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きららと音MADの関わりについて

はじめに

…というわけで、こちらは東京大学きらら同好会 Advent Calendar、22日目の記事となります。以下、本サークルを表す際には「東大きら同」を用います。
前日の21日はエクトぷらずまさんの「きららパズル部について」です。
拝読させていただきましたが、パズルの奥深さを少し知れた気がしました。
(掲載されていた僕の記事の紹介文を見て、「そんなに期待されていたとは知らなかった!!!」と俄然執筆意欲が湧き、無事締め切りに間に合わせることができました。エクトぷらずまさんありがとうございます!!)
明日の23日は竹麻呂さんの「同人即売会用レジアプリを開発している話」です。きらら同好会の電子決済システムを作ろう、というおはなし。

はい、どうもこんにちは。
東京大学きらら同好会ってとこに所属してます比類と申します。
きら同で特にこれといった活動ができていなかったので、この記事が最初の活動らしきものになります。

タイトルを「ぼくときららとおとまっど」にしたら最高に語呂がいいことに今さら気づいて泣いてます。
また、記事の投稿日時が00:00と、音MAD合作みたいになってることに気づいて感動してます。

そもそも音MADってなんなのさ

さて、タイトルに掲げた「音MAD」なるものについて。
「おとまっどって何?」って人がいるやもしれませんので、簡単に説明しておきます。
(まあ、そもそもこの記事を読んでいる時点で音MADに関して多少知識はあるのでしょうが…)

まずは定義について確認してみましょう。

音MADとは、音楽のリズムを合わせたMADである。

――ニコニコ大百科「音MAD」より引用。
ネット記事での引用はALESSと違って楽でいいですね。

…MADって?

MADとは、動画や音声を編集、改編し新たな意味を付加された動画や音声のことを指す。つまり、二次創作物である。

――ニコニコ大百科「MAD」より引用

…とかく定義は抽象的でわかりにくい。具体例から入りましょう。

以上に挙げたのは、僕の考える「有名どころ」の音MADです。すなわち、音MADを普段あまり見ない人でも、1つくらいは見たことがあるだろう、というメジャーなものです。特徴としては、「世間的によく知られた素材(=動画のネタとされるもの)」と「世間的によく知られた曲」の組み合わせです。そして、こういう類のものは得てして再生数が多い傾向にあります。まあ、当然っちゃ当然ですが。

以上の動画を見ていただくことで、音MADがどういうものなのか、雰囲気は掴んでいただけると思います。まあ、有り体に言えば「アニメとかテレビ番組とかを使ったおもしろ動画」です。

ここで音MADに興味が湧いてきたよー!!という人は、東京工業大学デジタル創作同好会所属のUzakiさんが執筆されている「あなたの知らない音MADの世界」を読むと、より理解が深まると思います。
(この記事の導入部分で用いられている「僕の人生の半分くらいを構成している『音MAD』」という文面、なんか好きなので僕も使っていきたいです。)

なぜ「きららと音MAD」?

理由は2つあります。

理由その1:東大きら同内で音MADに関して一番知識があると(勝手に)思っているから

おそらく、ですが。
本当に「僕の人生の半分くらいを構成している」んじゃないかってくらいこれまでたくさん音MADは見てきましたし、いわゆる「音MAD界隈」に片足どころか両足すら突っ込んでた時期があったので、一定程度の知識は持ってるつもりです。

ちなみに、音MAD界隈に潜ってると、時代の流行りを一足早く知ることができるのでなんか得した気分になれます。(早く創作活動再開したいな…)

理由その2:きらら関連で他に語れるものがなかったから

僕、東大きら同の他の会員さんたちと比べると、原作を極めている感じではないんですよね。前日の記事において「私のサブカルチャーの知識はほとんどが『あ、これ音MAD素材で見た!』で構成されている」とおっしゃっていたエクトぷらずまさんと似たような感じで、僕のきらら系アニメの知識は、そのほとんどが音MADで構成されてます。今僕が知っているきらら系アニメの概略(どういうキャラクターが出ているのか、など)は、音MADを通じて知ったものが多いです。
ですので、それぞれのきらら系アニメに関する深い知識はありません。
でも、Advent Calenderでなにか書いてみたい、という意欲はあった。
だから、理由その1でも述べたように、知識を持っていると誇りを持って言える「音MAD」に絡めて記事を書くことにしたわけです。

