の憩いの場にもなっていた。

2024年2月17日 モントリオール交響楽団

2/17/2024, Sat, 2:30 pm, @ Maison symphonique de Montréal, Quebec, Canada
Orchestre symphonique de Montréal
Eun Sun Kim, conductor
Louis Lortie, piano


  • Variations sur un thème de Haydn, op. 56a / Brahms

  • Rondo en ré majeur, pour piano et orchestre, K. 382 / Mozart

  • Ballade, pour piano et orchestre, op. 19 / Fauré

  • Tableaux d’une exposition / Moussorgski

 今回のホールは箱型で座席は3階のテラス席。テラス席は1列で一人ひとりに独立した椅子があてがわれて、隣を気にすることなく快適な席だった。音の聞こえ方についていえば、音量は十分、バランスは特に協奏曲のピアノの音がとてもよく抜けてきていたのが印象的だった。ピアノの弦が直接見えていたので反響版を通さずにダイレクトに聞こえていたのかもしれない。舞台と同様に一階客席をも見下ろすだったので客席のノイズもそのまま抜けて聞こえてきてしまって、少し落ち着かない感じがした。
 指揮者のEun Sun Kimは、今年NYP(ニューヨークフィルハーモニック)、ミネソタ管弦楽団など有名オーケストラのデビューを飾り、ブレイクしている女性指揮者だ。アジア系の人が頑張っているのを見ると応援したくなる。
 ブラームス、ハイドンの主題による変奏曲、いわゆるセント・アンソニー・ヴァリエーション、私は吹奏楽の最初のコンクールで自由曲だったので思い出深いが、聴きやすいコラールの主題が同じなだけで他は全然違うじゃないかと当たり前のことに気づいてしまった。でも初めて生で聴くことができて、途中の多くの変奏までの理解には及ばなかったが、楽しめた。
 ピアノは休憩前のモーツァルトと休憩後のフォーレの短めの2曲だった。時代も全く違う2つの作品を同じコンサートで聴けたのはとても興味深かった。その点今日の前半はドイツ、オーストリア、後半はフランスという位置付けだったのだろうか。
 「展覧会の絵」はもう何度も聴いているけれど、今回舞台で目立っていたのは長いチャイムだろう。ドラのようでもあり、鐘のようでもあり、不思議な音だった。奏者の身長よりもはるかに高いので高い台に乗って叩いていた。トランペットのソロは音の揺らぎが心地よかった。ビドロのソロはF Tubaでの演奏、Euphoniumと比べると深みのある音だった。楽章間の長さがちょうど残響がなくなった静寂を確認しているようで心地よかった。終楽章「キーウの大門」もとても気持ちいいフィナーレだった。全体にとてもまとまった演奏だったが、予想を超えて素晴らしいというほどではなかったというのが正直な感想だ。
 Kimの演奏はまた3月にミネソタ管弦楽団で聴く機会があるので楽しみにしている。

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