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「ターン」 北村薫

一番最初に読んだ北村薫作品。

買ったきっかけは、新潮文庫の読んだ本の冊数でプレゼントが貰えるキャンペーンで、そのキャンペーンの冊子に紹介されていた本のあらすじを読んで、面白そうなのを選んで買った中の一冊だった。

時と人三部作の中で一番好き。

物語の中に出てくるモチーフが好きで、特に銅版画の描写は実際にどうやって作業しているのかとても興味があって、映画化された時に旅行ついでに横浜まで観に行った。映画も素晴らしかった。

フウの木のくだりも可愛い。
言葉遊びのようでほんわかしていて素朴だけど、「お前は誰だ」の流れで、キュッと気持ちが引き締まる展開がなんとも言えず好き。
その、フウの木の話しの影響で、歩道を歩く時に街路樹の木の名札を見るようになった。
通勤中の歩道にフウの木を見つけた時は嬉しかったな。
そして、真希みたいに、「読んでた本の中に出てきた木が本当にあったんだよ」って誰かに言いたいな、と思った。

川上弘美さんのあとがきに書いてあるように何度も読み返したから、表紙が破れてベージュの中身むき出しで本棚に並んでる。
本好きな人に怒られそう…。

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