本題

きらら系アニメのタイトルを調べる際、こちらのサイトを参考にしました。

本題(1):きらら系音MADの歴史

年を追って見ていこうと思います。

検索対象サイトはニコニコ動画です。(音MAD文化の根付いた動画サイトってイメージがあるので)
検索には「otomad-search」を使いました。
以下で、「〇〇年:△△件」のところをクリックすると検索画面に飛べます。
また、検索方法は、「(その時点で放映されているきらら系アニメのタイトル) 音MAD」で日時指定してタグ検索しました。そのため、複数のきらら系アニメが使われている音MADは(特定のアニメのタグが付いていないことによって)検索に引っかからなかった可能性があります。
加えて、アニメ単体のタグで検索したときに、音MADが一つも見当たらない、あったとしても数件しかないようなきらら系アニメ(ドージンワーク、かなめも、芸術家アートデザインクラス、あっちこっち、わかば*ガール、城下町のダンデライオン、三者三葉、こみっくがーるず、はるかなレシーブ、へやキャン△、球詠)は除外しています。

2007年:0件

まだこの頃はニコニコ動画自体が黎明期だったので、しょうがない節はあります。

2008年:4件

すべてひだまりスケッチの音MADです。「?でわっしょい」MADが2件ありますね。

2009年:52件

一気に増えましたね。けいおん効果すごい。見た感じ、音MADの定番曲で一通り作られてるみたいです。

2010年:56件

前年とさほど変わらないのは、前年からきらら系アニメの種類が増えなかった(依然としてひだまりスケッチとけいおんの2つのみ)のと対応してる気がします。

2011年:178件

また増えましたね。やはりまどマギは偉大。この頃から再生回数が6桁台7桁台(ミリオン)に乗るような音MADが出てきます。

2012年:185件

キルミーが加わったにも関わらず(よければいいのにロジック 【キルミーベイベー】)、前年とあまり変わりませんでした。まだまどマギが覇権握ってる感じです。また、この頃に死ぬしかないじゃないシリーズが流行りました。「?で死ぬしかないじゃない」とかめっちゃ伸びてますね。素材と曲、どちらもきらら系ってのがまたなんとも。

2013年:298件

またまた増えましたね。ゆゆ式(ゆずこ「クリスマス唯ちゃんち、おちんちん持って行きましょうか」)、きんモザ(デース デース デース)の2つが加わったのが大きいでしょう。「何もあげられるもの無いから○○を歌うよ」もこの時期に流行ったんですねー。ちなみに、おなじみベンキョーベイベーが出たのもこの年です。

2014年:244件

きらら系アニメでも音MADにされがちな(と勝手に思っている)ごちうさが加わりました(セロリタベテル!)。まどマギもまだまだ衰えていません(ほむらちゃんごめんね私DJになる)。

2015年:348件

100件ほど増えました。がっこうぐらしOPの音MADが散見されますね(がっこうおちた!【がっこうぐらし!OP×Z会】など)。動画が作りやすいからかな。Z会とデスノートがそれぞれ被っちゃってるの好きです。

2016年:345件

この年は豊作だったと個人的に思っていて(というのも音MAD界隈に本格的に関わりだしたのがこの年で、記憶に残ることが多かったから)、H.T.ココアはフルフルなのか?最終鬼畜和菓子宇治松・C【音MAD】とかChilled Ayayaとかはなるほどこういう風な技巧があるのかーなんて感心してましたし、キルミーベイベーで覚える英会話とかめっちゃ実用性あるじゃんと思ってました。ただ、この年から加わったNEW GAME!とかステラのまほうとかは再生数上位のものが見受けられないですね…

2017年:248件

ここいらの年になってくると、もう大体再生数上位の音MAD素材が固定されてきている感じがありますね。キルミーとか(キルミーエンド・ダンスホール)、きんモザとか(ダンスソワソワダンス)。あと、こんなものも流行ってましたね。当時は、この動画を期に界隈から世間に飛び出していったアッコさんを、温かい目で見守っていました。

2018年:198件

全体として再生数は伸び悩んでいますが、「ユズコサンユズコサン」とか「キルミニッツ」とか、なぜもっと伸びないんだと言いたくなるような音MADがたくさん転がってます。

2019年:212件

出ました。
存在するだけで素材になるネタマシマシのアニメ、まちカドまぞくの到来です。デ・ジ・キャラットと同じ監督の方が作られているだけあって、とても似た雰囲気が感じられます。(最近デ・ジ・キャラットの音MADが流行っているのは、まぞくの流行りが伏線だった……!?)
再生数の上位占めちゃってます(「ナニコレナニコレナニコレナニコレェェェェエエエ!!」、「Cynical Mazoku」など)。

2020年:334件

依然まぞくが覇権握ってますね。「テトリスまぞく」とか。
また、おちこぼれフルーツタルトの音MADも散見されます(はゆ はゆ はゆ)。

2021年:273件

ただいまーっ!!!シリーズが再生数の上位占めてます(あややーっ!!!わはははーっ!!!)。

本題(2):音MADにされやすいきらら系アニメ

音MADにされやすいきらら系アニメを探るべく、
各アニメの音MADがどれだけ投稿されているか調べてみました。
その結果、

1位:キルミーベイベー(461個)
2位:ご注文はうさぎですか?(390個)
3位:きんいろモザイク(388個)
4位:魔法少女まどか☆マギカ(292個)
5位:けいおん!(286個)
(2021/12/22時点)

となりました。
さて、なぜこのような結果が得られたのでしょうか?

