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結婚式で神父をやった話

先日、親友の結婚式に出席した。

人前式というものをするということで、新郎新婦から誓いの言葉を話してくれと頼まれた。
私は人前に出て話すことが苦手だし逃げてきた。高校時代、部活で市長挨拶に行った時、1人で話す機会があり、その時にとんでもなく声が震えて、友人にバカにされたのを今でも覚えている。

2人も断られるかなと思いつつも頼んだと言っていた。
しかし今回の私は二つ返事で了承した。
理由は3つある。
1つ目は、親友が私がやってくれたら1番いいと思ってくれて、頼んだわけだから、彼らにとっての完璧な結婚式にするには、私がやらなければという、応えなければという気持ちがあったからだ。
2つ目は、新郎新婦にとっての誓いの言葉が私以外の人との記憶になるのはなんか癪だなと思ったからだ。
3つ目は、こんないい機会、みすみす逃すのは勿体無い。いい経験ができる、これで断ったら後々後悔するなと思ったからだ。

カンペもあるし大丈夫だろうと思い当日を迎えた。
リハーサルがあり心の準備もできた。
少ない時間だったが、問題なく大役を務め切れた。ホッとしたと同時に、断らなくて本当に良かったと思った。
新郎新婦からも、「めちゃめちゃ良かったありがとう」と言ってもらえて満足げな顔に安堵した。

断らなかった理由を3つ挙げたが、正直なところ3個目の理由が1番大きかった。
断って他の人が誓いの言葉を述べていたことを想像したら、おそらく後悔するだろうなと容易に想像できた。
断るとしたらその理由は、失敗したり、緊張したり、どうみられているかなど、恥をかきたくないという目的を達成するためだ。
相手の目線を気にしてしまう故に生まれる感情だ。
その目線が本来どんな感情を持っているかなど、私が考えたところで、何も起こらないし、変わらない。
それなら、快く引き受けて、自分なりに心を整えて成功させるという目的にしてしまえばいいと考えた。また、失敗など誰も覚えていないし、そもそも今回の主役は新郎新婦だ。と冷静に考えた時に、やる以外の選択肢はなかった。

このように、過去を振り返ってうまく行かなかったときや、苦手なことから逃げる自分から、冷静に考えて人前に立つことを選ぶことができる自分に、少し成長を感じた。
そんな成長を感じさせてくれた、新郎新婦には感謝しかない。
ありがとう。

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