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仁川国際空港にて別切り航空券でトランジットする

 相変わらず新型肺炎の流行は続いており、前回のイギリスドライブといい、今回の記事といい、いつ役立つのか…という気もするが、久々に記事を投稿してみる。

 勿論、例によってもの凄く狭いターゲットの方限定の旅のノウハウなので、ご容赦頂きたい。

 さて、海外旅行に慣れた方であれば一度は「ソウル発券の航空券が安い」という類の話を聞かれたことがあるのではないか。(勿論、「ソウルよりもスリランカのコロンボやエジプトのカイロの方が安い」という方もいらっしゃるかも知れないが、流石にそこまで行くと一部の好事家の方以外ハードルが高く筆者も経験したことがない。)

 昨年、ヨメとイタリアに行くために色々と航空券を探していたときに、中国東方航空(MU)のソウル−ローマの往復航空券がビジネスクラスなのに16万円弱で買えることに気がついた。しかも調べてみると、上海−ローマは最新のA350でビジネスクラスは個室になるという。
 当時、日本ではANAがロンドン線に漸く導入を始めたばかりの個室ビジネスクラスが、ANAであればエコノミーでも買えるか買えないか…という激安プライスで体験できる。これは掘り出し物だ!とばかりに(中華系なのでちょっと逡巡したものの)ポチッとしたわけだ。(ちなみに、このとき同じMUの東京−ローマのビジネスクラスは23万円ほどであった。)

 ただ、MUが悪いわけでもないのだけど、ちょっとばかり難があって、この航空券だと仁川国際空港(ICN)の出発が朝の8時55分となる。ソウル市民であれば良い時間なのだけど、私は日本国民・東京都民だ。勿論、前の日の晩に飛んで仁川で前泊すれば良いのだけど、行先はイタリアであって限られた休暇はできるだけイタリアで使いたい(だったらアリタリア航空の直行便で飛べば良いのだが…)。
 これも調べてみると、羽田午前2時発、仁川4時50分着という大韓航空(KE)の便があるではないか。しかも、KEとMUは同じアライアンス(スカイチーム)に属している。しかも、深夜便である上に当時劣悪だった日韓関係を反映して往復2万円余という激安価格。これもさほど迷わずポチッとした。

 …で、ここまで済ませて気になったのは、往路の仁川空港におけるトランジット。
 復路はKEの深夜便がないという理由で仁川空港のホテルに一泊することにしたので、一旦入国せざるを得ず、そうなれば東京に向かうときに再度仁川でチェックインすることになるため問題はない。
 ただ、往路は朝5時前に到着して9時前に出発なので、できるなら入国でずにそのまま空港内でトランジットとしたい。しかし、上記のような事情があって航空券は別切り(羽田→仁川/仁川→ローマがそれぞれ別の航空券になっている)なので、羽田でのスルーチェクイン(羽田からローマまでのチェックインを全て羽田で行うこと)は保証されない。

 さあ、どうする…というわけで、前置きが長くなってしまったが、羽田→仁川/仁川→ローマでそれぞれ別に発券されている航空券を持って、仁川空港で出国せずトランジットしてみる…というのが本稿のテーマである。

 チケットを押さえた後、まずはMUの東京オフィスに電話を掛けてみる。
 「…仁川空港で再度チェックインしてください。」とのこと…。
 「それって、要するに仁川で一旦入国して、再度チェックインして出国しろ、ということでしょうか?」
 「そうです。」
 …。

 まぁ、4時間ほどはあるので、到着してすぐ動けば不可能ではない。ただ、KEは新設されたばかりの第2ターミナル、MUは第1ターミナルで、ターミナル間の移動が必要になって、実に面倒くさい。

 次に、ネットで色々と体験談を調べてみる。

 仁川空港は別切り航空券であっても、制限エリア内でチェックインができて、荷物も本人が態々ピックアップしなくても空港係員が積み替えてくれる仕組みがあるという。(恐らくはトランジットカウンターでのチェックイン情報を受けた係員が到着ロビーのターンテーブルで荷物をピックアップして出発便に積み替えてくれるのだろう)

 ちょっと希望が出てくる。
 更に調べると、MUは「搭乗棟」という第1ターミナルの出島のような場所にトランジット客用のチェックインカウンターがあるらしい。

 ここまで調べて、後は出たとこ勝負…と決め込む。羽田でローマまでのスルーチェックインが良いし、できなければ最悪仁川で入国すれば良いだろうと考えた。

 …で、当日。

 羽田空港のKE(から委託を受けているJAL)の係員は親切な方だった。2枚の航空券を示して、ローマまでスルーチェックインできないか尋ねたところ、スルーチェックインはできないものの、荷物はそのままローマまで送って頂けることになった。こう書くと、簡単だが、羽田→仁川→浦東→ローマと2回も積み替えるのだ。ロストしないか不安だったが、結果として荷物は無事にローマまで到着した。

 空港内にトランジットカウンターもあって、荷物はもうローマまで行くのだから安心…と仁川では入国しなかった。あまりに早朝で空港内の施設も殆ど動いてないだろうし。

 第2ターミナルに到着したら、「Transfer」の指示に従って地下に降りていく。途中、搭乗券をスキャンしないと通れないゲートがあるのだけど、ここは乗り換え便の便名(我々の場合は「MU5052」と入力した)を入力すれば通過できる。

 地下にはターミナル間を移動する無人の地下鉄が走っていて、搭乗棟(Concource)で降りて、指示に従っていくと搭乗ゲートが並ぶフロアに出る。

 搭乗棟の免税店が並ぶ一角にカウンターがあって、カウンターの上の液晶ディスプレイに「中国東方航空」と出るのでわかりやすい(但し、便の出発が近づかないとカウンターが開かないので、我々は暫く待たされることとなった)。ここでチェックインをすると、仁川−浦東と浦東−ローマ(フィウミチーノ)の2枚のボーディングパスが渡される。

 かくして我々は無事に仁川からローマに旅立つことができたのでした。

 余談だが、浦東の東方航空のラウンジには専用のヌードルカウンターがあって、茹でたての麺が食べられる。
 期待してなかったけど、割合美味しかった。

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