まず、キルミーベイベーに関して。
アニメ版のキルミーの特徴として、素材としての使いやすさが挙げられる、と思います。つまり、音楽で言うところのリードやベースとなる音声が取りやすい、ということです。
以下に挙げる動画を見てもらえれば、やすなやソーニャ、あぎりが素材としていかに優秀かがわかると思います。
(以下のような、音合わせがメインの音MADはYTPMV [YouTube Poop Music Video] と呼ばれます。興味がある方はYouTubeで「YTPMV」と検索していただければ、雰囲気は掴めるかと思います)

ちなみに、僕のお気に入りの素材は、「キルミーベイベーEDの最初の低音」「やすなが目をそらす時の低音」です。(細かすぎて伝わらなさそう)

次に、ごちうさに関して。
これは、やはりアニメの知名度が非常に高いことが理由として挙げられると思います。知名度が高いと、好きになる人も多くなり、好きが転じて音MADを作る、という寸法です。また、キャラクターそれぞれで個性がきちんと立っていることも理由に挙げられるでしょう。つまり、音MADを作る上でネタにしやすい、ということです。例えば、「(`0言0́*)<ヴェアアアアアアアア」、「ココロガシズマルハーブティーヨー>(°Д°;〻」など。

ちなみに、僕が現時点で一番気に入っているごちうさの音MADは、
「理世妖怪前線」

です。

最後に、きんモザに関して。
こちらも、ごちうさと同様、知名度が高いというのが理由にあるでしょう。
金髪少女のウケの良さは、やはりあります。

本題(3):おすすめきらら系音MADの紹介

【ゆゆ式】BLU-RAY Disc

タイトルの通り(?)、ゆゆ式のBlu-ray発売告知CMを素材に使った音MADです。怒涛の5月29日連呼、それでいて聞きやすい音声と見やすい映像。惚れます。ゆゆ式作者の三上小又さんも巡回済らしいです。
kawaiiiiiiiiiiiiiii。

そわライド:そわ

最初はモノトーンのアニメ本編垂れ流し、途中でカレンが登場し音MADが始まります。その切り返しというのがまずうまい。そして、前半の垂れ流しで少々飽きてしまった視聴者を魅了する、後半の作り込まれた映像美。とてもよいです。

Please kill my love (リンク先はreuploadです)

音MAD界隈では毎年、「音MAD10選」と言って、その年で一番良かった音MADを投票で決め、ニコニコ生放送で発表するというイベントがあるのですが、この音MADは、2015年の音MAD10選で堂々一位を獲得しました。
一種の芸術作品とでも言えるほど、繊細な音声と、シームレスに作られた現代チックな映像の融合は、観るものを感動させること間違いなしです。是非一度は見てみてください。

TrueYasuna (リンク先はreuploadです)

これは完全に僕の趣味です。上でも述べたような、「使い勝手のいい素材としてのキルミー」が、この動画においてその役割を存分に果たしているように思います。もはや原曲。

Big Brother, Big Brother

近頃にわかに流行っているBig Brotherの音MADです。同じタイトルですが内容は違います。
前者はシャミ子が動く!!!映像の暴力というか、とにかく俺(私)はなんだってできるんだぞ、という作者の意気込みが伝わってきます。この動画をきっかけにして僕はまちカドまぞくを知りました。
後者も後者で素晴らしい。前者同様シャロが動き歌います。
Big Brotherの音MADは今や数多溢れており、その1つ1つが高クオリティなので、巡回してみるのもいいかもしれませんね。

KilLab=01

こちらもにわかに流行っているLab=01の音MADです。
おなじみの二人がぬるぬる動きます。何だこの技術力。
こういう聞きやすい人力VOCALOIDを目指したいものですね。

ワー キョーノオベントーワ カワラカー

最近見ましたが、中毒性が強いですね。
知っている曲が色々出てきて胸熱です。
これはあくまで個人的な感想なんですが、「あるセリフを、順番は変えずに音程だけ変えて原曲に合わせた音MAD」は伸びる傾向にある気がします。
(元の素材が何か分かりやすいからでしょうか?)

おわりに

以上、ぼくのだいすきなおとまっどについて、きらら作品と関連させて語ってきました。
ではでは、よい音MADライフを。

補足:最近見た中で良かった音MADは「パペットマペットの音MAD」です。


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